【東芝】バンコクでの電動バイクタクシードライバー向けバッテリーサブスクリプションサービスについて、規模を拡大し有償の実証実験へ移行 〜持続可能な製造業モデルの実現に向けて前進〜

株式会社 東芝

2025年8月21日
株式会社 東芝
株式会社ナチュラニクス
 
 
バンコクでの電動バイクタクシードライバー向けバッテリーサブスクリプションサービスについて、
規模を拡大し有償の実証実験へ移行
〜持続可能な製造業モデルの実現に向けて前進〜

 株式会社東芝(神奈川県川崎市、代表執行役 社長執行役員 CEO 島田太郎、以下「東芝」)と、島根大学発のバッテリーテック・スタートアップである株式会社ナチュラニクス(東京都墨田区、代表取締役 金澤康樹、以下「ナチュラニクス」)は、2024年9月から2025年3月までタイ・バンコクで実施した電動バイクタクシーのドライバー向けバッテリーサブスクリプションサービスに関する実証実験の結果を踏まえ、サービスの対象となる電動バイクタクシーの台数や地域を拡大し、実証実験(以下「本実証実験」)を2025年12月から2026年3月まで実施します。なお、本実証実験ではサービス提供を有償で行います。
 今般、両社は本実証実験に向け、バッテリーパックの製造などの準備を開始しました。
 

背景
 東芝とナチュラニクスは、バンコクで2024年9月から2025年3月にかけて、電動バイクタクシーのドライバーがバッテリーパックを充電ステーションで自由に交換できるサブスクリプション型のサービスを想定し、無償で実証実験を実施しました。
 実証実験では、東芝がリチウムイオン電池「SCiB™」を供給し、「SCiB™」をベースにナチュラニクスが開発、製造したバッテリーパック、充電器、バイクを使用しました。バッテリーパックに搭載したセンサーで電動バイクタクシー走行時の温度変化などを測定し、走行パターンや使用環境に関するデータを収集するとともに、ユーザーであるドライバーへのアンケートなどを行いました。
 実証実験で得られたデータをもとに、より正確なバッテリーパックの寿命予測を行い、バンコクの高温環境下においても、「SCiB™」の特長の一つである長寿命が維持できることがわかりました。また、ナチュラニクスが開発、製造したバッテリーパックや充電器の基礎技術についても必要な検証を完了しました。

本実証実験の内容
 2025年12月から開始する本実証実験では、電動バイクタクシードライバーへのヒアリングを行い価格に対する反応を含めたユーザーからの意見を再確認したり、バッテリーパック量産に向けての技術的な課題の洗い出しと対策の検討、充電ステーションにおける急速充電技術の性能評価、バッテリーパックの劣化状況分析とその対策検討など、サービスの完成度を高めることを目標とします。
 前回行った実証実験から規模を拡大し、バンコク市内及び周辺地域で、最大100台の電動バイクタクシーに対応できるようバッテリーパックを増産し、充電ステーションも1カ所から5カ所に増設します。

技術的な特長
 前回行った実証実験の結果から、東芝のリチウムイオン電池「SCiB™」が、高温環境下においても安定した性能を維持できることがわかりました。
 ナチュラニクスは、一般家庭用の電源からでも急速充電を可能とする独自の充電システムを開発しています。また、セル単位での劣化状況や使用履歴をリアルタイムで可視化し、複数パック間の協調制御や、急速充放電に適正化されたマネジメントによってシステム全体の寿命を長期化できる新開発のバッテリーパックは、リユースやリパーパス(用途転換)を見据えた構造となっており、リサイクルだけではなく、リユースやリパーパスを前提とした循環型の電動化エコシステムの実現にも寄与します。

ビジネスモデル
 近年、大量生産・大量消費型の産業構造が環境負荷増加や資源の枯渇を招いていることから、製品を長寿命化し、一つの製品を長く利用するビジネスモデルへの転換が求められています。東芝とナチュラニクスは、従来からの「売り切り」ではなく、寿命の長い電池を、長く使い続けることを前提としたサブスクリプション型のサービスを指向することで、生産数量=売上・収益という製造業の常識をくつがえし、持続可能な製造業モデルの実現を目指します。

今後の展開
 東芝とナチュラニクスは、本実証実験を経て、電動バイクタクシーのドライバー向けバッテリーサブスクリプションサービスを2026年度中に展開することを目指します。加えて、フォークリフトなどの産業用機械にも同様のサービスの展開を予定しています。
 今後は、モビリティとエネルギーインフラが一体となったサービスとして、用途拡大と事業拡大を進めていきます。





東芝について
 2025年に創業150周年を迎えた東芝グループは、「人と、地球の、明日のために。」という経営理念の下、エネルギーやインフラ、電子デバイスなど幅広い領域で事業を展開し、持続可能な社会に貢献しています。次の100年に向け、かつてない規模と内容の改革に取り組み、世の中の変化や社会課題に技術の力で応え続ける会社を目指しています。国内外のパートナー企業と積極的にグローバルエコシステムを形成し、長年にわたり培ってきた製品・ソリューション群にデータの力を最大限に活用することで、カーボンニュートラルとサーキュラーエコノミーの実現に挑戦します。

ナチュラニクスについて
 ナチュラニクスは、バッテリーの長寿命化技術と次世代エネルギープラットフォームの提供を通じて、自然とエレクトロニクスが共存する世界を創造することを目指すスタートアップ企業です。実使用におけるバッテリーの動的データの収集とAI技術による解析で、バッテリーのオープンイノベーションを促進するとともに、バッテリーの使用・劣化状況の把握に基づき資産価値を担保することで、複数のアプリケーションにまたがった長期利用を実現します。詳細については、www.naturenix.co.jpをご覧ください。


 
以 上

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