この度、本学の高尾英邦教授(微細構造デバイス統合研究センター長/創造工学部)との共同研究により、パナソニック株式会社くらしアプライアンス社(以下、パナソニック)は、香川大学独自の触覚センサを搭載した「毛髪キューティクル診断システム」の実用化を発表しました。本システムは、同社の「ナノケア誕生20周年イベント(9月1日開催)」において新製品の発表とともに公開され、会場では多くの来場者の方々がキューティクル診断技術の効果をその場で実際に体験されました。
今回パナソニックが開発した毛髪キューティクル診断システムは、高尾教授が香川大学で開発した「ナノ触覚センサ」を搭載。従来のキューティクル分析機器の100倍以上となる50 mmの広範囲を5分で評価可能で、毛髪の前処理が不要で評価できるシステムとして日本初(※1)となります。毛髪の張力や接触量・スキャン速度などを安定制御し、毛髪の専門家による官能評価を学習させた独自のディープラーニングモデルを搭載することで、人の指先の繊細な触感覚に基づく毛髪のダメージレベル定量化を実現しています。
※1 毛髪のキューティクルを50 mmの広範囲かつ前処理不要で5分間で評価可能な装置、かつ(研究段階や未公開技術を含まない)公開されている装置として日本初(2025年7月22日時点、パナソニック調べ)
【高尾英邦教授のコメント】
指では捉えきれないキューティクルの"手触り"を数値化するため、私たちは2018年よりパナソニックと共同で、独自の「ナノ触覚センサ」を用いた毛髪診断技術を研究してきました。ナノ触覚センサは世界最高水準の触覚感度と空間分解能を備え、14種のティッシュペーパーの手触りを見分けて分類するデモでは「正答率95%以上」を達成しています(被験者10名の平均正答率は20.7%)。この指先を超える触覚を捉えるセンサは、共同研究を通じて同社の「毛髪キューティクル診断システム」に実装され、科学的根拠に基づく画期的な毛髪ダメージ診断技術として実用化に至りました。
「毛髪キューティクル診断システム」の詳細はパナソニックのプレスリリースをご覧ください。
https://news.panasonic.com/jp/press/jn250910-1(2025年9月10日発表)
つきましては、是非両者に取材くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。
■お問い合わせ先
香川大学 微細構造デバイス統合研究センター長/
創造工学部 教授 高尾 英邦
TEL:087-864-2331
E-mail:takao.hidekuni@kagawa-u.ac.jp
香川大学 学術部研究協力課 土居
TEL:087-832-1316 FAX:087-832-1319
【リリース発信元】 大学プレスセンター
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