三宅香帆さんの新刊『文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか?』を12/9に発売!
村上春樹、星野源、清少納言… 時代とジャンルを超えて人気の文章に共通する「裏技」を文体ウォッチャーが解剖
株式会社サンクチュアリ・パブリッシング(本社:東京都文京区 代表取締役:鶴巻謙介)は、2025年12月9日より、書籍『文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか?』(三宅香帆 著)を出版いたします。https://www.sanctuarybooks.jp/book/detail/1624
過去の文学作品から現代のSNSまで、時代やジャンルを超えてあらゆる文章を横断的に分析することで、人の心をつかむ「文体」のひみつを明らかにしました。あらゆる書き手の表現の幅を広げ、読書体験をより豊かなものにしてくれる1冊です。
■文体とは何か? それは、書き手の「味」であり「歌い方」
読書を楽しむには、「内容」や「ストーリー」のほかに、言葉のリズムや語り口、間の取り方といった「文体」を味わうことが大事、と三宅さんは言います。
文体とは、絵画でいえば「絵のタッチ」、音楽でいえば「歌い方」のような、書き手固有の表現の癖のことです。書き手の個性は、「ストーリー(何が書かれているか)」よりも「文体(どう書かれているか)」にこそ色濃く現れます。 同じ出来事や発見をつづったとしても、文体が変われば、伝わり方はまったく変わってくるのです。
正しく、わかりやすく書くことは、今やAIでも可能です。しかし、「正確で丁寧な文章」がウェブ上にあふれた結果、かえって「読み飛ばしていい文章」と認識されつつあります。だからこそ、書き手の個性を出して読んでもらう文章を作るためには「文体」が重要なのです。
■文体へのこだわり〜三宅香帆が文体に強く惹かれる理由〜
長年にわたり、文章の「内容」よりも「書き方」を愛でてきた著者は、自らを“文体ウォッチャー”と称し、そのオタク的な情熱と批評眼で、あらゆる書き手の「文体の癖」を見抜きます。
その感性は極めて鋭く、文体の特徴から知り合いの裏アカウントを3回も発見したり、父親の学生時代の作文の中に、他者の小説を書き写した部分があることを見抜いたという逸話を持つほどです。
「新しい文体に出会えたとき、顔が赤くなるほどうれしい」という三宅さんは、「文体そのものを愛でる楽しさ」を読者と共有したいという強い思いで本書を執筆しました。
■本書の特長〜ジャンルを超えた「文体」の秘密を解読〜
本書は、著者が長年追求してきた「インターネット時代の書き手」と「昔ながらの文豪」の文体を並列して語るという斬新な視点に基づき、時代やジャンルの垣根を越えた分析を展開します。人を惹きつけ、先を読ませ、記憶に残す「文体」の具体的な技術を、著名な作家やクリエイターたちの作品から抽出しています。
【コンテンツ例】
Chapter 1
惹きつける文体
・星野源の未熟力ーー問いを共有する
・森鷗外の寄添力ーー最初にしつこく「これは記憶だ」と伝える。
・しいたけ.の誘引力ーー最初に意味不明な言葉を放り込む。 …など
Chapter 2
先を読みたくなる文体
・村上春樹の音感力ーー読みたくなるリズムを使う。
・司馬遼太郎の撮影力ーーカメラだけで書く。
・谷崎潤一郎の気分力ーー「どう感じているか」をくっつける。 …など
Chapter 3
説得力を生む文体
・秋元康の裏切力ーーオチでひっくりかえす。
・さくらももこの配慮力ーーオチを先に書いてしまう。
・こんまりの豪語力ーーアンチに対するフォローを入れておく。 …など
Chapter 4
記憶に残る文体
・俵万智の合図力ーーカタカナで注目させる。
・J・K・ローリングの超訳力ーー「引用言葉」を拡大解釈する。
・清少納言の音合わせ力ーー似た音でそろえる。 …など
■書籍情報
文体のひみつ なぜあの人の文章はつい読んでしまうのか?
三宅 香帆
2025年12月09日 発売
ISBNコード 978-4-8014-0162-4
新書判/並製/本文320ページ
定価:1,200円(税込1,320円)
三宅香帆
文芸評論家。京都市立芸術大学非常勤講師。1994(平成6)年高知県出身。京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程中退。主に文芸評論、社会批評などの分野で幅広く活動。著書に『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』『「好き」を言語化する技術』『「話が面白い人」は何をどう読んでいるのか』など多数。
