【令和の育休パパ実態調査2025】8割が育休中も仕事脳、仕事より家庭がストレスの“共育疲れ(トモイクづかれ)”が浮き彫りに。一方、赤ちゃんとふれあう「育児重点型」は育休満足度が上昇

ケラッタ株式会社

11月19日は「いい育児の日」

 男性育休の取得が広がるなか、2025年に育休を取得した男性500名を対象に調査を実施しました。その結果、3か月以上の取得がわずか1割強、「自分の意思で取得した」パパは3割程度にとどまり、制度の後押しや周囲の勧めによる“体験型育休”が多数派であることが分かりました。
 また、育休中にもかかわらず8割のパパが「仕事が頭から離れない」「職場に迷惑をかけていないか気になる」など“仕事脳”のまま家庭に入っている実態が浮かび上がりました。さらに、政府が掲げる「職場も家庭も脱ワンオペ」「共に育て、互いに支え合う」という共育(トモイク)の理想を受け、「妻とちゃんと分担しなければ」「完璧にやらなければ」と自分を追い込みやすい状況も見えました。
 本来であれば心身を整え育児に専念するはずの育休期間が、「仕事を気にしながら育児に家事に全部を頑張らなければならない期間」へとすり替わり、負担が二重化してしまう状態——これを本調査では“共育疲れ(トモイクづかれ)”と捉えました。
 
 
 
 一方、抱っこ・寝かしつけ・授乳サポートなど赤ちゃんとの直接的ふれあいが多い“育児重点型”のパパは、「子どもと向き合う幸せ」「家族の役に立っている実感」「パートナーとの関係改善」といったポジティブ感情が大きく上昇し、育休満足度が高いことも判明。つまり育休の満足度を高める鍵は、赤ちゃんとのふれあいという等身大の体験にあることが示されました。

 ベビー・マタニティブランド「ケラッタ」は、こうした結果から、男性育休や共育推進をより持続可能にするためには、夫婦が無理なく助け合える環境づくり、完璧さばかりを求めない風土、そしてパパの心身をケアする仕組みを社会全体で整える必要性があると考えます。


【調査実施背景】
 厚生労働省が昨年度実施した調査で男性の育児休業取得率が40%を超えたことが明らかになりました。2025年4月からの育児・介護休業法改正で、夫婦ともに育児休業を取得した場合に給付金が手取り収入の実質10割*になるなど経済面でのサポートも進んでいます。また、2025年7月から、厚労省による「共育(トモイク)プロジェクト」が掲げられ「職場も家庭も“脱ワンオペ”を目指し、共に育て、互いに支え合う社会づくり」が推進されています。一方で、男性育休の短期取得や育休に対する満足度が低い「とるだけ育休」という課題や、「男性の育児うつ」という心の健康課題にも注目が集まっています。こうした社会背景をふまえ、2025年に育休を取得したパパのリアルな心理を紐解くことで、共育時代における子育て支援の一助となれるよう、本調査を実施しました。


*参考:
2025年4月から「出生後休業支援給付金」「育児時短就業給付金」が始まります|厚生労働省
https://mhlw-communication-gov.note.jp/n/n9c998733c92e
共育(トモイク)プロジェクト|厚生労働省
https://tomoiku.mhlw.go.jp/


調査サマリ
<Q1~Q10>
  1. 3か月以上の育休を取得したパパはわずか1割強
  2. 育休取得の理由「自分の意志」3割、制度や周囲に促された受動的「体験型育休」が多数派
  3. 育休中の感情はネガティブ感情がポジティブ感情を上回る
  4. 8割がおおむね理想の「共育(トモイク)=脱ワンオペ」ができていると回答
  5. 育休中の役割は「家事系タスク」が育児系を上回る
  6. 育休中、赤ちゃんとの直接的なふれあいが多く持てたと実感したパパ65%
  7. 8割以上のパパが育休中も仕事のことが頭から離れない“仕事脳”
  8. 「育休中に家庭で感じるストレス」が、普段の仕事で感じるストレスを上回る
  9. 子育て製品選びは基本ママだが、ものによって自分で選びたいが5割以上
  10. 育休経験により家庭と仕事のバランスを重視する価値観への変化が多数派
<クロス分析>
  • 【A】赤ちゃんとのふれあいが少ない「家事偏重型」はネガティブ感情が顕著。一方で赤ちゃんとのふれあいが多い「育児重点型」は幸福度や満足度が高い
  • 【B】「共育(トモイク)=脱ワンオペ」が「十分にできている」パパの7割が仕事より「育休中に家庭で感じるストレス」の方が強いと回答、全層で突出
  • 【C】育休中も常に仕事のことを考えていた“仕事脳”パパは「パパ目線の製品を知りたい・使ってみたい」58%と関心度が高い

調査期間:2025年10月28日~11月5日
調査対象:2025年に育休を取得した男性、18~59歳
サンプル数:n=711人(Q1)、n=500人(Q2~Q9、クロス分析A~C)
調査方法:インターネット調査(ベビー・マタニティブランド「ケラッタ」調べ)


Q1. あなたが取得した育児休業の期間を教えてください(単一回答)
 

 育休を取得した男性のうち、約45%が1か月未満の短期取得、約3割が1〜2か月程度という結果に。3か月以上の育休を取得したパパはわずか1割強(11.8%)にとどまりました。
 



Q2. なぜ育休を取得したのか教えてください。(複数回答)

 育休取得の理由で最も多かったのは「パートナーに勧められて取得した」(41.4%)。続いて「社会的に育休を取る流れが進み給付金や制度が整っているから」(36.4%)と、制度や周囲からの促進による取得が多いことが分かりました。
一方で「自分の意志で育児や家事に関わりたいと思ったから」は約3割(29.6%)という結果に。「育休中も仕事ができると思った」(24.4%)も一定数あり、仕事モードのまま家庭に入ることや、育児への意識や準備が十分でないまま育休に臨むパパが多い実態、いわば「体験型育休」が多数派であることが分かります。
 

■前向き・主体的な育休取得理由
  • 自分の意志で、育児や家事にしっかり関わりたいと思ったから(29.6%)
  • パートナーの負担を減らしたいと感じたから(33.6%)
  •  家族との時間を大切にしたいと思ったから(23.4%)
■受動的・現実的な取得理由
  • パートナーや家族に勧められて取得した(41.4%)
  • 社会的に育休を取る流れが進み、給付金や制度など環境が整っていたため(36.4%)
  • 会社や上司が積極的に育休取得を後押ししていたから(26.8%)
  • 育休中もある程度仕事ができると思ったから(24.4%)
  • 正直なところ、仕事から少し離れてリフレッシュしたいと思ったから(10.0%)

【育休パパのリアルボイス】
  • 子育てとはどういうものか感じたかったので育児休暇を取得した(神奈川県・38歳)
  • 定年まで働き続け仕事ばかりの人生ではなく、自分や家族の時間を若くて動けるうちに確保したかった(神奈川県・38歳)
  • 1人目の時に業務が多忙でほとんど育児に携わることができなかったため、2人目の時は強く子育てに関わりたいと思っていたから(岡山県・32歳)
  • 妻に頼まれての取得ではあったが、ある程度の金銭が制度的に貰えるのであれば、家のことをしながらゆっくり過ごすほうが得だなと思った。(福岡県・35歳)
  • 10割になるのは魅力。(愛知県・37歳)
  • 仕事から離れて休むことがメインであった。国からも手当出るので抵抗はなかった(福岡県・38歳)
  • 育児休業給付金が十分もらえることと仕事から脱却してすこし家族で過ごすゆっくりとした時間がとりたかった。仕事をしていたらできない、自分の趣味にも時間をさきたかった(東京都・36歳)
  • 妻の負担がどうしても多くなっていたことや、仕事で残業が多かったこともあり、総合的に仕事にかける時間を減らして負担を分散させておきたかったため(沖縄県・35歳)
  • 一生に一度しかない機会を楽しみたいと思った(三重県・39歳)
  • 正直自分は仕事している方がいいが、短期間なら人生にそんな期間があってもいいかなと思ってとった。結局職場とパートナーの雰囲気次第(大阪府・39歳)

Q3. 育休中に感じた気持ちとして、あてはまるものをすべて教えてください(n=500・複数回答)

 「子どもとじっくり向き合うことに幸せを感じた」(30.8%)が最多。一方で、「正解が分からず迷うことが多く、焦りやプレッシャーを感じた」(26.6%)、「パートナーとの意見の食い違いやケンカによるイライラ」(26.4%)も多く、全体としてネガティブ寄りの感情(104pt)がポジティブ寄りの感情(85pt)を上回り、多くのパパが「幸福や達成感」と「不安やプレッシャー」の間で揺れていることが分かります。
また、全体で2番目に多い「慣れてきたころに育休が終わってしまい、やりきれなさ寂しさを感じた」(27.6%)や、「最初は戸惑いが多かったが、徐々に幸福度が上がった」(12.2%)という、時間の経過とともに変化する感情が見られたことは注目すべき点で、長期の育休取得の促進により男性の育休満足度が変化する可能性が示唆されました。
 

■育休中に感じたポジティブな気持ち
  • 子どもとじっくり向き合うことに幸せを感じた(30.8%)
  • パートナーとの関係がよくなり、絆が深まった(18.8%)
  • 自分の行いが評価され家族の役に立っていると感じた(18.0%)
  • 育児に集中できる育休取得を周りの男性に勧めたいと思った(17.6%)
  ➡ ポジティブ寄りの感情 計:85.2ポイント

■育休中に感じたネガティブな気持ち
  • 正解が分からず迷うことが多く、焦りやプレッシャーを感じた(26.6%)
  • パートナーと意見の食い違いやケンカにより、イライラを感じた(26.4%)
  • ストレス、心身の疲れを感じた(20.4%)
  • 自分の努力が十分に評価されていないと感じた(16.4%)
  • 職場復帰や将来に対して不安になった(14.2%)
  ➡ ネガティブ寄りの感情 計:104.0ポイント

■育休中、時間とともに変化する感情
  • 慣れてきた頃に育休が終わってしまい、やりきれなさ・寂しさを感じた(27.6%)
  • 最初は戸惑いが多かったが、徐々に自信や充実感に変わり幸福度が増していった(12.2%)
  • 最初は期待感を持って育休に臨んだが、徐々に早く職場に戻りたいと感じることが増えた(10.2%)
  ➡ 変化型感情 計:50.0ポイント


【育休パパのリアルボイス】
  • 上司や家族からのリクエストであったが、時間経過で前向きに自分らしく頑張ろうと思えてきた(東京都・40歳)
  • 1カ月では足りず、次回は半年以上取りたいと感じた。実際育休が終わってから数カ月したら夜泣きが始まり、離乳食もやり始めるとなると、妻への家事の負担が増し申し訳なくなった。子どもによっても成長スピードも違うし、悩み事も変わってくると思うので会社としても育休取得は最低半年など決めてもらえるとこちら側も取りやすくなる。トモイクを進めて行くにあたり、会社としての制度も社会としての制度も見直してもらいたい。(秋田県・28歳)
  • 抱っこや寝かしつけを通して、子供との時間の尊さを実感できた。育休をとって本当に良かったと感じる瞬間がたくさんあった。(茨城県・36歳)
  • 育児の疲れから早く仕事に戻りたいと感じるようになった(北海道・48歳)
  • どうしても、育児に関することは、妻の方がスムーズに行うことができていて、自分の無力感や疎外感を感じることがありました。また、妻からのアドバイスを素直に聞けず、イライラしてしまうこともありました。(愛媛県・32歳)
  • 初めての経験で寝る時間もなく、ストレスを抱えやすい環境だった。育児そのものよりも奥さんに対する行動や言動に気遣わなければならない場面が多く、疲れてフラストレーションも溜まりやすい。言葉選びも慎重に行わないと後々に響くので、結構疲れる。(神奈川県・29歳)
  • 育休に入る前は、家族との時間や子供との時間を取れると思い、楽しみだったが、いざ始まってみると、思うようにいかないことや妻とのすれ違いが多く、ストレスやイライラが募る一方でどうしたら改善されるのか分からないまま過ごしている。(京都府・34歳)
  • 仕事を離れることで気持ちに余裕ができました。気持ちに余裕がある状態で子どもと接することで関わりの幅が広がり幸せを感じました(大阪府・35歳)
  • 家族が増えるということはやはり養っていかなければならないということで仕事をもっとがんばらなければいけないとプレッシャーを感じ、鼓舞した。(東京都・35歳)
  • 正直、育休を取る前は「仕事を離れる不安」の方が大きかったです。でも、実際に赤ちゃんと過ごす時間が始まると、そんな気持ちはすぐに吹き飛びました。初めての抱っこ、寝かしつけ、ミルクをあげる瞬間…どれも手探りでしたが、子どもが自分の腕の中で安心して眠る姿を見たとき、「あ、俺、父親になったんだな」と実感しました。 特に夜中の授乳や寝かしつけで、妻と交代しながら過ごした時間は、夫婦の絆も深まった気がします。育休って、ただの休みじゃなくて「家族になるための時間」なんだと感じました。今思えば、もっと長く取ってもよかった。こんなに幸せな時間を過ごせるなら、仕事よりも価値があるって思えるくらいでした。(岐阜県・44歳)


Q4. 育児・家事・仕事を夫婦で理想の分担や水準で行うことや、「共育(トモイク)=だれかひとりが負担を抱え込むワンオペから脱却し、共に育てること」に取り組むことができていると思いますか?(n=500・単一回答)
 
 厚労省が掲げる「共育(トモイク)=脱ワンオペ」が十分にできている(29.8%)、「ある程度できている」(50%)を含めると理想の共育実現実感層は全体の約8割にのぼり、育休取得が「共育」意識の芽生えやワンオペ解消のきっかけになっていることがうかがえます。
 


Q5. 育休中、主に担当した家事・育児の内容を教えてください。(n=500・複数回答)

 育休中に主に担当した家事育児は、「洗濯」(45.8%)、「生活環境のメンテナンス(日用品補充・家具の補修など)」(45.0%)、「掃除」(43.2%)など、家事タスクを挙げたパパが多く、家事系の関与が育児系よりも高い傾向が見られました。一方で、育児タスクでは、「赤ちゃんの抱っこ・あやし」(37.8%)や「寝かしつけ」(29.4%)に加え、「上の子(赤ちゃんの兄姉)のお世話」(30.6%)を担うパパも多く、赤ちゃんだけでなく家庭全体を支える役割を担っていることが分かります。
 
 


Q6. 育休中、赤ちゃんとの直接的なふれあいがあった時間(抱っこ・あやし・授乳サポート・寝かしつけなど)は1日のうちどれくらいありましたか?(n=500・単一回答)

 「ほぼ1日を通してふれあう(昼夜ミルク・寝かしつけ)」(9.8%)、「かなり長くふれあう(常にミルク・抱っこ・寝かしつけをする)」(25.4%)、「よくふれあう(しばしばおむつ替えやミルクをあげる)」(30.6%)を合わせ、育休中、赤ちゃんとの直接的なふれあい時間が多く持てたと実感したパパが約65%という結果に。一方で、3割強は家事メインや「たまにおむつ替えをする程度」の関り方であることが分かりました。
 



Q7. 育休中、仕事のことが頭をよぎる瞬間はどれくらいありましたか?(n=500・単一回答)

 育休中「仕事のことを常に考えていた」(36.8%)、「少し考えていた」(46.4%)と、合わせて8割以上のパパが、育休中も何らかの形で仕事を意識する“仕事脳”になっている実態が見えました。
 
【育休パパのリアルボイス】
  • ルートセールスの仕事をしているため、1ヶ月間上司からほぼ毎日電話やLINEで確認があった。(広島県・34歳)
  • 夜中に寝かしつけてから発注業務をしたりリモートワークしていた感覚に近い。感謝はしているので今後は育児のみ集中できる環境作りもしてほしい(広島県・34歳)
  • 取って良いと言われて取った育休なのに、上司の態度が変わった。育休後、転職も考え始めた。(東京都・39歳)
  • 正直公務員が育児休暇を取るのは簡単だが、業務的(同僚)には厳しい。とくに災害時は育児休暇中でも出勤しなければならないし、それを命じる方もキツイはず(熊本県・36歳)
  • teamsなどで繋がっているため、自分宛のメッセージでなくても気になってしまうことはよくあった。また、健康保険や扶養などは職場に申請して手続きする必要があり、お願いばかりで申し訳ない気持ちになった。(東京都・34歳)
  • 育休中に何か仕事上のトラブルが生じないか不安を感じながら過ごしていた(埼玉県・43歳)
  • 育休をとったはいいものの仕事に復帰できるか不安でたまらず、生きた心地がしなかった(神奈川県・34歳)
  • 約一ヶ月間の育休であったため、特に代替え要員を立てずに、休みを取りました。そのため、結局仕事の連絡があるため、正直とった意味があまりなかった。(京都府・36歳)


Q8. 育休中の家庭で感じるストレスと、仕事で感じるストレスとを比較すると、どちらが強いですか?(心身の疲れ、プレッシャー、責任感など)(n=500・単一回答)

 「家庭で感じるストレスのほうが強い」(47.4%)パパが若干多く、「仕事で感じるストレスのほうが強い」(41.8%)を上回りました。育休によって新しい環境での役割や父親としての責任、夫婦間での衝突などが心理的負荷として現れている可能性がうかがえます。
 


Q9.  子育て製品(抱っこひも・ベビーカー・授乳関連・おむつ関連・ケア用品・ベビー服など)の選び方について、あてはまるものを全て教えてください。(n=500・複数回答)
  
  子育て製品は、基本的にママが選んでいる家庭が多いことが分かりました。一方で、「自分も身に着けるものや家の外でも使うもの(抱っこ紐・ベビーカー等)は自分で選びたい」(52.8%)が顕著で、おむつやおしりふきのような消耗品と比較して、お出かけ用品やファッション系の子育てアイテム、高額なもの等は主体的に選びたい気持ちが高くなる可能性があることがうかがえます。
 


Q10 育休を経験したことで、あなたの仕事観や家族観などの価値観や気持ちに変化がありましたか?(n=500・複数回答)
 「仕事と家庭の両立を意識するようになった」(36%)、「育児をしながら無理なく働きたいと感じた」(30.6%)といった、家庭と仕事のバランスを重視する価値観の変化が多く見られます。育休は男性にとって、働き方やキャリア、人生を見つめ直す期間としても意義があることが分かります。
 

■ 家族観
  • 仕事と家庭の両立をより意識するようになった(36.0%)
  • 育児をしながら無理なく働きたいと感じた(30.6%)
  • 家族と過ごす時間を優先できる働き方に変えたいと思った(29.2%)
  • 育児・家事は「手伝う」ではなく「自分の役割」だと感じた(24.8%)
  • 家族との時間を大切にしたいと思うようになった(14.2%)
  • パートナーの仕事復帰をサポートしたいと感じた(13.4%)
■仕事観
  • 自分の時間や成長の大切さを再認識した(28.8%)
  • 育休の経験が仕事に活きると感じた(25.2%)
  • 仕事へのモチベーションが上がった(20.4%)
 

【クロス分析】

A.  Q3×Q6. 「育休中に感じた感情(Q3)」と「赤ちゃんとの直接的なふれあい時間(Q6)」の相関性

 赤ちゃんとのふれあいの量が、育休中の感情の質(ポジティブ・ネガティブ)にどのように影響するかを検証した結果、ふれあいの量による感情傾向に明確な違いが見られました。
 赤ちゃんとのふれあいが少ない「家事偏重型」層では「焦り・プレッシャー」(61.2%)といったネガティブ感情が全層と比較し顕著に現れ、中間層では「慣れてきたころに育休が終わってしまい、やりきれない」(34.6%)といった未消化感を抱きやすいことが見て取れます。そして、赤ちゃんとのふれあいが長い「育児重点型」層では「子供と向き合うことに幸せを感じた」(49%)、「育休取得を周りに勧めたい」(28.6%)といった幸福感や育休満足度が全層で最高となる一方、ストレス・疲労感も高まる傾向にあり「努力が十分に評価されない」(22.4%)も全層で最高に。赤ちゃんと深く関わることで、理想と現実の両面を実感していることが明らかになりました。

 すなわち、赤ちゃんとじっくり向き合える育休は父親にとってポジティブな成長機会であると同時に、サポート体制や家族内のコミュニケーションが不十分だと“負担”として跳ね返るリスクもあるため、企業や社会全体で、夫婦が安心して共に育てる環境を進める必要性があると考察できます。
 

①赤ちゃんとあまりふれあう時間がなかった層(家事偏重型・13.4%)
  • 「正解が分からず迷うことが多く、焦りやプレッシャーを感じた」(61.2%)と突出。赤ちゃんとのふれあい時間の短さ、育休自体の取得の短さなどが原因で、育児への自信が持てず焦りを感じやすいと考えられる。
  • この層のみ「パートナーとの意見の食い違いやケンカによりイライラを感じた」(19.4%)で平均を下回る結果に。育児への関与が少ないことで、夫婦間の衝突や感情の共有自体が生まれにくいとも考えられる。
  • 「職場復帰や将来に対して不安になった」(6.0%)が顕著に低く、育休自体の取得の短さもあり、育休中も仕事への意識が強く残っている可能性が高い。
②1日のうち何度かふれあう程度の層(たまにおむつ替えする程度・20.8%)
  • 「慣れてきた頃に育休が終わってしまい、やりきれなさ・寂しさを感じた」(34.6%)と最も高く、“もう少し関わりたい”という未消化な思いや、育児にある程度関わったことで責任感が芽生えつつも、十分な達成感を得られず中途半端な印象を抱きやすい可能性がある。
  • この層までは「育児に集中できる育休取得を周りの男性に勧めたい」(9.6%)と平均を下回り、育児分野への関与の浅さや育休自体の短さが、満足度の低下に直結している可能性がある。
③1日のうちふれあう時間がよくあった層(しばしおむつ替えやミルクをあげる・30.6%)
  • 「子どもとじっくり向き合うことに幸せを感じた」(28.8%)、「最初は戸惑いが多かったが、徐々に自信や充実感に変わり幸福度が増していった」(11.1%)と、幸福度や育児への手応えが上昇し始める層であることが分かる。
  • 一方で、この層から「ストレスや心身の疲れを感じた」が平均を上回り、「パートナーとの意見の食い違いやケンカによりイライラを感じた」(32.0%)と全層で最高となり、関与が増えることで心身の負担や夫婦間の衝突も大きくなっていると考えられる。
④1日のうちふれあう時間がかなり長くあった層(常にミルクや泣く度に抱っこであやす・25.4%)
  • 「子どもとじっくり向き合うことに幸せを感じた」(41.7%)、「自分の行いが評価され家族の役に立っていると感じた」(27.6%)、「パートナーとの関係がよくなり、絆が深まった」(24.4%)と、家族とのつながり・肯定感・幸福感が顕著に高まる
  • 一方で、「ストレスや心身の疲れを感じた」(23.6%)と全層で最も高く、幸福感と同時に負担感も増大している。

⑤ほぼ1日を通して赤ちゃんとふれあっていた層(昼夜ミルクをあげたり泣けしつけをしたりする・9.8%)
  • 「子どもとじっくり向き合うことに幸せを感じた」(49.0%)、「育児に集中できる育休取得を周りの男性に勧めたいと思った」(28.6%)と、いずれも全層で最高値。深いふれあいを通じて育児の喜びを強く実感し、育休の価値を他者にも伝えたい意識が最も高い。
  • 「パートナーとの関係がよくなり、絆が深まった」(30.6%)と全層で最も高く、育児を通じ夫婦の一体感が形成されていることがうかがえる。
  • 一方で、「正解が分からず迷うことが多く、焦りやプレッシャーを感じた」(34.7%)、「自分の努力が十分に評価されていないと感じた」(22.4%)と平均を大きく上回り、関与が深いほど理想と現実のギャップに直面しやすい傾向が示された。


B.  Q4×Q8 「共育(トモイク)=脱ワンオペの実現度(Q4)」 と「 育休中の家庭ストレスと仕事ストレスの強さ比較(Q8)」の相関性

 育児・家事・仕事を夫婦で分担しワンオペから脱却するという理想の「共育」家庭の背景に、ストレスや疲れという現実のギャップがどう存在しているのかを検証しました。
その結果、共育が「十分にできている」パパの約7割が「仕事より家庭でのストレスの方が強い」(69.1%)と突出。理想的な分担を実現している一方で、父親としての責任感や理想を維持し続けるプレッシャーで心身の負担が高まる“共育疲れ”に陥っている兆候がみられました。「ある程度できている」層では、家庭ストレス(43.2%)と仕事ストレス(48.8%)は拮抗、共育が「あまりできていない」層では、「家庭より仕事でのストレスの方が強い」(64.1%)「できていない」層(ワンオペ家庭)のパパは、「家庭でのストレスと仕事でのストレスが同じくらい」(30.4%)が全層で最多となり、共育への意識自体が薄い可能性が見て取れます。

 こうした共育実現実感度が高い、いわゆる “イクメン”ほど家庭でのストレスを強く感じているという現実は、共育の理想の背景に“共育疲れ(トモイクづかれ)”が存在していることを示唆しており、「理想を求める」だけでなく、「無理を減らす」視点も必要だと考えられます。パパの育休や共育推進を持続可能にするためには、物理的な支援だけでなく、心理的なケアや完璧を求めない風土づくりといった文化的サポートも不可欠であると考察できます。
 

C.  Q7×Q9 「仕事脳(Q7)」と「子育て製品への関心(Q9)」の相関性 
 
 最後に、Q9で明らかになった「子育て製品選びは基本ママ主導だが、関心自体はある」という結果と、パパ特有の「育休中も仕事脳」に着目したところ、興味深い相関性を発見しました。

「育休中も常に仕事のことを考えていた」いわゆる“仕事脳パパ”は、「パパ目線の製品を知りたい・使ってみたい」(58.2%)、「基本はパートナーが選んでいるが、製品への使い心地や機能性に関心がある」(39.7%)が全層で最も高いことが分かりました。これは、仕事意識が強いパパこそ、合理性や機能性を重視し、自分に合った製品を探求する思考が働きやすく、子育て製品を一緒に選ぶというアクションを通じた前向きな育児関与が響きやすい可能性があるともいえます。

子育て製品を開発するベビー・マタニティブランドとして、パパのリアルな声にも寄り添った、パパママ目線の製品開発を通じて、共育(トモイク)の推進と啓蒙に引き続き注力していくことを目指します。
 

<ケラッタ株式会社とは>
 自身も二児の母である下村が代表を務める、ベビー・キッズ・マタニティ用品を主に扱う会社です。長野県塩尻市発の小さなものづくりの会社でありながら、国内3大ECモールの年間アワードをトリプル受賞した唯一のベビーブランドとなりました。行政やNPO法人と連携し、支援を必要とされる方々に製品をお届けするといったサステナビリティ活動「ケラッタはぐくみプロジェクト」を実施しています。
https://kerata.co.jp/
 

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