アストラゼネカのSGLT2阻害剤フォシーガ、 DECLARE-TIMI 58試験の 心血管アウトカムデータに対する 欧州医薬品評価委員会(CHMP)の肯定的見解を取得
バイオ医薬品研究開発部門担当エグゼクティブバイスプレジデントであるMene Pangalosは次のように述べています。「当社は、フォシーガの心血管アウトカムおよび腎関連データが肯定的見解を得たことを嬉しく思います。この推奨によりフォシーガは、さらに多くの2型糖尿病患者さんの治療の役に立つ可能性があることが認められました」。
DECLARE-TIMI 58試験は、SGLT2阻害剤で実施されたこれまでで最大かつ広範な心血管アウトカム試験です。本試験においてフォシーガは、二つの有効性主要評価項目の一つである心不全による入院または心血管死の複合評価項目において、プラセボとの比較で統計学的に有意な低下を示しました。もう一つの有効性主要評価項目である主要心血管イベントは、 フォシーガ群でより少ない頻度で確認されましたが、統計学的な有意差は示しませんでした。
DECLARE-TIMI 58試験では、これまでに確立されたフォシーガの安全性プロファイルと同じ結果が確認されました。本試験により、フォシーガ群とプラセボ群における四肢切断、骨折、膀胱がんあるいはフルニエ壊疽の発現はこれまでと同等であることが示されました。
なお、本剤の本邦における適応は2型糖尿病及び1型糖尿病です。心血管イベント、心血管死、心不全の抑制もしくは慢性腎臓病治療薬としての適応はありません。
以上
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DECLARE-TIMI58試験について
DECLARE(Dapagliflozin Effect on Cardiovascular Events[心血管系イベントに及ぼすダパグリフロジンの影響])-TIMI58試験は、アストラゼネカが実施する無作為化二重盲検プラセボ対照多施設共同試験で、複数の心血管リスク因子、あるいは、心血管疾患の既往歴を有する患者さんを含む、CVイベントリスクがある成人2型糖尿病患者さんを対象に、フォシーガによる治療が及ぼす影響をプラセボとの比較で評価しました。DECLARE試験には、日本を含む世界33カ国882施設から17,000例超の患者さんが登録され、TIMI試験グループ(米・マサチューセッツ州ボストン)がHadassah Hebrew大学メディカルセンター(イスラエル・エルサレム)と協力し、独立して実施されました。DECLARE-TIMI 58試験の全結果は2019年1月にThe New England Journal of Medicineに掲載されました。
フォシーガ(一般名:ダパグリフロジン)について
フォシーガは、ナトリウム・グルコース共輸送体2に作用するファーストインクラスの選択的阻害剤(SGLT2阻害剤)で、成人2型糖尿病患者さんの食事、運動療法の補助治療としての血糖コントロールの改善を適応として、経口1日1回投与で単剤療法または併用療法の一環として使用されます。また、本邦では2019年3月、1型糖尿病患者さんのインスリン療法の経口投与の補助治療としての適応が追加されました。フォシーガの強固な臨床プログラムは、終了済みの試験を含め35,000例以上の患者さんを対象とする35件以上の第IIb/III相試験から構成されています。なお、本邦において本剤の心血管イベント、心血管死、心不全の抑制もしくは慢性腎臓病治療薬としての適応はありません。
アストラゼネカの循環器・腎・代謝領域(CVRM)について
循環器・腎・代謝疾患はアストラゼネカの3つの主要治療領域のひとつであり、当社の重要な成長ドライバーです。心臓、腎臓、膵臓などの臓器の基本的な関連性をより明確に解明するサイエンスを追求し、疾患進行の抑制やリスク減少、合併症の抑制による臓器保護と予後の改善をもたらす医薬品のポートフォリオに投資をしています。当社は、CVRM 疾患をもつ世界中の何百万人もの患者さんの健康と、治療法の進歩に貢献する革新的なサイエンスを継続的に提供し、疾患の治療・進展抑制、さらには臓器およびその機能の再生の実現を目指しています。
アストラゼネカについて
アストラゼネカは、サイエンス志向のグローバルなバイオ・医薬品企業であり、主にオンコロジー、循環器・腎・代謝疾患、および呼吸器の3つの重点領域において、医療用医薬品の創薬、開発、製造およびマーケティング・営業活動に従事しています。当社は、100カ国以上で事業を展開しており、その革新的な医薬品は世界中で多くの患者さんに使用されています。詳細についてはhttp://www.astrazeneca.com または、ツイッター@AstraZeneca(英語のみ)をフォローしてご覧ください。