9月21日は「世界アルツハイマーデー」 医療ビッグデータで直近10年間の認知症患者数推移を抽出

メディカル・データ・ビジョン株式会社

 国内最大規模の診療データベースを保有し、データに基づく医療を推進するメディカル・データ・ビジョン株式会社(東京都千代田区、代表取締役社長:岩崎博之)は、9月21日の「世界アルツハイマーデー」を前に、直近10年間の認知症患者数の推移などを抽出しました。
 今回の認知症患者数などに関するデータの調査対象期間は、2014年4月から2024年3月までとしました。施設数はその期間でデータの揃っている197でした。その中で、国際疾病分類(ICD-10)のF01 血管性認知症、F03 詳細不明の認知症、G30 アルツハイマー病、 G31 神経系のその他の変性疾患,他に分類されないものーーを抽出しました。
 

直近10年の認知症患者数の推移(グラフ1)
 
 =グラフ1=
 新型コロナ感染拡大で全体で外来患者数が減少した2020年は減少しているが、以降、増加傾向を見せている。
 

65歳以上認知症患者割合(グラフ2)
 
=グラフ2=
 一番割合の高い東北地方については、高齢化が進み若年層の流出により高齢者の割合が高まっているため、認知症患者の割合も同じく高まっている可能性がある。
 また、人口減少や過疎化が進む中で、地域コミュニティの弱体化や高齢者の孤立が認知症の進行を促していることも考えられる。

■認知症治療現場からの医師のコメント

 

社会医療法人財団 石心会理事長 川崎幸クリニック 杉山孝博 院長
 
 アルツハイマー治療薬「レカネマブ」が2023年9月に日本で承認され、「ドナネマブ」も今後、正式承認される見通しだ。原因物質を取り除いて認知症の進行を抑制するレカネマブとドナネマブの登場により、アルツハイマー治療は従来の「進行を遅らせる」から、「治療ができる」というフェーズに入った。まだ、「治るような夢の新薬」とまでは言えず、発展途上だが心理的な効果は大きい。
 上記の2つの新薬を除き、アルツハイマー治療には現在、4種類の治療薬が診療報酬上で認められている。進行したケースでは、治療薬の効果が期待できないので、早期の治療開始を推奨している。
 また、正常圧水頭症、慢性硬膜下血種、脳腫瘍などが原因の「治る認知症」は速やかに診断して、脳外科的な治療をすると症状が改善する場合があり、その意味でも早期診断・治療が必要だ。

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