GitHub のコントロールレイヤーによる統合、管理、セキュリティ保護を実現
2025年5月19日(米国時間) - 米国ワシントン州シアトル - AIを活用したソフトウェア開発者プラットフォームとして世界をリードするGitHub(
https://github.com/about)は5月19日(米国時間)、Microsoft Build 2025にて、GitHub Copilotへの「非同期コーディングエージェント」の追加を発表しました。本コーディングエージェントは、GitHubに直接組み込まれ、VS Codeからも利用可能で、世界中で最も広く採用されている開発環境において、強力な“エージェント型DevOpsループ”を実現します。さらに、開発者の選択肢とアクセスを最優先するGitHubの理念に基づき、VS Code版GitHub Copilot Chatのオープンソース化、GitHub Models の機能強化(xAIによる Grok 3への対応を含む)、およびエージェントモードのJetBrains、Eclipse、Xcodeへのサポートの提供も発表しました。
GitHub CEOのトーマス・ドムケ(Thomas Dohmke)は、次のように述べています。「GitHubは世界中の開発者がプロジェクトに取り組む場として進化してきました。今後は、設定や操作、検証が可能な形で、開発者がエージェントと協働する場にもなります。組織と開発者がセキュリティ体制を損なうことなく、こうしたエージェントを受け入れる準備を整えることが極めて重要です。GitHub Actionsを中核とした、統合的で安全かつ完全にカスタマイズ可能な開発環境の上に構築されたGitHub Copilotコーディングエージェントは、エンタープライズ利用に最適なソリューションです。設計段階から信頼性を組み込み、開発者の力を最大化します。また、これらの保護はGitHubに限らず、エージェント協調型ピアプログラミングのオープンなエコシステムを実現するため、AIエージェントの新たなホームとして、同基本機能をパートナーにも提供していきます」
統合的で安全かつ完全にカスタマイズが可能
GitHub Copilotコーディングエージェントは、ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)の流れに組み込まれたGitHubのネイティブなコントロールレイヤー上で動作します。開発者がGitHub IssueをCopilot に割り当てる、またはVS CodeのGitHub Copilot Chatから作業開始を指示すると、エージェントは作業を開始します。エージェントは作業内容をドラフトプルリクエストへコミットとしてプッシュし、開発者は進捗をエージェントセッションログで随時確認できます。また、開発者はプルリクエストレビューを通じてフィードバックを与え、エージェントに反復的な改善を指示することができます。
エージェントは、既存のセキュリティ体制を損なわないよう特別に設計されており、ブランチ保護や制限付きインターネットアクセスなどの機能を標準で備えることで、安全かつポリシー準拠の開発ワークフローを実現します。さらに、エージェントが作成したプルリクエストはCI/CD ワークフローが走る前に人間の承認を必須とするため、ビルドおよびデプロイ環境に対する追加の防御が確立されます。
また、Model Context Protocol(MCP)を活用すれば、チームはGitHubから外部のデータや機能へのアクセス権をコーディングエージェントに付与できます。MCP サーバーはリポジトリの設定から構成可能です。
GitHub Actionsを活用
すべてのソフトウェアエンジニアエージェントには計算環境が必要です。GitHub Copilotコーディングエージェントは、GitHub Actions上に安全でカスタマイズ可能な開発環境を自動構築し、作業を開始します。GitHub Actionsは2018年に発表され、今では世界最大のCI/CDエコシステムとなっており、GitHub Marketplaceに25,000 以上のアクションが登録され、平日1日あたり4,000 万個以上のジョブが実行されています。GitHub Actionsを利用することで、Copilotは信頼性と安全性を備えた使い慣れた強力な計算環境を利用できます。GitHub Actionsは、すでに世界中のオープンソース プロジェクトからスタートアップ、大規模企業まで、あらゆる組織に利用されています。
エンタープライズ対応を前提に設計
社内チームおよび一部顧客とのプライベートプレビューでは、十分にテストされたコードベースにおいて、低〜中程度の複雑性を有するタスクに特に高い成果が確認されました。具体的には機能追加やバグ修正、テスト拡充、コードのリファクタリング、ドキュメント改善などです。
- Carvana社 Engineering および Analytics部門シニアバイスプレジデント Alex Devkar氏は、次のように述べています。「GitHub Copilot のコーディングエージェントは、当社のワークフローにシームレスに統合され、仕様書を数分で本番コードへ変換してくれます。開発速度が上がり、チームはより創造的な作業に集中できるようになりました」
- EY社 DevExリード James Zabinski氏は、次のように述べています。「Copilot コーディングエージェントにより、開発者は自分専用のエージェントチームを並列稼働させ、作業を増幅できます。これまで深く複雑な開発を阻んでいた付帯タスクをエージェントに任せることで、開発者は価値の高いコーディング作業に集中できるようになりました」
GitHub Copilot コーディングエージェント(
https://docs.github.com/en/enterprise-cloud@latest/early-access/copilot/coding-agent/using-copilot-coding-agent)は
GitHub Copilot Enterpriseおよび GitHub Copilot Pro+ユーザーにプレビュー版として提供されます。エージェント利用時には、各ユーザーのサブスクリプションに含まれる GitHub Copilotのプレミアムリクエスト枠が消費されるほか、GitHub Actionsの実行時間も消費されます(GitHub Actionsには顧客ごとに無料の利用枠が付与されています)。
RedMonk社 シニアアナリスト Kate Holterhoff氏は、次のように述べています。「GitHubは自律型コーディングエージェントによって、GitHub Copilot を “エディター内アシスタント” から真の開発プロセスのコラボレーターへと進化させようとしています。この進化により、チームは実装タスクをエージェントへ委任し、ソフトウェアライフサイクル全体で開発リソースをより効率的に配分できるようになります」
AI 機能のさらなる拡大
GitHub は、開発者が安全かつ柔軟・効率的にビルドとデプロイを行えるよう、次のAI機能拡張も発表しました。