【東芝エネルギーシステムズ】当社の「アミン-CO2 サイクルを使ったバイナリー発電機の開発」が NEDO「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」に採択


2025-8-20
東芝エネルギーシステムズ株式会社

当社の「アミン-CO2 サイクルを使ったバイナリー発電機の開発」が
NEDO「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・
社会実装促進プログラム」に採択
~未利用熱を効率的に活用し、省エネルギーに貢献~



 当社は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が公募した「脱炭素社会実現に向けた省エネルギー技術の研究開発・社会実装促進プログラム」において、豊田ケミカルエンジニアリング株式会社(以下、TCE)と共同で実施する「アミン-CO2 サイクルを使ったバイナリー発電機の開発」を提案し、このたび、本提案が採択されました。本実証開発の期間は2025年6月から2028年3月までとなります。

 一般的に工場や発電所では、使用される熱エネルギーのうち、低温となったものは利用しきれずに未利用熱として排出されます。持続可能なカーボンニュートラル社会の実現にはこの未利用熱を有効利用することが重要ですが、経済性や環境負荷、安全性の確保などが課題となり、日本国内では150 ℃未満の未利用熱はほとんど活用されていません。

 このような中、当社はカーボンニュートラル社会の実現に向けて、既存のバイナリー発電機で使用されている地球温暖化係数の高い代替フロンに代わる新技術として、CO2を吸収したアミン水溶液を用いた高い発電性能および環境に配慮した安全なシステムを実現する「アミン-CO2 サイクルバイナリー発電機」の社会実装に向けた開発を2017年から進めています。

 バイナリー発電は、熱水や蒸気の力で、水よりも沸点の低いアンモニア水や代替フロンなどの作動媒体を沸騰させ、その蒸気でタービンを回転させる発電方式です。
 「アミン-CO2 サイクルバイナリー発電」は、CO2を含んだアミン水溶液を作動媒体注1として蒸発させて水蒸気とCO2ガスでタービンを回転させ、発電します。アミン水溶液に吸収されたCO2が70℃以上で外部から熱を取り込み、加熱時にガスとして放出される特徴を活用し、工場や発電所などで排出される80℃~150℃の未利用熱から効率的に熱回収することが可能です。アミン水溶液は、温暖化係数が小さくオゾン層保護法の規制対象外の持続可能な物質で、長期間にわたり安全で環境に配慮した運用が可能です。既存の代替フロンを用いたバイナリー発電機に対して同一熱源条件で発電出力が1台あたり10 %以上高いことを確認しています。
 2022年3月には100kW級の試験機を製作して当社京浜事業所に設置し、性能評価などの運転実証を通じて、発電システムの最適化と安全かつ安定した運転方法を確立しました。また、この技術開発は2024年度「NEDO省エネルギー技術開発賞 特別賞(イノベーティブプロダクト賞)」を受賞しました注2
 本サイクルの導入により、100kW級1台あたり年間約400トンのCO2削減効果が期待でき、2040年までに約11万トン/年のCO2削減を目指していきます。

 TCEは産業廃棄物中間処理や使用済みハイブリッド電池などの再資源化を通じて地球環境保全と地域社会への貢献を目指しています。工場内のプロセス蒸気を有効利用して、自社工場のCO2削減に当社のアミン-CO2 サイクルを使ったバイナリー発電機が有効であると考え、本実証開発に参画します。
  
 本実証開発においては、TCEの半田工場(愛知県半田市)に100kW級の発電機を設置し、同工場内で余剰となっている未利用熱を電気エネルギーに変換する実証運転を行い、バイナリー発電機の社会実装に向けた検証をします。2025年度にバイナリー発電機の製作を行い、2026年度に据え付け、実証を行います。

 当社は本実証開発を踏まえ、2028年度に100kW級のアミン-CO2 サイクルバイナリー発電機の商用化を目指します。将来的には、中小規模のバイナリー地熱発電所向けへの適用も検討しており、脱炭素社会実現に向け、低温未利用熱の有効活用による省エネルギーの実現に向けた取り組みを加速していきます。

注1 作動媒体とは、熱機関や冷凍機、ヒートポンプなどのサイクルにおいて、熱を移動させたり、外部から仕事を受け取ったりするために用いられる物質(流体)のこと
注2 https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101806.html


「NEDO省エネルギー技術開発賞」ロゴマーク


各社の役割

東芝エネルギーシステムズ:アミン-CO2 サイクルバイナリー発電機の設計・製造、実証機サイクル性能評価
TCE:実証機の据え付け・運転・運用性評価


系統構成イメージ



100kW級バイナリー発電実証試験機(当社京浜事業所内)





TCEの半田工場全景イメージ






以上

*東芝エネルギーシステムズ株式会社と東芝デバイス&ストレージ株式会社は株式会社東芝の100%子会社です。

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この企業の情報

組織名
株式会社 東芝
ホームページ
https://www.global.toshiba/jp/top.html
代表者
島田 太郎
資本金
20,086,900 万円
上場
東証プライム
所在地
〒105-8001 東京都港区芝浦1丁目1-1
連絡先
03-3457-4511

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