■VOL.38 心なごむ、會田雄亮の陶の庭『月に詩う』
1971年の開業時、伝説的デザイナー剣持勇氏がアートディレクションを指揮したことでも大きな話題となった京王プラザホテル。その剣持氏が招集した日本を代表する芸術家たちのなかに、気鋭の若手として参加したのが陶芸家の會田雄亮氏でした。ホテル正面玄関の壁面や館内の陶壁、オブジェなど多数の作品をご提供いただいているなか、2014年、開業以来44年ぶりに新たな作品として生まれ変わったのが、3階<カクテル&ティーラウンジ>の窓外を彩る「陶の庭」です。
美しい月の夜に、雲海の中に山々が見える風景をイメージした『月に詩う』と命名された庭は、繊細な色のグラデーションと土のもつ温かみが調和した陶壁に、大地のエネルギーを表現したオブジェが不規則に並ぶ独創的なアート作品。日中は白砂に欅の影が映り、夜は幻想的にライトアップされるなど、時間帯やそれぞれのお席によって異なる見え方や印象をお楽しみいただける贅沢な空間になりました。見る人にやすらぎを与える陶壁やモニュメントなど、公共物の大作も数々手がけられた會田氏。最晩年の作品となったこの「陶の庭」にも、見る人の心を飽きさせない會田作品ならではの魅力があふれています。お茶やお酒とともに、心なごむひとときをお楽しみください。
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