最新調査:リスク管理の専門家が警鐘をならす資産負債管理(ALM)の体制整備

SASが委託したCelentの調査により、昨今の銀行破綻による金融業界の動揺と
リスク管理の実務と能力の向上に向けた動向が明らかに


アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下 SAS)は、米調査会社であるCelentに委託し、金融機関におけるリスク管理の課題にどのように対応しようとしているかを明らかにした、最新調査結果(https://www.sas.com/en/whitepapers/celent-modernizing-asset-liability-management-113505.html)を発表しました。

今年3月の米国シリコンバレー銀行(SVB)の突然の経営破綻は、金融サービス業界にとってそれまでの比較的平穏な時期を打ち砕き、その後、断続的に続く危機に警鐘を鳴らすきっかけとなりました。2015年から2022年までの間の銀行の破綻件数は年間で平均4件にも満たず、2021年と2022年は1件もありませんでした。SVBの破たんの影響から、長年見過ごされてきたリスク管理としての資産負債管理(ALM)に注目が集まってきています。

調査報告書「Modernizing Asset Liability Management(資産負債管理のモダナイゼーション)」は、世界22カ国の金融サービス業界のリスク担当者266名を対象として実施した調査に基づいています。この報告書では、金利の上昇で流動性リスクが急激に高まる中、金融機関がバランスシートを強化するための戦略についてタイムリーな洞察を提供しています。この流動性リスクhttps://www.sas.com/ja_jp/insights/risk-management/liquidity-risk.html)こそがSVBやその後に続いたSignature Bank、First Republic Bankの破綻の引き金をひく大きな要因となりました。今回の主な調査結果は次のとおりです。
  • ALMのモダナイゼーションが必要不可欠ほとんどの企業(80%)が、自社のALM部門の大幅な改善を検討していたものの、そのための投資予定額は資産規模によって異なっていました。ティア1企業(資産規模7,500億ドル以上)の大半は、次世代のALMテクノロジー(例:クラウドネイティブでAPIドリブンなシステムや機械学習)の導入に注力している一方、ティア3およびティア4(資産規模500億ドル~2,490億ドル)の企業のうち半数近くが新規システムの検討を行っていました。

  • 洞察、アラインメント、オートメーションがALM強化における短期的な3大優先事項10社中6社近く(59%)が、将来予測のためのシミュレーション能力の強化を目指していました。半数以上の企業が、ALMとリスクや資金、財務部門との連携強化(53%)、規制当局の遵守義務におけるオートメーションの強化(52%)を求めていました。

  • 企業にとっての最終目標は統合バランスシートの管理ALMとその他のリスク部門やビジネス部門とのデータ共有が完全自動化されている銀行は、全体の3分の1以下(29%)に留まりました。しかし、40%の企業がすでにバランスシート管理の統合は実現できていると回答し、さらに39%が現在、取り組み中だと答えています。

本調査は数カ月の準備を経て今年3月に世界中で実施され、調査協力者に、ALMの変化する状況に関して独自の展望を提供しています。

今回の調査結果について、Celentのリスク担当ディレクターである Neil Katkov氏は、次のように述べています。「今回の調査は、業界で進行する銀行破綻への対応について、金融各社の姿勢を把握する上で、これ以上ないタイミングでした。銀行を始め、資本市場のほぼすべての企業がALMのテクノロジーシステムを使用していたことは良いニュースだと言えますが、その約半数が、あらかじめ機能が組込まれていて、どちらかというと柔軟性に欠ける、時代遅れのモノリシックなシステムを使用していました。こうしたシステムでは、日中分析機能、プロセスの自動化やオーケストレーションなど、ALMのベストプラクティスをサポートするために必要な処理スピードや粒度の細かなモデルに対応することができません」

SASのリスク調査・定量分析ソリューション担当シニアバイスプレジデントであるトロイ・ヘインズ(Troy Haines)は、次のように述べています。「今年初め、資産負債管理(ALM)がこのような形で話題の中心に上るようになると予想した人はあまりいなかったと思いますが、SASは違いました。(https://www.finextra.com/blogposting/23642/risk-and-resiliency-5-risk-management-predictions-for-2023)実際、この時のために長い間準備してきていたのです。SASのKamakura 買収は、SASが長年培ってきた深い専門知識と業界をリードする独自技術を強化し、この10年以上、かつて世界が経験したことがないほど予測不能なリスク環境をお客様がうまく乗り切っていけるようにするための、長期戦略の一環として行われたものです。

昨今の銀行破綻が生じる以前から、SASはこうしたビジョンの実現に向けた戦略投資を行ってきました。SAS®Viya®向けに改良を加えられたSAS®Asset and Liability Management(ALM)(https://www.sas.com/ja_jp/solutions/risk-management/solution/asset-liability-management.html) は、すでに、金融業界の激震の引き金となった利上げや流動性とバランスシートのリスクを予測、緩和しようとする金融機関で活用されています」

地域ごとのALMの洞察を始め、詳細情報をオンデマンドで入手可能です。

ALMに関する調査報告書に加えて、GARP ALM Webキャストhttps://www.garp.org/webcast/fresh-insights-modernization-fr-230427Fresh Insights for Financial Services: Analytics Modernization and Next-Gen ALM(金融サービス業界の最新情報:アナリティクスのモダナイゼーションと次世代ALM)では、今回の調査結果について、さらに掘り下げた解説を行っています。オンデマンドで視聴して、SAS、Celent、GARP、American AgCreditのリスクの専門家とともに、以下について検討可能です。
  • 必要不可欠なアナリティクス能力と必須機能
  • ALMの進化をサポートするための地域別優先事項
  • 銀行間取引金利(IBOR:Interbank Offered Rate) 改革に向けた準備
*2023年6月27日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース(https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2023/june/celent-asset-liability-management-alm-study.html)の抄訳です。
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。

SASについて
SASは、アナリティクスのリーディング・カンパニーです。SASは、革新的なソフトウェアとサービスを通じて、世界中の顧客に対し、データをインテリジェンスに変換するためのパワーとインスピレーションを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。

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この企業の情報

組織名
SAS Institute Japan株式会社
ホームページ
http://www.sas.com/jp
代表者
手島 主税
資本金
10,000 万円
上場
非上場
所在地
〒106-6111 東京都港区六本木6-10-1六本木ヒルズ森タワー 11F
連絡先
03-6434-3000

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