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学習院大学(東京都豊島区)理学部化学科の秋山隆彦教授はこのたび、2016年のフンボルト賞を受賞した。これは、ドイツ政府の国際的学術活動機関であるアレキサンダー・フォン・フンボルト財団が創設し、人文、社会、理、工、医、農学の各分野において、基本的な発見もしくは新しい理論によって後世に残る重要な業績を挙げ、今後も学問の最先端で活躍すると期待される国際的に著名な研究者に対して授与されるもの。秋山教授は有機化学分野での受賞。
有機合成化学の分野において、触媒効率の高い優れた不斉触媒の開発は、極めて重要な研究課題の一つである。新たな不斉触媒をデザインし合成することができれば、光学活性化合物のより効率的な合成反応の開発につながり、農薬・医薬等の開発にも大きく貢献できる可能性がある。
秋山教授は、ビナフトールより合成したキラルリン酸が、キラルブレンステッド酸触媒として、優れた不斉触媒作用を示すことを2004年にドイツ化学会誌(Angew. Chem. Int. Ed.)に発表。その後、イミンに対する求核付加反応、付加環化反応をはじめとして、さまざまな不斉触媒反応へと展開している。この報告を契機として、世界中の数多くの研究者がキラルリン酸の触媒作用に着目し、キラルリン酸を不斉触媒として用いた不斉合成反応が爆発的に発展した。2004年のAngew. Chem. Int. Ed.に掲載された論文は、既に700回以上引用されている。
これらの成果に対し、このたびフンボルト財団よりフンボルト賞(Humboldt Research Award)が授与された。これまでのフンボルト受賞者のうち40名以上がノーベル賞を受賞しており、ドイツでもっとも栄誉のある賞とされている。毎年約100人に授与され、秋山教授は有機化学分野での受賞となった。
授賞式は3月18日にドイツのバンベルクで行われた。
■秋山教授のコメント
今回フンボルト賞(Humboldt research award)を受賞する事ができ、大変光栄であり、とてもうれしく思っています。
我々の研究室では、医薬品の中間体の合成等に用いる事の可能な、新規な不斉酸触媒を開発し2004年に報告しました。本触媒の有用性が世界的に高い評価を受け、新たな研究分野を開拓できた事が授賞理由です。
これは、ひとえに、秋山研究室の卒業生、スタッフの熱心な実験の賜物です。卒業生ならびに、優れた研究環境を提供してくれた学習院大学に感謝します。
●秋山研究室webサイト
http://www.chem.gakushuin.ac.jp/akiyama/
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【リリース発信元】 大学プレスセンター
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