広島国際大学(広島県東広島市)で教職課程を履修する学生3人が、障がいを乗り越えて力強く歩む人の半生をもとに道徳の教材を開発。子どもたちが彼らの転機や思いを想像し、多様な価値観に触れて体験的に学び合える内容とした。
3人は臨床心理学科4年小泉裕之さん、コミュニケーション心理学科4年白井涼さん、山下知甫さん。
道徳が2018年度から小学校で教科化されることに伴い、文部科学省は「考え、議論する道徳」への質的転換の実現を目指している。開発した教材は、障がいによる挫折から立ち上がるまでのさまざまな人やスポーツとの出会い、心の動きについて子どもたちが考え、議論できるように工夫した。
題材に取り上げたのは、大学の講演会で出会った人物。大学1年での突然の失明を乗り越え、パラリンピックの柔道日本代表として出場した廣瀬順子選手(銅メダリスト)・悠選手と、いじめを苦に自殺を図った経験を持ちながら車椅子ダンサーとして人々に勇気を与える安藤広二さん・林美穂さんで、それぞれにインタビューし、動画とテキスト2種類の教材にまとめた。
学生は教育委員会や道徳の専門家による指導を受けながら、2月20日に小学6年生、3月13日に小学5年生を対象に、いずれも海田町立海田小学校(広島県安芸郡海田町)で授業を2クラスずつ実施。人生を大きく変えたきっかけやその時の気持ち、その理由を深く考えることを通して子ども達の多様な意見による活発な議論を引き出した。
今後は、授業を実施した海田小学校を管轄する海田町教育委員会をはじめ、近隣市区町村の教育委員会に教材を寄贈し、小・中学校の授業に活用してもらう予定。
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