現代美術家アイ・ウェイウェイの彫刻作品を新収蔵 国立公園内、森の遊歩道にて公開

ポーラ美術館

ポーラ美術館(神奈川県・箱根町)はこの度、現代美術家 アイ・ウェイウェイ(艾未未/Ai Weiwei)の彫刻作品《鉄樹根(てつじゅこん)》を新たにコレクションに加えました。美術館屋外の遊歩道は、四季折々の自然の中を散策するだけでなく、点在する多彩な彫刻を見つける楽しさも好評をいただいております。今回の新収蔵により、さらに富士箱根伊豆国立公園の自然と、作品の魅力を発見していただける機会が拡がるでしょう。
アイ・ ウェイウェイ《鉄樹根》2015年 鉄, 220 x 205 x 205 cm ポーラ美術館蔵

●新収蔵作品について
アイ・ウェイウェイ《鉄樹根》2015年
本作品は、これまでの制作においてアイ・ウェイウェイが繰り返し取り組んできた、有機物と人工物、あるいはオリジナルと複製物の間の緊張関係を強く感じさせる。2009年のインスタレーション作品《Rooted Upon》では、中国南部の山間で見つけた100本もの捻れた木の幹を展示してみせたが、本作はこの系譜に連なるものである。また、2013年の《Iron Tree》と同様に、中国の伝統的な技法によって、樹木の一部を鉄で鋳造するスタイルを用いている。
《鉄樹根》は、木の根のように目には見えない場所で複雑に絡み合う中国の縁故社会から、切り離され、独立した「個」のあり方、地中から白日の下に晒された力強い姿を象徴している。本作にはあえて錆止めの加工が施されておらず、生の鉄が、自然に晒され時とともに緑青に覆われてゆく。箱根の豊かな植生のなかに設置された鉄の彫刻が、有機物の時間とは異なる、人工物の時間を刻みながら長い時をかけてゆっくりと朽ちてゆく姿は、私たちに自然界と文明との関係について思考を促すかのようである。
ポーラ美術館 遊歩道

●アイ・ウェイウェイ(艾未未/Ai Weiwei)プロフィール
1957年、北京生まれ。現代美術家、建築家、キュレーター、評論家など、その活動は多岐にわたる。78年に北京電影学院入学、82年より米・パーソンズ美術大学で学び、93年の帰国までをアメリカで過ごす。08年、北京オリンピックのメイン・スタジアム「鳥の巣」の設計に参画し注目を集める。09年には国内初の個展『アイ・ウェイウェイ展――何に因って?』が森美術館で開催された。民主化・人権運動にも精力的に関わり、13年にドキュメンタリー映画『アイ・ウェイウェイは謝らない』公開。15年にベルリンへ移住、ベルリン芸術大学の客員教授に就任した。世界各国で個展を開催し、数多くの国際展に参加するなど、現代のアートシーンを代表するアーティスト。

 ◯ポーラ美術館 森の遊歩道
2013年7月にグランドオープンした遊歩道では、ブナ・ヒメシャラが群生する富士箱根伊豆国立公園内の自然をお楽しみ頂けます。四季を通じて訪れる野鳥たちのさえずりや、時折姿を見せる小動物を愛でながら、自然の中で心休まるひとときをお楽しみください。
【開放時間】
4月-11月 9:00~16:30/12月-3月 9:00~16:00  ※天候により、閉鎖する場合がございます。

■散策の楽しみかた
四季折々のさまざまな動植物や彫刻作品に出合いながら、森林浴を楽しんでいただけます。遊歩道の全長は670m、散策所要時間は20分です。

■森で出合える仲間たち

ヤマシャクヤク 5月初旬に2・3日だけ花を咲かせます。絶滅危惧種です。

ヤマボウシの花 5月~7月に咲きます。かたちが「山法師」のずきんに似ていることから名前がつけられました。

ヒメシャラの花 6月下旬から7月初旬に咲きます。開花期間は1週間ほどです。

ウグイス(春~初夏)しげみの中を好み、なかなか姿を見せません。

キビタキ(春~初夏)空中で虫を取り、大きな美しい歌声で鳴きます。

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