【ニュースレター】異種混在プラスチックの最新再生技術に期待高まる
2021年1月~、改正バーゼル条約で「プラごみ輸出規制」が施行
バーゼル条約の改正で、プラごみ輸出が規制対象に有害廃棄物の輸出入を規制するバーゼル条約において、新たにプラスチック廃棄物が規制対象に追加されて2021年1月から効力が生じ、規制対象となるプラスチック廃棄物を輸出するには相手国の事前同意が必要となります。日本のプラスチック廃棄物の輸出量は、米国・ドイツに次ぐ世界第3位の規模で、その大半を輸入していた中国が2017年末から輸入制限を行ったため大幅に減少しましたが、直近の2019年も年間89.8万トンに上っています。現在の主な輸出先である東南アジア諸国も輸入規制を厳格化していることから、国内での処理体制の強化が一層求められています。
リサイクル困難な異種混在プラスチックから、強化プラスチックに再生する最新技術
プラスチック使用量の約4割を占める食品容器などのプラスチック包装材は、複数種のプラスチックや紙で構成されており、回収してもリサイクルが困難なため、大半が世界中で焼却・埋め立て・放置されています。
古河電工では、リサイクルが困難な使い捨てプラスチックや古紙などを原材料にして、ワンプロセスで強化プラスチックに再生する独自技術を2019年に開発しました。紙の主成分であるセルロースとプラスチックは本来混ざり合いませんが、紙をセルロース繊維に解きほぐしながらプラスチックに分散させて、元のプラスチックの約2倍の強度のプラスチックへと再生します。例えば、強度が低いプラスチック材料(LDPE)のレジ袋から、高強度が求められる荷物積載用パレットのプラスチック材料(PP)を作ることが可能です。