アルプスアルパイン、キユーソー流通システム、損保ジャパンの3社が食品物流におけるパレット流出の課題解決に向けた共創を開始
1.背景・目的
物流において利用される物流パレット(以下、「パレット」)は、商品を載せて運送を行うための物流機器で、フォークリフト等を用いた仕分け作業に使われており、物流の効率化にかかせない存在となっています。国内におけるパレットの流通数は、年間数億枚と想定されていますが、荷役・輸送・保管の業務効率化や働き手不足の解消に役立つ一方で、利用会社の管理から外れてしまう流出と呼ばれる状態が物流・倉庫・製造業等のパレットを利用する幅広い業界において共通課題となっています。
今回の取り組みは、パレットを利用する個々の企業が抱える課題解決だけでなく、物流業界全体の業務効率化に貢献できるものと考え、今般、業界を横断して物流における当該課題の解決に取り組むこととなりました。
2.取り組みの概要
アルプスアルパインの物流資材を遠隔管理するIoTデバイス「物流トラッカー※1」を、キユーソー流通システムが運用するパレット約200枚に装着し、実証実験を行います。
「物流トラッカー」から得られる、パレットの位置情報や移動履歴など稼働状況のデータを収集することで、想定していた利用ルートや保管場所と異なる場所にある流出したと推定されるパレットを特定し、利用履歴や流出原因の把握・分析を行うなど、実験で得られるデータをもとに、パレット利用にかかわる課題の解決を目指します。
<イメージ>
※1 10年以上稼働可能かつ屋内外シームレスな位置情報の管理を実現可能にした位置情報検知機能付きのIoTデバイスです。輸送効率化や資材流出の低減、新規資材購入費用の抑制効果などが認められ、欧州大手物流会社をはじめとする多くの海外企業に採用されており、既に約25万台以上の販売実績をあげている製品です。
<実証実験の期間>
2020年12月から6か月間を予定
(物流トラッカー) (物流パレット)
3.今後について
この共創をとおして、食品物流における物流トラッカーの実運用に向けた課題やその解決策を探ることで同市場への拡販につなげます。また、それらノウハウを生かして更なる市場展開を図り、企業の輸送効率向上、ひいては効率的な配送による運送エネルギー削減につなげ、森林資源や石油等の化石燃料の消費削減への貢献を目指します。
以上