昭和女子大学(学長:小原奈津子、東京都世田谷区)の食健康科学部管理栄養学科飯野久和教授の研究室は、森永乳業株式会社の研究に京都大学と共に協力、共同研究を行い、腸内のビフィズス菌がオリゴ糖の一種「ラクチュロース」を利用する仕組みを解明しました。この森永乳業の研究成果は、ネイチャーリサーチが提供する科学誌「コミュニケーションズ・バイオロジー」に2021年5月10日に掲載されました。
今回の共同研究は以下の通りです。
【研究内容】ヒト腸内にすんでいるビフィズス菌の基礎研究
・ビフィズス菌がオリゴ糖の一種「ラクチュロース」を利用し増殖する仕組みの解明
・ビフィズス菌の増殖作用に個人差が生じる理由の検証
【研究成果】
(1)ラクチュロースによるビフィズス菌の増殖作用に基礎結合タンパク質(*1)LT-SBP(*2)が関与する。
(2)日本人の多く(研究では89%)は、LT-SBP遺伝子を腸内に保有している。
(3)LT-SBP遺伝子量の違いが、ラクチュロースを利用したビフィズス菌増殖作用に影響する。
*1 基礎結合タンパク質:細菌が菌体外にある糖を体内に取り込む際に利用するタンパク質。特異性が高く、特定の糖としか結合しないことが知られている。
*2 LT-SBP: 基礎結合タンパク質の1種。今回の研究から、ラクチュロースの取り込みに関与していることが明らかとなった。
詳細は森永乳業のプレスリリースをご覧ください。
http://www.morinagamilk.co.jp/release/newsentry-3672.html
森永乳業は1960年に発売した育児用ミルクに「ラクチュロース」を配合して以来、60年以上にわたってラクチュロースの研究を進め、現在では特定保健用食品や機能性表示食品など、健康を支える食品にも配合しています。飯野研究室では、森永乳業と1990年代初めから食品の機能性研究に取り組んでおり、直近では2015年からラクチュロースについての共同研究を進めています。
今回の共同研究の成果を活かして、より健康に役立つ商品の開発が期待されます。
▼本件に関する問い合わせ先
昭和女子大学 広報部
TEL:03-3411-6597
メール:kouhou@swu.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/