日本製鉄 清水寺本堂保存修理工事にチタン合金スーパータイエックス51AFⓇ採用

日本製鉄株式会社

音羽山清水寺(京都府京都市、以下、清水寺)の本堂保存修理工事において、構造補強材の締結部材(ロッドエンド、長尺ボルト)に、日本製鉄株式会社(以下、日本製鉄)独自のチタン合金である、スーパータイエックス51AFⓇ(以下、S-TIX51AFⓇ)が採用されました。世界遺産かつ国宝の建造物にチタン製品が採用されるのは、先の富岡製糸場西置繭場に続き、本件で二件目のこととなります。

清水寺本堂の保存修理工事は、清水寺からの委託により京都府教育庁文化財保護課が実施、耐震診断は江尻建築構造設計事務所が担当しました。今回の保存修理工事は、屋根葺き替えと舞台板等の破損部分の補修を主な内容としたものですが、耐震性向上のための措置をあわせて実施、その一つとして、斜面地盤上に「懸造」という形式で設けられた本堂前半部の床下に「テンションストランド」を設置し、部材間の接続補強を図りました。補強部材には数百年単位の耐久性が必要であるため、より経年変化に強い材料が求められます。今回、ストランド材として小松マテーレ株式会社(本社:石川県能美市、以下、小松マテーレ)製カボコーマストランドロッドが採用されており、カボコーマストランドロッドと梁の木材上の接合部金物とを締結する部材であるロッドエンド、長尺ボルト素材に、高強度チタン合金S-TIX51AF®が選ばれました。これは、実用金属では比類なき耐食性を持ち、その上、構造用普通鋼(S45C)の約2.3倍の比強度、ステンレス(SUS304)の約3倍の耐疲労性(比重換算後)を持つことによるものです。

このチタン製補強材である合金製ロッドエンド、長尺ボルトは、株式会社オーファ(本社:浦安市)が日本製鉄S-TIX51AF®素材をロッドエンドと長尺ボルトに加工、小松マテーレに納入し、同社でカボコーマストランドロッドとチタン製パーツを接合して補強部材を作成、現地施工されました。また梁の木材との接合部金物には、日本製鉄製ステンレス形鋼(SUS304製チャンネル)、及び日鉄ステンレス製NSSC270製ナットが用いられています。

日本製鉄のチタン製品は、これまで歴史的建造物においては、重要文化財である善光寺経蔵、世界遺産登録の富岡製糸場の西置繭所(国宝)の改修工事他にチタン箔が採用された物件はありましたが、今回は、当社独自合金S-TIX51AF®製ボルト&ロッドエンドが採用された初めての物件となります。日本製鉄は、ライフサイクルコストの低減、社会インフラ長寿命化の観点から、チタン製品を世界遺産登録、国宝、重要文化財の寺社等、歴史的建造物の耐震等補強工事に適用拡大を図っていきます。

日本製鉄は、常に世界最高の技術とものづくりの力を追求し、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動(「住み続けられるまちづくりを」のターゲットである「世界の文化遺産及び自然遺産の保護・保全の努力を強化する」)を通じて、これからも社会の発展に貢献していきます。

※清水寺:778年(宝亀9年)創立、正式名称は音羽山清水寺、北法相宗大本山。
本堂は江戸時代、1633年(寛永10年)に三代将軍徳川家光の命により再建された木造建築で、1952年(昭和27年)11月22日付で国宝に指定された。また、1994年(平成6年)、ユネスコにより世界遺産として登録された「古都京都の文化財」を構成する17社寺城の1つとしても位置付けられている。

<今回受注物件の概要>
物件名 : 「清水寺本堂」
所在地 : 京都府京都市東山区清水一丁目
採用部材: 床面補強ストランドロッド4箇所向けS-TIX51AF®製長尺ボルト&ロッドエンド8セット
      (チタン使用量合計:約1.6kg)
竣工  : 2021年2月
 

チタン製品サイト
 URL:https://www.nipponsteel.com/product/titan/feature/


お問い合わせ先:総務部広報センター 03-6867-3419
以 上
 
 

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