PwC、年次調査「グローバル エンタテイメント&メディアアウトルック2021-2025」を発表
PwC Japanグループ
ストリーミング、ゲーム、ユーザー生成コンテンツへのシフトによる業界の変容
(*2)https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/outlook.html
- 世界のエンタテイメント&メディア業界の収益は、2019年の2兆1,000億米ドルから2020年に2兆米ドルまで3.8%減少し、本調査開始以来22年間で前年比最大の減少率となりました。しかし、エンタテイメント&メディアの数多くのセグメントでは、消費者需要の変化による明るい兆しも見受けられました。
- 2021年から2025年までの世界のエンタテイメント&メディア業界の収益は、年平均成長率(CAGR)で5.0%の堅調な伸びとなり、2025年に2兆6,000億米ドルまで拡大すると予測されます。
- 従来のテレビ/ホームビデオはエンタテイメント&メディア業界の消費者セグメントにおいて今なお最も大きな割合を占めていますが(2,190億米ドル)、今後5年間で縮小を続ける見通しです(年平均成長率は-1.2%)。
- インターネット動画配信は2020年に急成長しましたが、その傾向は今後も続くとみられます。定額制動画配信(SVOD)は2025年まで年平均10.6%の伸びを示し、その収益は813億米ドルに上ると予測されます。一方で、映画の収益はロックダウンの解除に伴い2021年に回復すると見込まれますが、パンデミック前の水準を取り戻すのは少なくとも2024年以降となるでしょう。
- ビデオゲームとeスポーツの収益は引き続き急速に増大し、2020年に1,477億米ドルに達しました。このセグメントは2025年までに年平均成長率が5.7%となり、2,000億米ドル近く(1,944億米ドル)のビジネスに成長すると予測されます。
- バーチャルリアリティ(VR)はまだその規模は小さいですが、エンタテイメント&メディア業界のセグメントで最も急成長しています。その収益は2020年に18億米ドルまで31.7%もの大幅な増加となり、今後5年間で年平均30%を超える伸びを維持し、2025年には69億米ドルのビジネスになると見込まれます。
- 音楽は2020年にライブ音楽の収益が74.4%の大幅減となった揺り戻しで、底堅い伸びが予想されます。音楽全体の収益は、ライブ活動の再開に加え、2025年に293億米ドルのビジネスに成長する見通しのストリーミングに支えられ、今後5年間で年平均12.8%の増加が見込まれます。
- インターネット広告は2020年に9%増の3,360億米ドルとなり、インターネット以外の広告を初めて上回りました。今後5年間も年平均7.7%の大幅増が見込まれます。
- インターネットアクセスは2020年にエンタテイメント&メディア業界の支出額の34%を占めており、2020年の6,940億米ドルから2025年には8,800億米ドルまで年平均4.9%増加する見通しです。モバイルアクセスが市場の成長を牽引し、5Gの普及や端末技術の進歩、プレミアム・コンテンツ・プランに支えられて、その収益は2020年の4,490億米ドルから2025年に6,050億米ドルまで年平均6.1%増加すると予測されます。
多くの若い消費者の従来のメディアに対する興味・関心は薄い一方、若い消費者向けに設計された、あるいは手軽に本格的なコンテンツ作成を可能にするメディアプラットフォームは人気を博しています。ゲームは若者の活動の中心的な位置を占め、データ消費の重要な原動力となりつつあります。実際に、ゲームは、このままのペースでいけば最も急成長するコンテンツとなり、世界のデータ消費全体に占める割合は2020年の4.7%から2025年に6.1%まで拡大すると見込まれます。
巨大テクノロジー企業(ビッグテック)への規制当局の監視も、エンタテイメント&メディア業界に影響を及ぼすもう1つの変化です。各国政府の新たなメディア規制法案に連動したビッグテックのプラットフォーム解体を求める声とともに、独占禁止法適用の圧力が強まっています。現行の規制制度の変更は不可避であり、エンタテイメント&メディア業界の企業は自社の企画プロセスにおいて規制リスクを織り込むことが欠かせません。
PwCの年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック」とそれに付随する「Power Shift - 2021」は、世界のエンタテイメント&メディアの消費者および広告の支出に関し詳細な分析を行ったものです。このアウトルックには、53の国・地域における14のエンタテイメント&メディア業界のセグメントに関する過去5年間のデータと今後5年間の予測が盛り込まれています。それらのセグメントには、書籍、B2B、映画、データ消費、インターネットアクセス、音楽・ラジオ・ポッドキャスト、新聞と一般雑誌、OTTビデオ、テレビやホームビデオ、インターネット広告、屋外広告、テレビ広告などが含まれます。詳細についてはこちらをご覧ください。
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/outlook.html (日本語)
以上
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