岐阜県恵那市向けに地域振興券電子化ウォレットサービスを提供
キャッシュレスで地域振興券の発券・利用が可能に
株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)、株式会社インフキュリオン(以下、インフキュリオン)は、株式会社十六銀行(以下、十六銀行)とともに、恵那市プレミアム付き商品券事業において、2022年8月より地域振興券電子化ウォレットサービス注1(以下、本サービス)を提供します。NTTデータとインフキュリオンは本サービスにおけるシステム提供を担います。同事業での電子商品券の取り扱いは初めての事例です。本サービスはこれまで紙で取り扱っていた地域振興券を電子化するキャッシュレスサービスです。利用者はクレジットカードなどを使ったチャージに加えて、銀行口座から直接残高をチャージし、スマートフォンで支払いまでを完結します。一連の購買行動をスマートフォンで完了できる利便性により、地域振興券の利用増と恵那市の経済活性化を目指します。
今後、NTTデータとインフキュリオンは、単なる地域のキャッシュレス推進にとどまらず、本サービスの基盤となるBaaS(Banking as a Service)の活用による恵那市の地域DXを支援していきます。
【背景】
コロナ禍の消費落ち込みを踏まえ、個人消費を喚起し、地域経済の活性化を図るため、市町村と連携した商工会議所、商工会、商店街などのプレミアム付き地域商品券の発行が各地域で増えています。一方で、プレミアム付き地域商品券は紙での発行が主であり、おつりが出ない、運営側の精算業務が煩雑であるなど、多くの課題があります。また、単なるキャッシュレスにとどまらない、行政や地元企業を巻き込んだ地域DXの推進も求められており、行政や一般企業が提供するサービスへの金融機能の組み込みによるユーザー体験向上への期待が高まっています。
同様の課題を抱える恵那市に対し、NTTデータ、インフキュリオンは同市の指定金融機関である十六銀行とともに電子商品券導入の提案を行いました。多くの人が保有する銀行口座からシームレスにプレミアム付き地域商品券を利用でき、将来的には地域DXの基盤としても活用可能である本サービスを提供します。
【概要】
本サービスはNTTデータの培ってきた銀行業界における実績と、インフキュリオンが提供するサービス「ウォレットステーション注2」を掛け合わせたBaaS基盤を活用した地域通貨/プレミアム商品券電子化ウォレットサービスです。クレジットカード決済に加え、銀行勘定系システムとの連携により、銀行口座からのプレミアム付き地域商品券への直接チャージを可能とします。銀行勘定系システムとの連携手段は、Bank Pay(バンクペイ)注3による接続を予定しており、勘定系に対する特別な改造は不要となります。この仕組みを活用して、十六銀行とともに令和4年度恵那市プレミアム付き商品券事業における電子商品券サービスを提供します。
図:地域振興券電子化ウォレットサービスの全体像
【特長】
本サービスの特長は以下の通りです。
1.銀行口座からプレミアム付き商品券への直接チャージが可能
従来のクレジットカードチャージに加え、APIなどを活用した、銀行口座からのチャージが可能であり、クレジット未保有者を含めた幅広いユーザーの利用が可能です。
※本機能は2022年11月から提供開始予定です
2.地域通貨への活用
使い切りの商品券だけでなく、繰り返しチャージして利用する地域通貨にも活用できます。将来的に地域マネーの域内流通スキームを構築し、継続的な地域経済活性化に貢献します。
3.将来的な地域DXエコプラットフォームへの発展
本サービスは単なるキャッシュレスサービスにとどまらない地域DXエコプラットフォームとしての拡張を視野に入れています。そのため、地方自治体、地元企業、地域住民のDXを支援することが可能です。
【効果】
本サービスの活用によるメリットは以下の通りです。
1.地域金融機関
・紙券で対応していた換金業務、販売業務の削減
・地域通貨/プレミアム付き商品券に銀行口座から直接チャージできることによる銀行口座の利便性向上/価値向上
・地域通貨への発展により、地域のDX推進における新たなマネタイズポイントの創出
2.地方自治体、商工会議所等
・プレミアム付き商品券の運営主体として、紙の商品券のハンドリングコスト削減、運用状況の可視化
3.地域店舗
・地域キャッシュレスサービスの容易な導入
・紙の商品券のハンドリングコスト削減
4.地域住民
・スマートフォンのみでチャージ、決済、使用履歴確認が可能
・お釣り不可だった紙の商品券と異なり、1円単位で商品券を利用可能
【今後について】
NTTデータ、インフキュリオンは本サービスの提供を通じて、地域のキャッシュレス推進にとどまらず、恵那市の将来的な地域DXを支援していきます。
注1 https://www.nttdata.com/jp/ja/news/services_info/2021/032300/
注2 オープンAPIを活用して、QRコードやバーコードでの認証方法を用い、銀行口座からのダイレクト決済やプリペイド決済を行うことができるサービスです。
https://infcurion.com/walletstation/
注3 BankPayは全国の金融機関が加盟する日本電子決済推進機構が運営するソリューションとなります。Bank Pay利用可能金融機関であれば、勘定系
システムの改造は特段不要で接続可能となります。(※機構の定める接続試験は必要な場合があります)
https://jeppo.jp/bankpay/
*文中の商品名、会社名、団体名は、各社の商標または登録商標です。