レナセラピューティクス株式会社とのライセンス契約締結のお知らせ
国内外の企業並びにアカデミアのお客様を対象としたヘテロ2本鎖核酸(HDO)の合成サービス開始
株式会社日本触媒(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:野田 和宏、以下「日本触媒」)は、当社グループ会社のレナセラピューティクス株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役:登利屋 修一、以下「レナセラピューティクス」)との間で、ヘテロ2本鎖核酸(Hetero Duplex Oligonucleotide、以下「HDO」)の研究用試薬の製造・販売を特許が存在する国で可能とするライセンス契約を締結しました。本契約の締結により、国内外の企業並びにアカデミアの皆様にHDOの合成販売サービス(以下「本サービス」)を開始いたします。核酸医薬は核酸分子からなる医薬品で、癌や遺伝性疾患などこれまで治療が困難であった様々な疾患に対する新しい医薬品として期待されていますが、投与後の血中安定性や副作用などの課題があります。レナセラピューティクスの創薬基盤技術であるHDO技術は、アンチセンス鎖(DNA、Gapmer(※1)、PMO(※2)など)と、それと相補的なキャリアー鎖(RNA)とからなる2本鎖にDDS(※3)機能を発現するリガンド分子を結合させた構造(図1)を有しており、薬効成分を疾患部位に選択的に届けることができ、核酸医薬が有するこれらの課題を克服する革新的な技術と期待されています。
本サービスを通じて、日本触媒は、HDOの利用機会拡大に貢献し、新薬創出を支援いたします。
本サービスの概要:
https://www.shokubai.co.jp/ja/lp/lifescience/pdf/20230221.pdf
日本触媒は、核酸医薬やペプチド医薬など中分子医薬の原薬製造のための施設を有しており、様々なお客様からのニーズに対応した核酸原薬やペプチド原薬製造を受託できる体制を整えております。日本触媒は、さまざまな中分子医薬品原薬の供給を推進し、人々の生命・健康を支え、社会の継続的発展に貢献して参ります。
※1 両端に修飾核酸を配し、それらに挟まれた中央部分はDNAから成るアンチセンス核酸。
※2 Phosphorodiamidate morpholino oligomerの略称。モルフォリノ環構造を有するオリゴ核酸。
※3 Drug Delivery Systemの略称。
レナセラピューティクスについて:
レナセラピューティクスは、東京医科歯科大学横田隆徳教授と大阪大学小比賀聡教授らが開発したヘテロ2本鎖核酸技術を創薬基盤技術とし、核酸医薬を早期に実用化することを目指して設立された東京医科歯科大学発のベンチャー企業です。レナセラピューティクスは、これまでにHDO技術の高い可能性を認められ、2018年12月に核酸医薬開発の世界的なリーディングカンパニーであるIonis Pharmaceuticals,Inc.および国内製薬最大手の武田薬品工業株式会社と、HDO技術の非独占的ライセンス契約を締結し、さらに2020年12月および2022年8月には武田薬品工業株式会社と追加のライセンス契約を締結しています。
https://www.renatherapeutics.com/
日本触媒について:
1941年の創業以来、自社開発の触媒技術を核に事業を拡大。酸化エチレンやアクリル酸、自動車用・工業用触媒などを世の中に送り出し、現在では紙おむつに使われる高吸水性樹脂で世界1位のシェアを誇っています。日本触媒は「テクノロジー(技術)」を通じて「アメニティ(豊かさ)」を提供する、という企業理念「TechnoAmenity」のもと、グローバルに活動する化学会社です。