~アートをつなげる、深める、拡げる~ 日本におけるアート振興の新たな推進拠点として設立 独立行政法人国立美術館『国立アートリサーチセンター』
21世紀に入り、世界の社会、経済、政治的な状況が大きく変化し、アートが社会の多様性、包摂性、持続可能性の実現に果たす役割への期待は増しています。
国立アートリサーチセンターは、「アートをつなげる、深める、拡げる」をキーワードに、国内外の美術館、研究機関をはじめ社会のさまざまな人々をつなぐ新たな拠点として、専門領域の調査研究(リサーチ)に留まらず、情報収集と国内外への発信、コレクションの活用促進、人的ネットワークの構築、ラーニングの拡充、アーティストの支援などに取り組み、日本の美術館活動全体の充実を目指します。
■『国立アートリサーチセンター』の事業~4つの柱~
国立アートリサーチセンターは、広く社会と連携しながら、以下の活動に取り組みます。
1.美術館コレクションの活用促進
国立美術館と国内美術館の協働によるコレクションを活用した展覧会の開催推進・発信により、日本におけるアートの認知や評価の向上、国内美術館の連携強化等の役割を果たします。また、将来的に国民的資産となりうる作品の修復、保存を推進します。
⇒ 国立美術館 コレクション・ダイアローグ、国立美術館 コレクション・プラスなど
2.情報資源の集約・発信
ナショナルセンターとして日本全国の情報を包括的に集約・発信し、世界のアート分野における日本の存在感を高め、日本のアーティストや作品に関する国際的な調査研究拠点の機能を確立します。
⇒ 全国美術館収蔵品サーチ(SHŪZŌ)など
3. 海外への発信・国際ネットワーク
国際的な情報発信拠点として、国際的なネットワークの構築、効果的な情報発信及び連携を推進するとともに、アーティストの支援を行うことで、日本のアートの国際的な価値・評価の向上に注力します。
4. ラーニングの充実
これからの美術館に求められる、社会包摂・多様性・対話などの社会的課題やSDGsを意識しつつ、質の高いラーニングプログラムを研究開発・実践し、アートの社会的価値の向上を目指します。
■独立行政法人国立美術館・国立アートリサーチセンター 組織図
■センター長 片岡真実コメント
世界の政治、経済、社会が複雑さや不確実性を増し、包摂性、ダイバーシティ、サステナビリティなどの追求が分野を超えた地球規模の喫緊の課題となっています。美術や美術館を取り巻くグローバルな動向を踏まえ、我が国のアートが持続的に発展していくために、アートを社会にますます広く浸透させ、同時に専門性を深めるためのプラットフォームとして、国立アートリサーチセンターの活動はこれから始まるところです。さまざまな声を反映し、学びと議論を重ねながら、日本のアート振興のために何ができるのか、みなさんとともに考えて参りたいと思います。
【片岡真実(かたおか・まみ)プロフィール】
撮影:伊藤彰紀
■組織概要
組織名称:
和) 独立行政法人 国立美術館 国立アートリサーチセンター
英) Independent Administrative Institution National Museum of Art National Center for Art Research
略称:
NCAR ※読み方はエヌカー
設立日:
2023年3月28日(火)
ロゴマーク:
センターがアートに関わる人びとをつなげ、日本のアートが発展していく様子を、Artの「A」を元に、生物の神経細胞からシナプスが枝分かれして別の神経細胞につながろうとするイメージで表現しています。
<独立行政法人国立美術館について>
独立行政法人国立美術館は、東京国立近代美術館(東京・竹橋)、国立工芸館(石川・金沢)、京都国立近代美術館(京都・岡崎公園)、国立映画アーカイブ(東京・京橋)、国立西洋美術館(東京・上野公園)、国立国際美術館(大阪・中之島)、国立新美術館(東京・六本木)の各館を設置・運営し、美術振興の拠点として様々な事業に取り組んでいます。