近畿大学水産研究所協力のもと陸上養殖向け酸素曝気(ばっき)装置を開発
~東京ビッグサイトで開催されるシーフードショーで初公開~
大阪ガスリキッドは、マイクロバブル発生ノズル*1の開発・販売を行っています。この度、近畿大学水産研究所(以下「近大水産研究所」)協力のもと、本ノズルを使用した水中に酸素を送り込む酸素曝気装置を陸上養殖向けに開発し、8月に東京ビッグサイトで開催される「ジャパン・インターナショナル・シーフードショー」*2にて初公開します。
マイクロバブル発生ノズル
大阪ガスリキッドは、これまで産業ガスの利用用途拡大の一環として本ノズルの開発・販売を行ってきました。本ノズルは直径10~500ミクロンの細かいバブルを発生させることができます。近大水産研究所への委託研究から、本ノズルを用いて養殖場の水槽内に酸素を供給すると、水中の溶存酸素が高まり、養殖対象の成育促進や生残数を向上できることが確認できました。さらに養殖密度を高めることも期待できます。本装置は、本ノズルと空気分離による酸素供給装置、溶存酸素計、循環ポンプ等一式を含んだパッケージタイプであり、既存の設備に簡易に設置することが可能である点が特徴です。さらに、酸素濃度を常時モニタリングし、溶存酸素濃度や水槽の状況を遠隔で監視できる通信機能もオプションで用意しており、現場から離れた事務所でも状態を確認できます。
大阪ガスリキッドは、本装置の商品化を目指し、2021年4月から近大水産研究所の協力を得て養殖魚の成育テストを行ってきました。この度、成育テストと装置の組み立てが完了したため、8月23日から8月25日に開催されるシーフードショーで、近大水産研究所が養殖した高級魚「クエ」と「タマカイ」のハイブリッド種(交雑魚)である「クエタマ*3」の水槽を展示し、本装置のデモンストレーションを実施します。シーフードショー終了後は、本装置を用いてヒラメの成長促進への効果並びに養殖密度の向上効果の検証を目的とした実証試験を9月から近大水産研究所で実施する予定です。
大阪ガスリキッドでは、本件のようにSDGsに貢献し、今後もお客さまや社会のニーズに合わせた商品・サービスの提供に努めるとともに、お客さまから求められる利便性や省エネルギー行動につながる様々な新技術の開発研究・実用化にも取り組んでまいります。
*1:大阪ガスリキッドが発売するマイクロバブル発生ノズル
https://www.liquidgas.co.jp/product/microbubble.html
*2:一般社団法人大日本水産会が主催する第25回ジャパン・インターナショナル・シーフードショー
https://seafoodshow-japan.com/tokyo/
*3:近大水産研究所が2011年に交雑に成功した魚種で、クエのように淡白で上品な味わいでありながらクエよりも成長が早いことが特徴。