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神田外語大学(千葉市美浜区/学長 宮内孝久)外国語学部 アジア言語学科 中国語専攻の植村麻紀子准教授による「中日翻訳ゼミ」では、生成AI(ChatGPT)を活用したオリジナル絵本(日本語・中国語)を制作しました。本ゼミでは、2021年より日本語・中国語による「絵本翻訳・読み聞かせプロジェクト」を始動し、これまで日中両国に住む子供たちを対象にオンラインで活動をしてきました。一方で、活動をする上では絵本(原作)の使用許可を取得することが課題になっていました。そこで、本年はChatGPTを活用して作成した脚本案をベースに学生たちがストーリーをつくり、本学留学生の協力を得ながら中国語に翻訳し、オリジナル絵本を作成しました。本作の発表の場として、2023年10月21日(土)・22日(日)に開催される本学学園祭「第37回浜風祭」にて学生たちが読み聞かせ会(日本語・中国語)と、本作にナレーション(日本語・中国語)を載せた動画の上映会を開催します。AIが目覚ましく発展をしている中、本学ではAIの教育的活用を模索しながら、学生の語学・コミュニケーション教育に注力して参ります。
■ 絵本翻訳・読み聞かせプロジェクト
<目的>
2021年4月、日本国内外に暮らす外国につながる子どもたちや、外国語に興味のある子どもたちを主な対象とし、参加者の複言語・複文化を豊かに育み、多文化共生社会づくりに貢献することを目的に始動し、今年で3年目。昨年までの2年間は中国・北京理工大学珠海学院で日本語を学ぶ学生たちとともに活動していました。絵本(原作)の使用許可を取得することが課題になっていたことから、本年は中国の絵本2冊の翻訳だけでなく、ChatGPTを活用したオリジナル絵本2冊を制作しました(※紙媒体ではなくパワーポイントデータ)。
<制作物>
(1)オリジナル絵本『おたまじゃくしのポールくん』(イラストと日本語テロップ)
(2)オリジナル絵本『またひとつかしこくなったよ』(イラストと日本語・中国語テロップ)
(3)(1)に日本語、中国語ナレーションを載せて撮影した動画(各1本)
<制作過程>
(1)ChatGPTにいくつかの指示を出してストーリーを日本語で書く
(2)子供向けに適切な表現になるよう、学生たちが修正し、日本語でストーリーを作る
(3)それをまたChatGPTに戻して中国語に翻訳してもらい、その中国語を再度自分たちで修正する
(4)ゼミの中にいる中国語話者の学生が校閲して中国語版を作成
(5)そこに日本語・中国語テロップを加えて絵本が完成
(6)最後に、日本語・中国語ナレーションを加えて動画が完成
<発表>
2023年10月21日(土)・22日(日)に開催される本学学園祭「第37回浜風祭」にて、読み聞かせ会(日本語・中国語)と、動画上映会(日本語・中国語テロップとナレーション)を実施します。(神田外語大学8号館8-101教室)。制作したオリジナル絵本2冊以外に、翻訳した中国の絵本も2冊上映、読み聞かせをします。
・10月21日(土)
13:00~:オリジナル絵本『またひとつかしこくなったよ』読み聞かせ会(日中両言語で)
14:00~:オリジナル絵本『またひとつかしこくなったよ』読み聞かせ会(日中両言語で)
15:00~:翻訳した中国の絵本の読み聞かせ会(日本語で)
・10月22日(日)
11:00~:翻訳した中国の絵本の読み聞かせ会(中国語で)
12:30~:翻訳した中国の絵本の読み聞かせ会(日本語で)
14:45~:オリジナル絵本『またひとつかしこくなったよ』読み聞かせ会(日中両言語で)
※上記時間以外に事前録画した絵本の動画上映会を実施(学園祭開催時間10:00~17:00内で)
■ 絵本翻訳・読み聞かせプロジェクトの学生メンバーよりコメント(※一部抜粋)
・AIの良さや不便さ、言語学習に活かせるなどAIの可能性を大きく感じました。
・絵本の中に中国語ならではの独特な言い回しや、初めて聞く文化など、どう翻訳して良いか分からないものがたくさんあり、当初は翻訳作業が大変でした。しかし、先輩方といろんな案を出して完成させた翻訳を読んだとき、言葉に言い表せないほどの達成感を感じました。
・絵本をゼロから作り上げるという貴重な経験をすることができました。絵本の構成、キャラクター、絵などChatGPTを活用しながら考えました。ChatGPTは確かに素晴らしい技術ですが、最終的な校正は人がやらないと良い作品は生まれないと感じました。
■ 神田外語大学担当教員からのコメント
日中2言語による「絵本翻訳・読み聞かせプロジェクト」3年目となる本年は、今まで共に活動してきた中国の大学と交流できず、本学だけで取り組みました。
しかし、それを契機に、生成AIを使った絵本作成、学園祭での録画上映・ライブでの読み聞かせに初挑戦と、プロジェクトがさらに発展したことを嬉しく思います。
実は、ChatGPTを使った理由は、目下話題になっているからだけではありません。絵本の翻訳、オンラインでの読み聞かせは、これまで使用許可を取るのに苦労していたことから、今年はAIや絵の上手な友人たちの力も借りて、前期に自分たちで絵本を作り、7月にオンラインで読み聞かせ会を行いました。日中2カ国から子供だけで30人以上、見学の大人も合わせると50人近く参加していただきました。
生成AIの教育現場における使用には目下、賛否両論ありますが、学生たちは実際に使ってみることで、その利便性と課題を知ることができたようです。
これからも、学んだことを社会に還元するゼミ・プロジェクトを通して、AIがいかに進化しても、人と人とをつなぐあたたかな場を創造していけるゼミでありたいと思います。
みなさまのご来場をお待ちしております。
アジア言語学科中国語専攻 中日翻訳ゼミ担当 植村麻紀子
■ (参考)三大学連携防災紙芝居多言語化プロジェクト
宮城県石巻市の日和幼稚園の送迎バスに乗った園児5人が津波火災に巻き込まれた実話をもとに、宮城学院女子大学幼児教育専攻の学生たちが「日和幼稚園遺族有志の会(※1)」とともに制作した紙芝居(2022年3月完成)をもとに、三大学(宮城学院女子大学、城西国際大学、神田外語大学)で多言語化プロジェクトを発足。本学は中国語、城西国際大学日韓交流ゼミが韓国語に翻訳し、宮城学院女子大学の日本語教育専攻の学生が「やさしい日本語(※2)」にリライトし、動画にまとめました。
本プロジェクトの昨年1年間の活動報告(作成過程)の展示と、日和幼稚園遺族有志の会への動画寄贈の様子を追加した防災紙芝居動画の上映を、学園祭内にて実施します(神田外語大学8号館8-102教室)。
※1 日和幼稚園遺族有志の会: 宮城県石巻市を拠点に活動している団体です。子どもたちの安全が少しでも守られる社会になるように願って、語り部をはじめ伝承活動をしています。
※2 やさしい日本語: 普通の日本語よりも簡単で、外国人にもわかりやすい日本語のことです。1995年1月の阪神・淡路大震災では、日本人だけでなく日本にいた多くの外国人も被害を受けました。その中には、日本語も英語も十分に理解できず必要な情報を受け取ることができない人たちもいました。そこで、そうした人たちが災害発生時に適切な行動をとれるように考え出されたのが「やさしい日本語」の始まりです。
(参考:
https://www.seikatubunka.metro.tokyo.lg.jp/chiiki_tabunka/tabunka/tabunkasuishin/0000001389.html)
■ 神田外語大学の学園祭「第37回浜風祭」開催概要
日 時:2023年10月21日(土)~10月22日(日) 10:00~17:00
企 画:神田外語大学 浜風祭委員会
テーマ:「Almach ~Come together cherishing your personality~」(調和 ~ひとつになろう~)
場 所:神田外語大学
内 容:世界各国の料理・スイーツ販売、芸能人のパフォーマンス、世界の文化体験、お子様向け企画、福島県の物産展など
参加費:無料
■ 関連リンク
【神田外語大学HP】
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/
【防災紙芝居多言語化プロジェクト プレスリリース】
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/news/254859/
【浜風祭特設ウェブサイト】
https://www.kandagaigo.ac.jp/kuis/main/campuslife/hamasai/
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人佐野学園(神田外語グループ) グループコミュニケーション部
三上山 雄亮
住所:東京都千代田区内神田2-13-13
TEL:03-3258-5837
FAX:03-5298-4123
メール:media@kandagaigo.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/