デロイト トーマツ、根拠に基づく施策立案・効果検証システム構築支援サービスを地方自治体向けに提供開始
第一弾として日向市観光協会に提供
デロイト トーマツ グループの有限責任監査法人トーマツ(東京都千代田区、包括代表 大久保孝一 以下、トーマツ)は、人流データ、POSデータといったデータや、地域住民や顧客の満足度、行政の持つ地域振興に関する様々なデータを統合して分析し、根拠に基づく施策立案・効果検証システムの構築を支援するサービスの提供を開始しました。トーマツは、本サービスを株式会社truestar(以下、truestar)と協力し、一般社団法人日向市観光協会(以下、日向市観光協会)を対象に提供します。我が国では世界に類を見ない少子高齢化の進展や厳しい財政状況に直面しており、政策課題を迅速かつ的確に把握した上で、有効な施策を選択・実行し、その効果を検証することによって、より良い施策につなげる必要性がこれまで以上に高まっています。そのため、EBPM(Evidence Based Policy Making:根拠に基づく政策立案)の考え方を踏まえ、政策効果の測定に関連する情報や統計データ等に基づいて政策を立案し、政策効果の向上につなげることが重要です。
本サービスは、人口動態や観光統計といった政府統計等のマクロデータに加え、外部データプロバイダから取得した人流データ等のオルタナティブデータ、観光客や住民の幸福度といったミクロデータを総合的に分析し、特定した地域のニーズや課題を、戦略・政策立案・目標設定(KPI)・具体施策に反映させるものです。
地方自治体では、このような仕組みを構築することで、ロジックに基づいたデータによる効果の把握や迅速な情報収集が可能になります。また、施策効果を分析し、根拠に基づいた最適な改善案を提案することで、施策の発展を支援します。
例えば、人流データ、近隣地域のイベント開催データ、POSデータをかけあわせて分析し、近隣地域からの観光客呼び込み施策について根拠に基づき検討することで、地域内での観光消費額を向上させるなどの施策立案・改善が可能になります。また、これらのデータと観光客アンケートの調査結果や住民幸福度等を組み合わせて分析することで、施策の効果検証が可能となります。
今回、サービスを提供する日向市内には地域資源が点在しており、効果的なPRに必要な「域内における観光客の動向や消費活動」などの情報を把握することが困難な状況にあります。それらの改善と「観光消費単価の向上」を目標に、人流データの活用などを通して施策推進に取り組むに当たり、導入施策の効果を把握するための体制構築ができていないこと、客観的かつ定期的なデータモニタリングにより観光客のニーズを把握できていないこと、柔軟に施策を変更できていないことといった課題がありました。トーマツは、日向市観光協会およびtruestarとともに、地域の観光振興を進め、住民幸福度を向上させることを目的に、関連する様々なデータを紐づけた施策立案・効果検証システムを構築することで、発展型のPDCAサイクルの運用に寄与します。
トーマツはこれまで地方自治体に対して総合計画の策定を含む施策立案や、事業評価・改善提案のプロジェクトを多数実施し、様々な知見やノウハウを蓄積してきました。トーマツはそれらの知見・経験を活かし、地方自治体向けの根拠に基づく施策立案・改善支援サービスを、各地方自治体に寄り添って検討し提供することで、地域課題の解決に貢献してまいります。
図:日向市施策効果モニタリングイメージ