【ニュースレター】女性従業員の声を反映し変わる生産現場の今
~有志で職場環境改善に取り組む「せいぞう小町」、ハンドブック作成や作業衣刷新で活躍~
この日は、完成したハンドブックの有効活用について議論
「女性の視点」で職場全体を働きやすく
“働きたい女性が個性と能力を十分に発揮できる社会”を目指し、2022年に改定された女性活躍推進法。当社でも、働きやすさをさらに高める各種制度の整備・拡充や、学びや磨きの機会提供など、女性の活躍を後押しするさまざまな取り組みが進められています。
一方で、働く女性たち自らが、より良く働くための環境を創り出していこうという動きも活発になっています。中でもそのエネルギッシュな活動と目に見える実績で、社内から注目を集めているのが「せいぞう小町」の皆さんです。工場など生産職場で働く女性たちが、自らの視点で身近な課題を解決していこうと2022年から活動を行っています。
当時、モノづくり人財戦略部の部長として「せいぞう小町」の発足をサポートした河合多真美さんは、「生産職場における女性比率は、わずか1割程度でしかありません。でも、その異なる1割の視点で環境改善に取り組むことは、働く女性だけのためでなく、職場全体に付加価値をもたらしてくれるだろうと期待を込めての発足でした」と振り返ります。同時に「活動を進める中でメンバー自身も学び、他者との関りを拡げ、発信力をつけて成長してほしいという願いもありました」と話します。
経営層の理解・共感で改善活動が加速
メンバーは現在、20~40代の女性19名。毎月2回、それぞれの生産職場から集まって、課題の抽出や改善策の検討・企画、さらにその実行・実現まで、限られた時間を有効に使っていきいきと活動しています。
「その第一歩は、“じつは私、困ってます”という小さな困りごとを発言し合うことでした」と話すのは、事務局を務める佐々木彩雲さん。そしてこのディスカッションで最も多かった課題こそ、トイレや更衣室、作業衣といった日々の仕事環境、職場の設備等に関わるものでした。
ここからが小町メンバーの行動力の見せどころです。一人当たりのトイレの使用時間や設備の数、また職場からトイレの距離や移動時間などを数値によって見える化し、改善に向けた骨子を立案。また、作業衣に関してはアンケート等を実施して、約30年ぶりとなるリニューアルへとつなげていきました。「こうした活動は、メンバー自らの言葉で経営層に報告します。そこで理解や共感を得ることで、それぞれの課題解消に向けた改善活動がさらに加速していきました」(佐々木さん)
また活動の一環として、結婚・出産・育児などのライフイベントや環境改善の事例、また自己啓発等についての情報を一冊にまとめたハンドブックも完成。社内に向けて間もなく配布が開始される予定です。
「社内には、いまも困りごとを抱えながら働いている女性がいるはずです。せいぞう小町の活動が、すべての女性従業員の“提案する勇気、相談するきっかけ”の後押しになることを願っています」(河合さん)
■広報担当者より
せいぞう小町の皆さんが編さんされた「DE & I HANDBOOK ~困ったとときのお助けブック~」を手に取って読んでみました。チームの皆さんが改善活動の中で獲得した「もっと働きやすくするための情報」がぎっしり詰まった素晴らしい出来栄えです。「働きやすい職場にするためには、周囲の理解が必要」と佐々木さん。このハンドブックの中身を、職場の上長や仲間たちに説明する計画も立てているそうです。