日本製鉄 カタール国/ブルーアンモニア製造プラント建設プロジェクトに使用されるCCS向けで高合金シームレス油井管受注とグリーンスチール「NSCarbolex Neutral」の採用が決定
このプロジェクトでは、日本製鉄が提供するマスバランス方式を適用したグリーンスチール(注3)(以下、グリーンスチール)「NSCarbolex® Neutral(エヌエスカーボレックス ニュートラル)」(注4)が採用されます。
本件は中東地域向け大型CCS 案件向けとしては初の高合金シームレス油井管及びNSCarbolex Neutral の受注案件となります。
カタールは、豊富な天然ガス埋蔵量を誇り、LNG 輸出量では世界シェアの約3 割を占める天然ガス産出国で、トランジションエナジーとしての天然ガス供給を行いながら、脱炭素に向けたアンモニア製造やCCS プロジェクトにも取り組んでいます。カタールエナジーが進めるブルーアンモニア製造プラント建設プロジェクトは、カタール屈指の工業地域であるメサイード地域から排出されたメタンガスからCO2 を分離、地中に貯留した上で、アンモニアを生産します。同プラントは年産120 万トンで2026 年に稼働開始を計画している、世界最大級のアンモニア製造プラントとなります。
地中に圧入されるCO2 には各種不純物が混ざっており、油井管の腐食性が高まります。日本製鉄の高合金油井管は、これまで過酷な石油・ガス開発の環境において優れた耐腐食性を示しており、近年では従来の油田・ガス田に加えて、他地域でのCCS 等の脱炭素、新エネルギーの分野でも採用されています。
日本製鉄は、2050 年カーボンニュートラル社会の実現に向けた取り組みの一環として、鉄鋼製造プロセスにおけるCO2 排出削減量を割り当てた鉄鋼製品NSCarbolex Neutral と社会におけるCO2 排出量削減に寄与する高機能製品・ソリューション技術「NSCarbolex Solution(注5)」の2 つの価値を提供することを通じて、お客様の脱炭素化・競争力向上、ひいてはカーボンニュートラル社会の実現に貢献していきます。
(注1)ブルーアンモニア
アンモニアの製造過程で発生するCO2 を回収・活用したカーボンニュートラルなアンモニア
(注2)CCS
Carbon dioxide Capture and Storage の略称。産業活動から排出されるCO2 を回収・貯留すること
(注3)マスバランス方式を適用したグリーンスチール
鉄鋼メーカーが実施した追加性のある削減プロジェクトによるCO2 等のGHG(Greenhouse Gas、温室効果ガス)の排出削減量を組織内でプールし、その削減量を同社の任意の製品に配分して証書と共に供給する鉄鋼製品であり、一般社団法人日本鉄鋼連盟が制定する「マスバランス方式を適用したグリーンスチールに関するガイドライン」に準拠します。マスバランス方式を適用したグリーンスチールを購入したお客様は、GHG プロトコルにおける自社Scope 3 排出量からの控除として報告できると解釈しております。
(参考)日本鉄鋼連盟 「マスバランス方式を適用したグリーンスチールに関するガイドライン」
https://www.jisf.or.jp/business/ondanka/kouken/greensteel/
(注4)NSCarbolex Neutral
マスバランス方式を活用し鉄鋼製造プロセスにおけるCO2 排出削減量を割り当てた鉄鋼製品
https://www.nipponsteel.com/product/nscarbolex/neutral/
(注5)NSCarbolex Solution
社会におけるCO2 排出削減量に寄与する高機能製品・ソリューション技術
https://www.nipponsteel.com/product/nscarbolex/solution/
お問い合わせ : https://www.nipponsteel.com/contact/