デロイト、クロスボーダー決済の革新の最新トレンドを公開
ペーパー「Beyond Payments(支払いのその先)」を新たに公開し、事業者が摩擦のない、より幅広いコンシューマージャーニーを創出する機会となるクロスボーダー取引の4つの新たな進展について解説
香港特別行政区 - Media OutReach Newswire - 2024年7月30日 - この10年間、モバイル決済ソリューションが急速に普及し、アジアをはじめとする各地でデジタル経済の主な推進力となってきました。南アジアおよび東南アジアにおけるデジタルライフの興隆に関する当社の2020年の調査レポート「The Next Wave: Emerging digital life in South and Southeast Asia(次の波:南アジアおよび東南アジアにおけるデジタルライフの興隆)」を元に作成されたこのペーパーでは、アジア太平洋地域におけるここ4年間の新たな政策、産業・技術の発展について考察しています。デジタル経済を推進する政府の取り組みや、決済基盤の刷新に向けた官民連携により、即時送金システム(Fast Payment Systems)や国のQRコード決済の仕組みの導入が広がっています。クロスボーダー取引の加速により、決済の互換性に対する需要が高まっています。電子ウォレットでは、ミニアプリをとおして一連のサービスを提供するスーパーアプリの考え方が採用されています。こういったあらゆる要素が購入手続きに革新をもたらし、チェックアウト時にこれまでよりずっと幅広く様々な方法で消費者の心をつかむ新たな可能性が開拓されています。クロスボーダー取引のチェックアウトが進化を続ける中、当社は以下の4つの主なトレンドを明らかにしました。
- アジア太平洋地域ではデジタル決済が世界でも特に広く普及しており、デジタルウォレット決済額は9兆8千億米ドルと、世界の総決済額の3分の2近くを占めています。デジタルウォレットの分野には多くの企業が参入し、電子ウォレットやフィンテック企業の連携が拡大しています。
- アジア太平洋地域ではクロスボーダー決済の互換性が電子ウォレット普及の重要なテーマとなっており、デジタル基盤の刷新に向けた官民の取り組みが行われています。例えば、シンガポールやカンボジアでは、国のQRコード決済の仕組みをAlipay+と連携させ、クロスボーダー決済と国内のQRコード決済の仕組みを連結させています。東南アジアでもクロスボーダー決済の統合が進んでいます。
- 電子ウォレットやバンキングアプリはコロナ後のオムニチャネルの商取引のトレンドに対応し、一連のサービスを統合プラットフォームにまとめたスーパーアプリとして急速に進化しました。例えば、インドネシアのマンディリ銀行のスーパーアプリ「Livin'」は、同国内で2023年に最も急成長したモバイルアプリとしてランク付けられています。多くの小売店や事業者が、シームレスで個別化されたユーザー体験を創出するため、オムニチャネル変革を推進しています。
- 決済のソリューションやイノベーションは、インクルーシブでサステナブルな成長の支えとなっています。革新的なフィンテック企業は零細・中小企業(MSME: Micro, Small and Medium Enterprises)の成長、グローバル進出をサポートしつつ、デジタル変革やサステナビリティー変革を支援しています。
決済環境の急速な成長、変化に伴い、金融犯罪の脅威も拡大しています。詐欺師は常に新たなテクノロジーを武器として決済エコシステムの脆弱性を突いて攻撃をしてきます。サイバーセキュリティーに充当できるリソースが限られている中でデジタル化を推進する零細・中小企業が増え、金融犯罪に対する懸念はさらに高まっています。フィンテックのイノベーションやデジタル化を実現し、社会に長期的に影響を与えるために、足並みの揃った実用的な手法を実践していく中では、業界全体での協業や官民連携が非常に重要です。
詳しくは、以下をご覧ください。
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/cn/Documents/technology-media-telecommunications/deloitte-cn-tmt-beyond-payment-en-240711.pdf