東京都中小企業の課題解決型デザインコンペティション 2024年度「東京ビジネスデザインアワード(TBDA)」企業テーマ9件を発表、テーマに対するデザイン提案を募集開始

公益財団法人日本デザイン振興会

募集期間は9月4日(水)〜 10月30日(水)、デザイナー向け説明会を9月18日(水)に開催

PRESS RELEASE
 
2024年9月4日
公益財団法人日本デザイン振興会
 

東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会(所在地:東京都港区)が企画・運営を行う「東京ビジネスデザインアワード(TBDA)」は、2024年度参加企業の「テーマ」として選出された9件を発表し、デザイン提案の募集を開始します。募集期間は、9月4日(水)〜 10月30日(水)です。

今年で13回目となる本アワードは、都内中小企業が持つ「技術」「素材」などをテーマに優れた課題解決力・提案力をあわせ持つデザイナーと企業が協働することを目的としたデザイン・事業提案コンペティションです。2012年の開始以来、企業テーマとして採用された中小企業の「技術」「素材」は120件以上、これに対するデザイナーからの提案数は延べ1,400件以上となっています。

2024年度は全9件がテーマとして選出され、企業が保有する独自の素材や技術に加え、技能承継や市場の開拓、事業転換など各企業の抱える課題に対し、デザイナーとのマッチングを行っていきます。
企業の「テーマ」とデザイナーの提案マッチング成立後は、実現化に向けての協働がスタートし、プレゼンテーションによる最終審査を経て、2025年2月に最優秀賞・優秀賞を決定します。
 
<2024年度全体スケジュール>
 
・テーマ募集:終了
・テーマ発表・デザイン提案募集:
 9月〜10月
・マッチング決定:11月
・テーマ賞発表:2025年1月
・最優秀賞・優秀賞発表/表彰式:
 2025年2月
 
 
9月18日(水)に、デザイナー向けに提案募集企業へ直接質疑応答をしたり、サンプルなどが見られるコミュニケーションデー(説明会)を実施します。
 
1. 「2024年度 東京ビジネスデザインアワード」テーマ概要(全9件)
  各テーマの詳細は、公式ウェブサイトをご覧ください。
公式ウェブサイト:https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html  
デザイナー向け「テーマ」紹介ページ:https://www.tokyo-design.ne.jp/designer/

 
1.リング製本とオンデマンド印刷のワンストップ提供体制 富士リプロ株式会社(千代田区)
「リング製本」とは穴を開けてリングで綴じる製本形式。360°開き、上下左右様々な方向でつなぐことができる。リング製本の設備に加え、特色印刷が可能なオンデマンド印刷機や他加工機械もあるため、社内で一貫したリング製本が可能、1部からオーダーメイドできる。神田の本社と浅草の工場で実際に製作でき、立地と設備の両方を備えているのが強み。事業を通して地域貢献なども意欲的に行っていきたいと考えている。
2.金属切削による高精度な軸物加工 株式会社開工精機製作所(板橋区)
金属丸棒材料や鋳造材から、主に旋盤と呼ばれる工作機械を使用して軸形状の部品を削り出す加工が得意。町工場ならではの小回りで、コミュニケーションを重視して、試作加工の精度・品質をもって対応できるのが強み。現状急激にシュリンクしている“自動車エンジン(内燃機関)”に依存してきたところから事業を再構築する必要性があり、新しい企業価値を創造するための製品とビジネスモデルの提案に期待している。
3.唯一無二の立体感を持つ極厚・凹凸加工技術 東和マーク株式会社(北区)
極厚・凹凸加工技術は、シールを蝋のように肉厚にし立体感を再現しており、現在「封蝋風シール」として販売実績がある。シールは一般的に脇役になることがほとんどであり、デザイナーとの協業を通して「シールが主役になる」または「主役の一部」となる、技術が花開く商品を開発したいと考えている。慣れ親しんだ業務だけではなく、業界の常識を超えた新しい取組みに挑戦していきたいとの意欲を持つ企業。
4.金属板の自由自在な加工技術と高速な試作体制 磯村産業株式会社(葛飾区)
非常に薄い金属板の加工を得意とする。複雑形状の外形切断やカーブさせて滑らかな曲線を作るR曲げ等の加工に対応、多品種・小ロットでの製造が強み。最新式の機械設備を複数台導入していることに加え、業界歴30年を超える熟練の職人が多数在籍。高精度な加工の実現、速い速度で試作の開発・製造を行っている。町工場が中心となった新たなモデルケースを作り上げて、ものづくり全体の盛り上がりを創出したいとの想いを持つ。
5.ベビー用品製造で培われた縫製と検品の安心・安全技術 日本エイテックス株式会社(文京区)
抱っこ紐をはじめとしたベビー用品を製造している企業。自社製品の企画・製造を日本国内で行い、部材選び、企画、製造、検品まで厳しい基準を満たした製品づくりを行っている。赤ちゃんを抱っこするときの身体への負担を軽減できる構造設計と縫製技術、認定検品工場のノウハウを、ベビー用品以外の他分野にも応用し、安心安全なものづくりを世界に発信したいと構想している。
6.高耐久鋼の帯材への曲げ・ねじり加工 新田スプリング株式会社(足立区)
帯状の鋼材に対して曲げ・ねじり加工が得意。用途に合わせた材料選定、試験方法の提案、使用材料の分析提案を行えることが強み。BtoB製品の製造が主だったため、デザイナーとの協業を通じて、ものづくりを楽しみながら一般消費者向けの製品開発に挑戦したいと考えている。用途検討、販売促進、PRも含めてのビジネスモデル提案に期待している。
7.ベルトに用いられる伸縮できる本革の加工技術 有限会社長沢ベルト工業(葛飾区)
主に本革を使用した服飾ベルト製品を手がけている。革の裁断から縫製〜タグ付けまで、手作業による製造を行う。また、ベルトとして使えない部分が"余り革"として残るため、新しい活用方法を模索している。今回の協業においてもエンドユーザーに長く使ってもらえる製品であることを見据え、修理やケアのアフターフォローで、ユーザーに寄り添うものづくりをしていきたいと考えている。
8.医療器具水準の滑らかな仕上がりをもたらす金属手加工 三祐医科工業株式会社(足立区)
機械加工では行えない「やすりがけ」「曲げ加工」「溶接」などの手仕上げ加工の技で、50年以上、鋼製小物(金属製医療機器)を製造している。真鍮やステンレス、銀などの材料の加工を得意とし、高い技術力によって滑らかな仕上がりを実現している。加工ができる職人の育成にも力を入れており、町工場の魅力を広めるために次世代に伝えていくアイデアと製品を求めている。
9.紙のように使える高耐水性エコ素材 有限会社アールコーポレーション(北区)
シート状にすれば紙のように使え、ペレット状では3Dプリンター用フィラメントとして使用できる素材。シート状では、紙と同様に印刷・折り・糊付けが可能で、油性マジックで裏写りしない高い防水性能を持つ。すでに同素材を使用した自社商品の販売実績もある。ペレット状では、プラスチックの代替として使用できることから活用方法を模索している。チャレンジ精神を大切に、多様な事業を展開している企業。

2. 2024年度 「東京ビジネスデザインアワード」デザイン提案募集概要
募集期間 :2024年9月4日(水)〜 10月30日(水)23:59まで
応募資格 :中小企業との協業に意欲を持つ、国内在住の個人またはグループ
応募費用 :無料 ※ただし、通信費や提案の制作に伴う実費等は応募者負担。
賞・賞金 :最優秀賞(1点)賞金100万円(企業、デザイナーにそれぞれ50万円)
      優秀賞(2点) 賞金20万円(企業、デザイナーにそれぞれ10万円)
      テーマ賞(1テーマにつき1点)※審査の結果、該当なしとなる場合あり。
応募方法 :東京ビジネスデザインアワード公式ウェブサイトよりご応募ください。
      https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html
主催   :東京都
企画・運営:公益財団法人日本デザイン振興会

<東京ビジネスデザインアワードの特徴>
製品デザインにとどまらない、経営層との協働機会の提供
商品単体ではなく販売やサービス、コミュニケーションプランをも含めた提案により、経営層とタッグを組んで協業する機会を提供。経営資源の活用やブランド構築の経験、経営計画の検討など包括的にビジネスデザインに取り組むことができる。

専門家、事務局によるサポート体制
各分野の専門家で構成される審査委員会によるアドバイス(商品開発、知財戦略、デザイン契約、販路開拓等)を通じ、アワード終了後も商品化、事業化に向けた支援および相談機会の提供、サポートを随時受けられる。

商品化、事業化への豊富な実績
これまでにマッチングした企業とデザイナーによる提案実現事例は20件を数え、国内外で60万点以上を売り上げる商品も誕生。

<デザイナー向け 応募説明資料公開について>
応募を検討するデザイナーを対象に、FAQ集、各テーマ企業によるプレゼンテーション動画、取材記事を随時、公式ウェブサイトにて公開します。
https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html
 
<2024年度東京ビジネスデザインアワード 審査委員会>
企業からのテーマ、デザイナーからの提案について審査を行うとともに、両者の協業に向けて専門的な視点からアドバイスを行います。

審査委員長:山田 遊 バイヤー 株式会社メソッド 代表取締役   
審査委員:
秋山 かおり プロダクトデザイナー STUDIO BYCOLOR  
谷口 靖太郎 デザインエンジニア、ディレクター Takram 
日髙 一樹 特定訴訟代理人・弁理士 / デザインストラテジスト 日高国際特許事務所所長  
坊垣 佳奈 株式会社マクアケ 共同創業者 / 取締役 
宮崎 晃吉 建築家 株式会社HAGISO 代表取締役   

八木 彩 アートディレクター、クリエイティブディレクター アレンス株式会社

 
<コミュニケーションデーの開催について>
各テーマ企業の担当者との質疑応答やサンプル展示など、直接コミュニケーションが取れる「コミュニケーションデー」を開催。事務局からの応募説明や、審査委員の秋山かおり氏をお迎えしてトークイベントを開催。(定員:40人・先着順)
■デザイナー向け・テーマ企業とのコミュニケーションデー
 日時: 9月18日(水)17:00 – 19:30
 詳細・申し込み:https://www.tokyo-design.ne.jp/award.html

<テーマ企業への工場見学・会社訪問 について>
デザイン提案応募を検討し、より深くテーマの素材・技術について知りたいという方を対象に、企業の工場見学(会社訪問)を実施します。
■工場見学・会社訪問
 スケジュール:9月25日 (水)〜10月3日(木)の期間に実施 (予定)
 ※実施日時はTBDA公式サイトでご確認ください。予約状況は公式Facebookでお知らせします。
 Facebook URL:https://www.facebook.com/TokyoBusinessDesignAward

<「TOKYO CREATIVE COLLECTION」への出展について>
 9月10日(火)に開催される「TOKYO CREATIVE COLLECTION」にTBDAとしてブース出展します。
 企業とデザイナーの協働から誕生した製品やアワードについてご紹介します。
  https://www.vivivit.com/events/creative-collection/tokyo-2024

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