水素100%燃焼給湯器の実証実験を豪州で開始
~豪州エネルギーインフラ会社と協定を締結し、水素社会実現に貢献~
株式会社ノーリツ(本社:兵庫県神戸市、代表取締役社長:腹巻知)とグループ会社であるDux Manufacturing Ltd(所在地:オーストラリア、以下Dux)は、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みを加速させるため、西オーストラリアを中心としたエネルギーインフラ会社であるATCO Gas Australia Pty Ltd(以下、ATCO)と共同で、水素100%燃焼の家庭用給湯器の実証実験を2024年12月から開始します。オーストラリア連邦政府および西オーストラリア政府は「国家水素戦略」を2019年に発表し、政府主導によるクリーンエネルギーへの転換を加速しています。ATCOは両政府の資金援助を受けて、水素の利活用方法の研究や実験などを行うクリーン・エネルギー・イノベーション・ハブ(以下、CEIH)を2019年に開設し、CEIH内で生成したグリーン水素※を天然ガスと混合し、約3,000世帯の家庭に供給する実験プロジェクトを実施しています。また、CEIH内に水素住宅を建設し、水素100%燃焼に対応する機器の実証実験を順次展開しています。
このたびノーリツ、Dux、ATCOの三社は協定書を締結し、ATCOの水素住宅で家庭用給湯器の実証実験を開始します。今回の実験では、当社が開発した水素100%燃焼の家庭用給湯器を水素住宅に導入し、2024年12月から約2年間、日常生活での稼働状況を検証します。長期運転による信頼性の評価を行い、水素社会においても安全に安定したお湯の供給が可能かを実証します。なお、実験中の機器メンテナンスはDuxが担います。当社は、独自に開発した水素燃焼の技術力をもって、Duxとともにオーストラリアにおける水素社会の実現に貢献します。
※ 再生可能エネルギーなどを使って、製造工程においてもCO2を排出せずにつくられた水素
■実証実験の概要
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ATCOガスオーストラリア
クリーン・エネルギー・イノベーション・ハブ内
水素住宅
- 実証期間
2024年12月から約2年間を予定
- 検証内容
① 水素100%燃焼の家庭用給湯器を実使用に即したモードで運転
② 2年間の長期運転による信頼性評価
- 実証実験における各社の役割
・ATCO:実験フィールドの提供、水素エネルギーの供給、実証機の施工
・ノーリツ:実証機のプロトタイプ提供、実験結果の分析
・Dux:実験中の機器メンテナンス
■会社概要
- ATCO Gas Australia Pty Ltd(アトコガスオーストラリア)
概要 カナダに本社を置き、電力・ガス配給や水道、物流事業などを100か国以上で展開するATCO Ltdの子会社 所在地 Level 12, 2 Mill Street, Perth, Western Australia, Australia 代表者 John Ivulich 設立 1998年 事業内容 西オーストラリア州を中心にガス供給、天然ガス発電事業、水素事業の開発など HP https://www.atco.com/en-au/contact-us/atco-australia.html
- Dux Manufacturing Ltd(ダックス マニュファクチャリング)
概要 豪州を代表するタンク式(貯湯式)給湯器メーカー。2014年にM&Aを行ったノーリツのグループ会社 所在地 Lot.1 Collins Road Moss vale, NSW 2577 代表者 Simon Terry 設立 1915年 事業内容 電気・ガスタンク式給湯器の製造、タンク式・タンクレス給湯器の販売など HP https://www.dux.com.au/
■ノーリツグループのサステナビリティの取り組み
ノーリツグループは「きれいな地球を次の世代へ」をスローガンとした環境理念のもと、持続可能な社会の実現に向けて「低炭素社会」「循環型社会」「自然共生社会」の構築に貢献し、製品及び事業活動を通して環境課題への取り組みを推進しています。また「中期経営計画Vプラン26」の重点戦略のひとつに「サステナビリティ経営の推進」を掲げ、CO2排出量の削減に向けた各取り組みを最重要課題(マテリアリティ)としています。水素エネルギーは2050年のカーボンニュートラル実現において重要な役割を果たす新技術の一つと捉えており、今後もエネルギーの多様化に対応し、“お湯のある豊かな暮し”をお届けしていくことを使命に邁進いたします。
■参考:ノーリツが開発する水素100%燃焼給湯器の主な特長
① 安定した“お湯”を安全に提供
水素を扱ううえで課題とされる異常燃焼を防止する異常燃焼防止構造を採用し、万一の異常発生時も安全に停止します。
② 従来ガス給湯器と同等の使い勝手と快適性を維持
従来ガス給湯器と同様の最大能力(24号)、最小能力(2.4号)を実現し、最大流量から最小流量まで、安定したお湯を提供します。
③ 従来ガスから水素への切り替えにも対応
2030年までの低炭素化フェーズ、2050年に向けたカーボンニュートラルフェーズとエネルギーが多様化するなかでも、ガス流量調整部品の交換とソフトウェアの切り替えによって、従来ガスから水素へ容易に切り替えが可能です。
「水素100%燃焼給湯器」の詳細に関するプレスリリース(2023年12月14日発表)
https://www.noritz.co.jp/company/news/2023/20231214-005501.html