東急建設株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:寺田光宏)と東京都市大学(東京都世田谷区、学長:野城智也)は、建築物に適用する「人協調型ロボティクスの社会実装技術開発」の共同研究を開始します。
近年、建設現場の労働力不足を補う手段として、建設作業を支援するロボットの活用が期待されています。また、完成した建物においても、オフィス等で働く人の生産性向上やウェルネスの向上を目的としたロボット導入への関心が高まっています。しかし、いずれの場合も、ロボットが動作し易い環境ではないため、導入が思うように進んでいない状況にあります。
このような人とロボットが協調して相互に支えあう社会の実現に向け、2023年度より内閣府主導で「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」の技術開発プロジェクトが取り組まれています。このプロジェクトでは、急速な高齢化が引き起こす様々な社会問題の解決に向けて、人・AIロボット・情報系が融合したHCPS(「人」+「サイバー・フィジカル空間」:Human-Cyber-Physical Space)融合人協調型ロボティクスという革新技術を創り出し、Society5.0の実現を目指しています。この度、同プロジェクトの3回目の公募があり、東急建設と東京都市大学は「住宅・ビル等の人協調型ロボティクスの社会実装技術開発」を共同で提案し、委託先として採択されました[1]。
本共同研究開発では、建築構造物をロボットが動作し易い「ロボットフレンドリー環境」として設計・実装する社会実装技術を開発します。具体的には、東京都市大学の横浜キャンパスに建設する新研究棟[2]に、ロボットとエレベーターが連携する機能、およびロボットが利用するIoT無線ネットワークをロボットフレンドリー環境の基本機能として実装します。図に示すようにIoTネットワークは建設工事の段階から導入し、工事期間中は現場のセンシングや建設ロボットの通信ネットワークとして活用します。また、建設現場ではパワーアシストスーツや建設用ロボットを活用し、IoTネットワークを利用した作業員のモニタリングやロボットとの連携による生産性向上を目指します。更に、竣工後の建物で照明や空調などの建築設備とロボットが有用なレベルで連携できるようにするため、建物OS[3]を導入したスマートビルとしてロボットフレンドリー環境を実装します。人・ロボット・建物が連携したサービスを建物OS上で動くアプリケーションとして提供し、ロボットを活用した屋内の自動巡視や清掃、ビルの機械室の遠隔監視など、生活空間で人協調型ロボティクスを活用したユースケースを実現します。
■本共同研究開発の内容と役割
・人協調型ロボティクスを活用するサービスの立案(東急建設)
・BIM※ を活用した各種サービスに必要なロボットフレンドリー環境の設計および実装(東急建設)
・ロボット‐エレベーター連携機能の実装手法の確立(東急建設、東京都市大学)
・建設作業を支援する人協調型ロボティクスの運用技術の開発(東急建設)
・建物HCPS融合のロボットサービス用APIおよびアプリケーションの開発(東急建設、東京都市大学)
※ BIM:Building Information Modeling の略
東急建設は、本プロジェクトで培ったロボットフレンドリー環境の設計・実装技術を活用し、建物の新しい価値を提供してまいります。また、東京都市大学は横浜キャンパスに建設したロボットフレンドリーな新研究棟を活用した研究活動や人材育成に取り組んでまいります。
【関連リリース】
[1]「戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期/人協調型ロボティクスの拡大に向けた基盤技術・ルールの整備」第3回公募に係る実施体制の決定について
https://www.nedo.go.jp/koubo/CD3_100380.html
[2] 2026年4月、横浜キャンパスに新棟を建設
https://www.tcu.ac.jp/news/all/20241115-60714/
[3]建物デジタルプラットフォーム「Building OS」を大阪大学と共同開発し、技術研究所で実証
https://www.tokyu-cnst.co.jp/topics/2403.html
▼報道関係のお問い合わせ先
・東急建設株式会社
経営戦略本部 コーポレート・コミュニケーション部 西田
TEL:03-5466-5008
FAX:03-5466-5069
E-mail:webmaster@tokyu-cnst.co.jp
・東京都市大学
企画・広報課
E-mail:toshidai-pr@tcu.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/