ヤマハ発動機株式会社と、Lola Cars Ltd(本社:英国、以下Lola)は、このたび、ABB FIA フォーミュラE世界選手権(以下「フォーミュラE」)における、高性能電動パワートレイン開発・供給に関するテクニカルパートナーシップ契約を、2027年以降も継続することで合意しました。第4世代マシン「GEN4」導入後も挑戦を継続し、世界最高峰の電動自動車レースであるフォーミュラEを通じて、最先端の電動技術開発に取り組み、ヤマハ発動機全体の電動技術の底上げを目指します。
当社は2024年3月に、フォーミュラEのレーシングチームに車体を供給するLolaと、フォーミュラEの第3世代マシン「GEN3EVO」における技術提携契約を結びました。今シーズン(シーズン11)から、当社とLolaが協力して開発・供給した電動パワートレイン(動力ユニット)を搭載したマシンで、ドイツに拠点を置くレーシングチーム、ABT(アプト)と共に「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」としてレースに参戦しています。
Lolaは英国の老舗レーシングカー開発会社で、数々の国際自動車レースへマシンを送り出してきました。同社はサステナブル・モータースポーツを掲げ、電動レース技術獲得を目的に、シーズン11(2024-2025年)から、フォーミュラE規格に準拠した車体パッケージの開発・供給を行っています。
フォーミュラEでは、2026-2027年に開催されるシーズン13から第4世代マシン「GEN4」が導入され、テクニカルレギュレーションが変更となります。最大出力は600kW、回生量は最大700kWに引き上げられ、これまで以上に進化したエネルギー効率を実現する技術が求められる見込みです。
当社は、全社環境目標として、2050年までにスコープ3*におけるカーボンニュートラルを達成することを掲げています。また、技術戦略の上でも、新たなコア技術の獲得強化を設定しています。その一つが、高度なエネルギーマネジメント技術です。
フォーミュラEへの挑戦を通して、当社は世界最高レベルの出力密度・効率を含めた究極のエネルギーマネジメント技術の獲得を目指し、引き続き技術開発に取り組んでいきます。
※ 事業所や工場、エネルギー購入を含む企業活動における排出(スコープ1.2.)以外での、製品使用や原材料調達を含むその他の排出
フォーミュラEに参戦している「ローラ・ヤマハABTフォーミュラEチーム」の車両
ヤマハ発動機 取締役常務執行役員 丸山 平二のコメント:
「ヤマハ発動機は、お客さまに感動を提供し、サステナビリティに寄与するための新たなコア技術の獲得・強化に向けて、さまざまな技術の研究開発を行っています。その一つが、まさにフォーミュラEで磨かれるであろう、高度なエネルギーマネジメント技術の獲得です。私たちはLola Carsのテクニカルパートナーとして、GEN4シーズンにも引き続き挑戦します。心強いパートナーであるLola Carsと、世界最高峰の電動レースの舞台で我々の技術を高めていけることを、とても誇らしく、楽しみに感じています」
ローラ・カーズ会長、ティル・ベクトルシャイマーのコメント:
「ヤマハ発動機と協力して開発したパワートレインを使い、ローラ・ヤマハABTチームがフォーミュラEで戦っていることは、お互いに有益で素晴らしい経験となっています。 当社もGEN4への参加を既に決めているため、ヤマハ発動機がともにこの取り組みを継続してくれることを非常に嬉しく思います。持続可能なモビリティの推進に対して豊富な経験とコミットメントを持つヤマハは、ローラ・カーズにとっての理想的なパートナーであり、今後もモータースポーツを通じて革新を進めていくことを楽しみにしています」