2025年4月30日、ゲイドン(英国):
アストンマーティンはDBXの新しいフラッグシップ、DBX Sを発表します。DBX707のダイナミックな魅力と、登場間近のスーパーカーValhallaの技術を直接受け継いで強化されたエンジンを持つDBX Sは、これまで以上のパワーと軽量化を実現し、存在感を主張するデザインで、最高に夢中になれる応答性の高い走りを堪能できます。その走りにマッチするエクステリアとインテリア両方の新要素が、DBX Sに紛れもない個性を持たせています。
DBX Sは、モデル名の末尾に「S」を付けることで既存モデルの特別ハイパフォーマンス仕様バージョンを示す、2004年パリ・モーターショーで一般公開されたVanquish Sにさかのぼるアストンマーティンの長い伝統を受け継いでいます。DBX Sは、軽量・高出力・高性能のバリアントが今もアストンマーティンの中核を成す量産モデルの一部であることを証明し、ハイパフォーマンス・モデルの系譜を未来へとつなぎます。
アストンマーティンの最高経営責任者(CEO)エイドリアン・ホールマークは次のように述べています。「この2年間、アストンマーティンは次世代スポーツカーの新たな中核コレクションと新型DBXを新しく登場させてきました。そのどれもが、社内で設計された完全ビスポークの新しいインフォテインメントシステムを搭載しています。今後もクラス最高のパフォーマンス、ウルトラ・ラグジュアリーなデザインとイノベーションに重点を置きながら、各コアモデル下の製品ラインアップの拡大に取り組んでいきます。DBX Sは、最もエキサイティングで満足感を感じられる美しいクルマの創造を目指すアストンマーティンの決意を改めて示すだけではありません。DBXだけでなく、アストンマーティンというブランドに対して私たちが掲げる野心を強力に発信するものでもあります。」
新型DBX Sの心臓部に鎮座するのは、評判の高いアストンマーティン4.0リッターツインターボV8エンジンのアップグレード版です。今後予定されるスーパーカーのValhallaから直接受け継いだ大型コンプレッサーホイールをはじめとするターボテクノロジーとその他の内部的な改良によって出力はさらに20PSアップの727PSに達し、最高回転数でさらに急激な出力アップを実現してDBX Sのパフォーマンスをいっそう印象的なものにします。その結果、0-62mph加速わずか3.3秒、0-124mph(200km/h)加速の0.3秒短縮を達成しています。最高速度はこれまでのDBXと同じ、驚異的な193mphを誇ります。
パフォーマンスとその表現の両方の印象を深めているのが、改良を加えられたエキゾーストシステムで、V8エンジンの自然な轟きにこれまで以上に個性を加え、エンジンのターボ強化の成果を最大限発揮させています。
同じファミリーのDBX707同様、DBX Sもフロントとリアへの出力配分を変更できます。フロントへは最大50%、リアに対しては100%までものトルクを配分できます。革新的な9速「湿式クラッチ」トランスミッションを採用するため従来型のトルクコンバーターが不要で、停止状態からの発進で過激なパフォーマンスを実現します。DBX Sのギアボックスには、これまで以上に忘れられない走りを実現する改良がほかにも加えられています。回転範囲の拡大を反映してギアシフトポイントの調整が行われ、オートマチックにあるときのSportおよびSport +の各モードでのシフトダウンはさらにアグレッシブさを増しています。
出力アップに加え、車両の軽量化についても数々の工夫が加えられていますが、考え抜かれ厳選されて行われているため、軽量化はその利点の一つにしかすぎません。新しくオプションに設定されたカーボンファイバーのルーフがその好例で、アストンマーティンで使用されるものとしては圧倒的に最大級のカーボンファイバー部品である、3m近くに及ぶ見事な平織りのものです。仕様からルーフレールがなくなって18kg軽くなっただけでなく、車両の最も高い位置が軽量化されたことから重心が下に移り、安定性と敏捷性もさらに向上しています。
今回、SUVセグメントでは初めてマグネシウムホイールがオプション設定されました。マグネシウムは強度が高いだけでなく驚異的な軽さを誇る素材で、スチールに比べて約75%軽く、チタンの半分の重さで、アルミニウムと比較しても約1/3の軽量化を図ることができます。オプションの23インチのホイールを選択した場合、バネ下重量をさらに19kg削減でき、乗り心地、ステアリングの精度とフィール向上に加え、インプットに対する即時の応答性も高められます。DBX Sには標準装備の23インチ鍛造アルミニウムホイールも用意されます。
マグネシウムホイールを指定した場合、ルーフレールもなくなり、さらなる軽量化を実現できます。またビスポークの軽量ポリカーボネートのハニカムグリルも指定できます。25,000を超える個別の面が重量配分を後方へとシフトさせ、ハンドリングとトラクションの性能向上につながります。
DBX Sのステアリングレシオも4%の向上ながら敏捷性は明らかに高まっており、よりスポーティーで応答性の高い感触を得られながら、ハンドリングにわずかな不安も感じさせません。最小回転半径も50cm近く縮小して12mと、都市部でのドライビングをより快適にします。
DBX Sは、昨年導入された全体的なサスペンション改良の恩恵も受けています。エアスプリングと電子ダンパーの両方のキャリブレーション調整でボディコントロールが向上し、重量移動が少なくなってプライマリーライドの乗り心地と全体的な安定性が良くなっています。標準装備の電子ロールコントロールによって、限度にあっても1.5度以上のロールはありえません。自然なコーナリングのフィーリングを生み出しながら、多くの専用設計の2シートスポーツカーより車体を平らに保ちます。選択されたドライブモードに合わせてスプリングレートも変更され、コーナー通過時にロール剛性のバランスを積極的に移動させてグリップを強化し、ステアリングのレスポンスを高めます。フロント420mm、リア390mmもある強力なカーボンセラミックブレーキによって、どのコーナーでもほぼ無尽蔵のブレーキ性能が発揮されます。
外観的には、アストンマーティンのデザインチームは、DBX Sが最高にスポーティーで高い動的性能を持った、人を夢中にさせるウルトラ・ラグジュアリーなSUVであることを、それを目にした誰もが疑う余地もないものに仕上げました。
フロントでは、すぐにそれが新型DBX Sであることがわかる、路上で即座に存在感を放つピュアブラックのvanedグリルが目を引きます。その一方で、DBS 770 Ultimateにヒントを得た軽量ポリカーボネートのハニカムグリルもオプションで用意されています。新しいスプリッターとディフューザー、特徴的なラップアラウンドデザインのデイタイムランニングライトが、生来の自信に満ちた存在感をいっそう高めています。
サイドでは、新しいシルが極めて特徴的な上向きのエアスプリッターを際立たせています。アストンマーティンらしくデザイン性のみならず機能性も高いもので、車体の脇を通る空気の流れを集めて導きます。サイドミラー、サイドストレーキ、ドアシルにはカーボンファイバーも選択できます。フロントフェンダーの「S」のバッジは、この強力なモデルの本質を示しています。V12 Vantage SおよびRapide Sでも見られた「S」のバッジは、アストンマーティンの由緒あるウイングバッジと同様にガラスエナメル加工された金属製で、赤の「S」が埋め込まれています。バッジの周囲は、オーナーが選んだウイングの色に合わせ、ブライトクロームまたはダーククロームでプレーティング加工されます。
新しいフラッグシップとなるDBXで外観的に最も変わったのはリアです。新しく縦に並ぶ存在感あるクアッド・エキゾーストはグロス仕上げとマット仕上げのいずれかを選べ、最大限の力を発揮するV8の壮麗なサウンドを鳴り響かせます。デザインが一新されたリアバンパーとディフューザーは、サイド・シルとウイングと共にカーボンファイバーを指定し、さらに7kgの軽量化を図ることができます。DBX Sでは、ロッソ・コルサ・レッド、トロフィー・シルバー、ポディウム・グリーンの3色を指定できる、ボディ下部用の新しいカラーリングも用意されています。このスポーティーなカラーリングはフロント・スプリッター、ディフューザー、サイド・シルからリアに向かい、新しく縦に並ぶクアッド・エキゾーストを囲みます。
DBX Sのインテリアでは、ビスポークの「S」のテーマが展開され、中でも標準シートの特徴的なヘリンボーン模様が目を引きます。オプションのカーボン・ルーフを選択した場合には、ヘッドライナーにも同じヘリンボーン模様が使用されます。ヘリンボーンの線はシートの上に行くほど幅が広くなってスピード感を明白に感じさせ、アストンマーティン最高性能のSUVにふさわしい演出となっています。
DBX Sの標準トリムでは、軽さを感じさせるアルカンターラをシート、ヘッドライナー、センターコンソール、ロア・インストルメントパネル、アッパートリムに使用しています。シートボルスターなどの摩耗しやすい箇所では、アルカンターラと自然に調和するセミアニリンレザーが使用されます。さらにラグジュアリー感を高めたい場合には、トリムすべてにセミアニリンを使用することもできます。また、赤のシートベルトを選択して「S」の要素をインテリアに加えることもできます。
シートには、モデル名の末尾に付く「S」が刺繍されます。ヘッドレストには、極めて高い圧力(1.5トン)と熱でミリ以下の精度とディテールを実現する、エンボス加工とデボス加工の両方を用いた業界初の技術によってアストンマーティンのウイングがレザーに浮かび上がります。「S」はトレッドプレートとエンジンプラークにも見られ、全体をまとめています。
DBX Sでも、アストンマーティンが社内開発した最先端のインフォテインメントシステムが採用され、新しいキャビン構造が強い印象を与えます。大きく変わったキャビンは、完璧なデザインと贅を尽くしたラグジュアリー、圧倒的なコネクテッドカー技術を組み合わせた技とイノベーションの展開の好例となっています。
標準装備には、800ワット、スピーカー14台のアストンマーティン・プレミアムオーディオシステムも含まれます。先進的なハードウェアを活用して開発されたこのシステムは、QuantumLogic®サラウンドサウンド処理によるサラウンドサウンドモードで完全な没入感のある音の風景を生み出します。オーディオファンにとってうれしいことに、アストンマーティンのオーディオパートナーであるBowers & Wilkinsと共同開発したシステムもオプションで用意されています。DBX Sの車内スペースと形状に合わせて音響設計されたこの格別なシステムは、評判の高いBowers & Wilkinsの世界一流のスピーカーの技術とイノベーションを活用し、アルミニウム製ダブルドームツイーターとContinuum®ミッドレンジスピーカーが、23台のスピーカーで構成されるダブルアンプの1,600Wサラウンドサウンドシステムで、バランスの取れた正確なサウンドを実現します。専用の3Dヘッドライナースピーカー、低音用スピーカー、強力なサブウーファーが、DBX Sの性格を反映したパワフルでダイナミックなサウンドを生み出します。
「S」は長年アストンマーティンに関連付けられてきました。DBX Sは、より高いパワーとパフォーマンスの軽量バリアントが、今もアストンマーティンの歴史の一部であり、今後もそうであり続けることを証明しています。DBX Sは現在オーダーを受け付け中で、デリバリーは2025年第4四半期を予定しています。
こちらのプレスリリースに関する素材は、下記よりダウンロード可能です。
https://we.tl/t-5DgbXhu9rG
Notes to Editors:
DBX Sは、モデル名の末尾に「S」を付けることで既存モデルの特別ハイパフォーマンス仕様バージョンを示すアストンマーティンの長年の伝統を受け継いでいます。第一弾は2004年パリ・モーターショーで一般公開されたVanquish Sで、当初Vanquishと共に販売されました。2011年には出力アップとよりスポーティーなサスペンション設定、そしてSportshift II AMTの標準装備を目玉としてV8 Vantage Sが登場し、2013年のV12 Vantage Sがそれに続きました。2015年、大幅に更新された強力なエンジンを搭載するRapide Sが登場してRapide全体を置き換え、2016年にはVanquish Sが登場しました。また、1967年から始まり、2007年、2018年と3世代にわたってアストンマーティンのフラッグシップとなったDBSも忘れることはできません。
戦後初めて国際的に成功を収めたアストンマーティンの1953年のレーシングカーがDB3Sという名前であったのは偶然ではありません。スポーツカー世界選手権でアストンマーティンに初の勝利をもたらし、1950年代にル・マンで3度も2位に入ったDB3Sも、その元となったDB3より軽くパワフルで、外観もグレードアップされていました。
アストンマーティン・ラゴンダについて
アストンマーティンは、世界でもっとも熱望されるウルトラ・ラグジュアリー・ブリティッシュ・ブランドとなることを目指し、人々を魅了してやまないハイパフォーマンス・カーを作っています。
ライオネル・マーティンとロバート・バンフォードによって1913年に設立されたアストンマーティンは、スタイル、ラグジュアリー、パフォーマンス、エクスクルーシブネスを象徴するグローバル・ブランドとして知られています。アストンマーティンは、最先端のテクノロジー、卓越したクラフトマンシップ、美しいスタイルを融合させ、Vantage、DB12、Vanquish、DBX707に加え、同社初のハイパーカーであるValkyrieなど、高い評価を得ている一連のラグジュアリー・モデルを生み出しています。また、Racing. Green.サステナビリティ戦略に沿って、アストンマーティンは2025年から2030年にかけて、PHEVとBEVを含むブレンドドライブトレインアプローチによる内燃エンジンの代替システムの開発にも取り組んでおり、電気自動車のスポーツカーとSUVのラインナップを持つという明確なプランを描いています。
英国のゲイドンを拠点とするアストンマーティン・ラゴンダは、ラグジュアリー・カーを設計、製造、輸出し、世界で50以上もの国で販売しています。スポーツカー・ラインナップはゲイドンで製造されており、ラグジュアリーSUVのDBXは、ウェールズのセント・アサンで製造されています。同社は、2030年までに製造施設をネットゼロにする目標を掲げています。
ラゴンダは1899年に設立され、1947年にアストンマーティンとともに故デビッド・ブラウン卿に買収され、現在は「Aston Martin Lagonda Global Holdings plc」としてロンドン証券取引所に上場しています。
2020年には、ローレンス・ストロールが同社のエグゼクティブ・チェアマンに就任し、未来の重要な分野に対して新たな投資を行うと同時に、アストンマーティン・アラムコ・フォーミュラ1®チームとともにモータースポーツの頂点へと復帰し、英国を象徴するブランドとして新たな時代へと乗り出しています。