SASのAIとEpic Gamesのエンジンで、
Georgia-Pacificをはじめとする製造業の業務改善を支援
データとAIのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(以下、SAS)は、SASの強力なAIと高度な分析機能にEpic GamesのUnreal Engine (以下、UE)を組み込んだデジタルツイン(
https://www.sas.com/en_us/industry/manufacturing/solution/digital-twins.html )により、製造業における重要なプロセスの改革を支援しています。このデジタルツインにより、Georgia-Pacific(以下、GP) をはじめとするメーカーは、仮想空間上で新しい戦略をシミュレーションした上で、最適なアプローチを選定し、実世界での実行に移すことができます。
今日の工場では、複数のシステムや数千台ものセンサーから大量のデータが日々生成されています。これらのデータを適切に活用することで、業務の最適化や、かつてないレベルの効率・生産性の向上、イノベーションが可能になります。
Georgia-Pacificにおけるデジタルツインの活用
紙製品や木材建材における世界有数のメーカーであるGPは、ナプキンやペーパータオル、トイレットペーパーを製造するSavannah River工場において、高度なデジタルツインの実証実験を進めています。GPではSASのテクノロジーを活用し、自動搬送車(AGV)やその他プロセスの最適化を進めています。
GPのAIおよび製品担当バイスプレジデントのロシャン・シャー(Roshan Shah)氏は、次のように述べています。「SASとUnreal Engineにより、工場の稼働状況をリアルに再現したシミュレーションが行えます。例えば、自動搬送車(AGV)が工場内を移動しながら、接近警報や障害物、稀に発生するトラブルなどにリアルタイムで対応する様子を確認できます。SASのデジタルツインによる高度なシミュレーションと分析により、Savannah River工場での作業効率や生産性は向上しています。将来的には、他の施設においても同様に生産性、安全性、効率性の向上が期待できます」
SASは、Epicが開発したモバイルアプリのRealityScanを活用し、GPのSavannah工場の3Dレンダリング画像を撮影し、UEにインポートしました。UEにSASの分析機能を統合することで、GPは実際の生産ラインを停止することなく、工場の動きのシミュレーションを実施し、効率よく改善点を抽出できます。試験導入では、コスト削減と製品の品質向上が期待されています。
デジタルツインを支える技術
Epic GamesのUnreal Engine担当バイスプレジデント兼ゼネラルマネージャーのビル・クリフォード(Bill Clifford)氏は、次のように述べています。「SASの高度な分析技術とUnreal Engineを活用することで、デジタルツインがビジネスにもたらす価値を示してくれました。SASはメーカーに対して、複雑なデータや自動化システムを3Dレンダリング画像を通して、可視化した環境の提供を試みています。これにより、よりリアルでインタラクティブなデジタルツインを手軽に導入できるようになり、現場の効率化やリアルタイムでの状況把握、さらにはコストの削減にもつながります」
SAS® Viya®(
https://www.sas.com/ja_jp/software/viya.html )をはじめとするSASのソフトウェアは、工場のシステムやセンサーから生成される大量のデータを分析し、有益なインサイトやより良い意思決定をサポートします。一部のSAS製品では、SAS Viyaの最適化機能とUEのシミュレーション機能を接続することができます。SAS Viyaの機能をデジタル環境に組み込むことで、ユーザーはリアルなシミュレーションをもとに、最適な解決策を導き出すことができます。実環境で解決策をテストした場合、時間とコストがかかりますが、高度なデジタルツインを使用することで、見落とされがちな問題点も事前に把握でき、時間やコストの節約につながります。
UEは世界で最もオープンかつ高度なリアルタイム3D作成ツールであり、開発者やクリエイターはインタラクティブな3D体験を構築できます。Epicは、大人気ゲームのFortniteの運営も行っており、最新のUEレンダリング技術を、世界最大規模を誇るゲーム環境で試しながら進化させています。同技術は、ゲームのみならず、映画、テレビ、建築、自動車、シミュレーションなど幅広い業界で活用されています。
Unrealの物理シミュレーションの精度や次世代のライティング、屈折表現などの効果により、非常に精緻でリアルなデジタルモデルを作成できます。これらの機能を活用することで、メーカーはデジタル環境において業務を視覚化、相互作用が可能となり、さらに高度なAIと組みあわせることで、より正確な予測と質の高い意思決定が可能になります。
製造現場の枠を超えて
SASの最高技術責任者(CTO)のブライアン・ハリス(Bryan Harris)は、次のように述べています。「メーカーでは、次世代の労働者を採用するにあたり、データやAIの活用をより分かりやすく、魅力的なものにする必要があります。ゲームに慣れ親しんだ世代にとって、グラフや表をもとにするよりも、ゲームのようにリアルに体験できる形でビジネスに関わる方が理解しやすく、ゲーム・テクノロジーは重要な手段の1つになります。ビジネスのプロセスやタスクにゲームの要素を加えることで、反復作業が減り、より楽しくなることから、生産性と収益の向上につながります」
SASが提供する高度なデジタルツインとUEを活用することで、職種や経験の異なる幅広い層の人々が、高度な分析をより身近なものとして活用できます。データサイエンティストや定量分析の専門家だけでなく、現場の作業員や機械操作担当、エンジニアなどもデータとAIを活用できるようになります。
SASは、この機能をさらに多くのメーカーに展開するとともに、他の業界へのデジタルツインの応用を検討しています。
例えば、医療業界では高度なデジタルツインによって、患者の導線のシミュレーションと最適化、医療機器のメンテナンスの予測、スタッフのトレーニング強化を行い、治療成果の向上、運用コストの削減、資源の有効活用につながります。また、都市計画では、スマートシティ開発のモデル化・最適化を行うことで、より持続可能な住みやすい都市環境の実現に貢献します。
本発表は、ビジネスリーダー、技術者、SASパートナー向けのデータおよびAIのSAS年次イベントであるSAS Innovate(2025年5月6日‐9日、フロリダ州オーランド)(
https://www.sas.com/en/events/sas-innovate.html )において行われました。
SASの最新ニュースはsas.com/news(
https://www.sas.com/ja_jp/news.html )でご覧いただけます。また、LinkedIn(
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https://x.com/SASsoftwareNews )でも情報を発信しています。
*2025年5月7日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース(
https://www.sas.com/en_us/news/press-releases/2025/may/enhanced-digital-twins.html )の抄訳です。本プレスリリースの正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SASについて
SASはデータとAIのリーディング・カンパニーです。SASの革新的なソフトウェアと業界特化型のソリューションが、世界中のお客様にデータを信頼できる意思決定に変換するパワーを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。