日本女子大学(東京都文京区、学長:篠原聡子)の有志学生が史料調査に携わった東京都板橋区中台にある延命寺(以下、中台延命寺)が所蔵する「中台延命寺所蔵大般若経 附旧経櫃・経箱」が2025年2月14日(金)付で板橋区有形文化財に登録され、2025年5月21日(水)には中台延命寺の大塚龍雅(おおつかりゅうが)住職へ文化財登録書の授与が行われました。
本調査は、地域社会との連携を通じた学びと貢献を目的とした本学の社会連携教育センターによる社会連携事業「中台延命寺所蔵史料調査および調書作成ボランティア」として実施され、2023年10月から2024年3月にかけて有志学生40名が中台延命寺に赴き、調書作成、写真撮影、データベースの入力・作成などを丹念に進め600巻におよぶ大般若経と旧箱の調査を行いました。
中台延命寺の大般若経は、江戸時代に中台村およびその周辺地域の人々によって奉納されたもので、当時の信仰や地域社会のあり方を知るうえで大変貴重な史料です。今回の取り組みは、文理の垣根を越えた多様な学部の学生が前近代の原本史料に触れ、自ら調書を作成することで文化財の調査研究、指定・登録、保護に携わる貴重な機会となりました。
今後も日本女子大学は、文理融合の総合大学としての強みを生かし、実践的な教育と研究を通じて、地域社会との連携を推進していきます。
■「中台延命寺所蔵史料調査および調書作成ボランティア」について
本事業は、中台延命寺の大塚住職と本学文学部史学科の卒業生で板橋区教育委員会の生涯学習課文化財係の神子美涼(かみこみすず)学芸員、そして本学社会連携教育センターの藤井雅子(ふじいまさこ)所長(文学部史学科教授)が連携することで実現しました。京都の醍醐寺などでも寺院調査の実績がある藤井所長に、板橋区から調査協力の依頼があり、板橋区や大塚住職にご理解をいただき学生もボランティアとして調査に参加させていただきました。参加学生は、史学科を中心に、児童学科、被服学科、日本文学科、社会福祉学科、教育学科、文化学科、数物情報科学科、化学生命科学科と多様な学科に所属しており、学部横断的な学びの場にもなりました。
■日本女子大学 社会連携教育センター 藤井雅子所長(文学部史学科教授) コメント
中台延命寺の「大般若経」600巻の調査では、学生は事前レクチャーでの注意に従い、丁寧に史料を取り扱い、調査を行っていました。調査の成果として、江戸時代の信仰を解き明かすことができたことはもちろん、社会連携や地域への貢献を果たすことができたことを大変うれしく思っております。そして今回、板橋区の有形文化財に登録されることが叶ったのは、本学学生に調査の機会を与えていただいた大塚龍雅ご住職様、全面的に調査の準備や運営を行ってくださった板橋区教育委員会の神子美涼様のお陰であり、心より感謝を申し上げたいと思います。
■日本女子大学の社会連携について
日本女子大学では創立以来、学生、卒業生、教職員による多種多様な社会貢献の先駆的取り組みを行ってきました。本学の過去から積み上げた地域連携・社会貢献の実績、強みを生かしながら、社会連携教育活動を全学的に推進し社会に発信する専門機関として、2020年4月に社会連携教育センターが設置されました。
社会連携教育センターは、日本女子大学の教育理念である三綱領「信念徹底」「自発創生」 「共同奉仕」に則り、本学の学生・生徒や教職員、卒業生などによる人的資源および知的資源をもって、学外の教育研究機関、企業その他の団体、地域社会等との連携を推進する全学的組織として、各分野の教職員・学生の参画により社会に貢献することを目的としています。
【参照リンク】
板橋区登録有形文化財「中台延命寺所蔵大般若経 附旧経櫃・経箱」(典籍)概要
https://www.city.itabashi.tokyo.jp/bunka/bunkazi/bunkazai/1056891.html
中台延命寺
https://www.facebook.com/people/板橋区-中台-延命寺/100064721737720/?sk=about
日本女子大学社会連携教育センター
https://www.jwu.ac.jp/unv/about/facilities/jecsc/jecsc.html
日本女子大学文学部史学科(2026年より「歴史文化学科」へ名称変更)
https://www.jwu.ac.jp/unv/academics/humanities/history/index.html
学生たちの力で「大般若経」を板橋区の文化財に!(日本女子大学HP内 JWU TIMES記事)
https://www.jwu.ac.jp/unv/jwu_times/2024_0131_01.html
学生たちによる大般若経600巻の史料調査が完了!(日本女子大学HP内 JWU TIMES記事)
https://www.jwu.ac.jp/unv/jwu_times/2024_0410_01.html
【日本女子大学について】
日本女子大学は、日本初の組織的な女子高等教育機関として創立し、2021年に120周年を迎えました。私立女子大学唯一の理学部を有し、文理融合の教育環境をもつ女子総合大学です。「私が動く、世界がひらく。」のタグラインのもと、自ら学び、自ら行動し、新しい価値を創造できる人材を育てています。昨年度は「建築デザイン学部」を開設し、今年度には「食科学部」を開設しました。さらに2026年度に文学部2学科の名称変更を予定し、2027年度には「経済学部(仮称)」の開設(構想中)と、継続して大学改革を進めていきます。詳しくは、
https://www.jwu.ac.jp をご覧ください。
▼本件に関する問い合わせ先
学校法人 日本女子大学 法人企画部 広報課
住所:〒112-8681 東京都文京区目白台2-8-1
TEL:03-5981-3163
メール:n-pr@atlas.jwu.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター
https://www.u-presscenter.jp/