日本板硝子株式会社(本社:東京都港区、代表執行役社長兼CEO:細沼 宗浩、以下「NSG」)は、2023年 4月21日公表「英国でフロート板ガラスと型板ガラス共用の溶融窯への投資を決定」にてお知らせした通り、英国内で型板ガラス製造ラインの移設工事を実施していましたが今般稼働を開始したことをお知らせします。
当社グループのPilkington United Kingdom Limited社(英国、以下「ピルキントンUK社」)は、英国における型板ガラス生産を今後も継続すべく、英国政府の助成金も得てグリーンゲート事業所(同国セントヘレンズ)のフロートガラス製造ラインと窯を共用する新しい型板ガラス製造ラインを建設しました。
本ラインでは、移設前と同様に21種類のオリジナルデザインのパターンを持つ「Pilkington Texture Glass」シリーズが生産され、プライバシー保護や装飾用などの内装用ガラスとして使用されます。同シリーズの生産は、200年にわたるガラス製造のパイオニアとして昨年操業停止となった近隣のワトソン・ストリート事業所から今般生産を開始したグリーンゲート事業所へ引き継がれました。
ピルキントンUK社は、型板ガラスの生産窯をグリーンゲート事業所の既存のフロート窯に集約することにより、年間15,000トンのCO2排出削減が可能になります。この削減量は、約8,800台の乗用車が英国で1年間に排出する量に相当します。
閉鎖されたワトソン・ストリート事業所の敷地については、セントへレンズ地域の評議会が再開発計画を進めており、ピルキントンUK社はその協議に協力しています。
本投資にあたっては、英国の産業エネルギー効率と脱炭素化プロジェクトを支援する政府の産業エネルギー変革基金(IEFT)を介して3.7百万ポンドの助成金を受けました。
グリーンゲート事業所はグローバルにガラス製造の未来を開拓し続けています。近年では、水素燃料での世界初の実証実験など、数多くの成果を生み出しており、今般の型板ガラス製造ラインの同事業所への移転についても、ガラス製造業におけるCO2排出量削減の重要なマイルストーンを達成しています。
NSGグループは、2030年までに温室効果ガス排出量を2018年比で30%削減する目標を設定し、SBTイニシアティブ(SBTi) に認定されています。あわせて2050年までにカーボンニュートラルを達成することを目指しています。
これらの取り組みにより、事業の脱炭素に向けた活動を加速させ、サステナブルな社会の実現に努めてまいります。
以 上
*15,000トンのCO2の炭素節約と、英国の自動車1台あたりの年間平均CO2排出量170万グラムに基づく。(NimbleFins調べ)
ピルキントンUKUK社 マネージングディレクター、ニール・サイダーのコメント
「ピルキントンの型板ガラスは、1852年以来セントヘレンズで製造されており、この新しい型板ガラス製造ラインによりその伝統を継承できることを誇りに思います。これは、型板ガラス製造の未来を確保するだけでなく、この製品のカーボンフットプリントを大幅に削減するという点でも、重要な一歩を示しました。
新ラインの建設にあたっては、エンジニアリングも大きな貢献がありました。当社のチームは稼働中のフロートガラスの窯の側面に新たな出口を作り、既存のフロートガラス製造ラインからガラスを別棟にある新しい型板ガラスラインに流す通路を作る必要がありました。
この工事により、1つの窯ですべてのガラスの製造ができるようになり、年間15,000トンのCO2排出量の削減が可能となります。
今回のグリーンゲート事業所への投資によって、約200年にわたるガラス製造の伝統と革新性を基盤に、脱炭素化に伴うガラス業界のニーズ変化に対応できる体制を整えています。」
NSGグループ(日本板硝子株式会社およびそのグループ会社)について
NSGグループは、建築および自動車用ガラスとクリエイティブ・テクノロジー分野で事業を展開する世界最大のガラスメーカーのひとつです。
建築用ガラス事業は、各種建築用ガラス、太陽電池パネル用ガラス等を製造・販売しています。
自動車用ガラス事業は、新車用(OE)ガラスや補修用(AGR)ガラスの分野で事業を展開しています。
クリエイティブ・テクノロジー事業の主要製品は、プリンターやスキャナーに用いられるレンズ、タイミングベルトの補強材であるグラスコードを中心とした特殊ガラス繊維やガラスフレーク、およびファインガラスです。
NSGグループの持続可能性目標について
NSGグループは、2019年に取得したSBT認証を2021年に見直し、2030年までのCO2の排出削減目標を2018年対比30%に引き上げた上で、2050年までのカーボンニュートラル達成にコミットし、この実現を目指しています。この新たな目標は、2022年5月にSBTiに認定されており、将来のカーボンニュートラルの達成に向けた、サステナブルな社会の実現に向け様々な活動を推進しています。
サステナビリティ活動の取り組みについて:https://www.nsg.co.jp/ja-jp/sustainability