清泉女子大学(東京都品川区)は7月8日、「ビブリオバトル」の決勝戦を開催した。これは、司書課程科目「図書館情報学概論」(担当:新居池津子専任講師)と同大図書館の連携の一環として行われたもの。2グループに分かれて学生らがそれぞれのおすすめ本を紹介し、『儚い羊たちの祝宴』(著:米澤穂信)と『黒魔女コンテスト』(作:エヴァ・イボットソン/訳:三辺律子)が「チャンプ本」として選ばれた。
ビブリオバトルとは、発表者(バトラー)が面白いと思った本の内容や魅力を紹介する「書評合戦」。発表後には参加者全員で発表についてのディスカッションを行い、投票で一番読みたくなった「チャンプ本」を決定する。
清泉女子大学でのビブリオバトルは、司書課程科目「図書館情報学概論(1)グループ」「図書館情報学概論(2)グループ」の授業で行われたもの。前週の授業内で予選が行われ、7月8日の決勝では第1グループ3冊(『儚い羊たちの祝宴』(著:米澤穂信)/『光のとこにいてね』(著:一穂ミチ)/『ハリー・ポッターと賢者の石』(作:J.K.ローリング/訳:松岡佑子))、第2グループ3冊(『ヴンダーカンマー』(著:星月渉)/『ミルリトン探偵局シリーズ1 夜に猫が身をひそめるところ: Think』(著:吉田音)/『黒魔女コンテスト』(作:エヴァ・イボットソン/訳:三辺律子)が紹介された。
当日は、同大の教職員や学生らが見守る中、バトラーらはそれぞれのおすすめを紹介。予選を勝ち抜いた猛者揃いだけあり、いずれの発表も、本の内容や見どころが伝わってくる素晴らしいものだった。発表後は参加者から質問が活発に飛び交い、その質問にバトラーが答えることで、本の魅力が伝わり、参加者はどの本に投票するか大いに悩んでいた。
その後投票が行われ、その結果、第1グループは『儚い羊たちの祝宴』、第2グループでは『黒魔女コンテスト』が「チャンプ本」に選出された。
【学生の感想】
・図書館は本を読む場所、貸し借りする場所というだけでなく、本を通じて人とつながる場所だと改めて感じました。本を通じて考えを共有し合えるこの活動は、とても良い経験になりました。自分が読んだことのある本が紹介されたとき、『そこに注目するんだ。』と新たな発見があり、同じ本でも違う視点でも楽しめると実感しました。
・好きな本のどこが好きなのか、どんなふうに好きなのかを人に話すのは思ったより難しいなと感じました。好きなだけではダメで、聞く側が何を知っていて何を知らないのかを考えて話さなければいけないので、そこを物語の中で語られるような魅力を削がずにいかに伝えるのかを意識しなくてはいけないなと改めて考えました。自分が薦めた本には5分では絶対に語りきれない魅力があるので、気になった人がもし一人でもいたら嬉しいです。
・誰かのおすすめの図書について新しく知ることができ、とても貴重な機会だと思いました。紹介も、他の人による質問も、自分にはなかった視点もあり、興味深かったです。おすすめの図書の紹介に加えて、他の人の質問や、自身での質問で、より深い情報も知ることができます。本がもっと読みたくなるイベントだと思います。ただ発表を聞いているだけでなく、質問ができる参加型のイベントであることで、集中することができると考えました。
・準決勝からさらにアップデートされた発表に、圧倒されたと同時に私自身にとってもとても良い学びとなりました。そして今回のビブリオバトルを通して、改めて読書の楽しさを実感することができたと思います。本の魅力を他者に伝えることの難しさと、ただ本の内容を羅列するのではく、それを読んでどのように考えたのか、印象を受けたのか、自分の言葉として相手に伝えることの難しさをひしひしと感じました。発表者の方々の、発表内容はもちろん、5分間という時間を目一杯使った完璧な時間配分に、今日の発表までにどれだけの練習を積み重ねてきたのか実感させられました。また、今日のために様々な準備をしてくださった司書の皆さんに感謝しています。
(参考:清泉女子大学公式サイト内)
・「ビブリオバトル」決勝戦を開催
https://www.seisen-u.ac.jp/news/nid00002325.html
・ビブリオバトル開催のお知らせ
https://www.seisen-u.ac.jp/news/nid00002312.html
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