【調査レポート】PwC、年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック 2025-2029」を発表

2025年11月06日
PwC Japanグループ

【調査レポート】
PwC、年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック
2025-2029」を発表

―広告、ライブイベント、ビデオゲームがけん引し、2029年までに世界のエンタテイメント・
メディア業界の収益は3兆5000億米ドルに達する見込み―


※以下の内容は、2025年7月24日にPwCが発表したプレスリリース(https://www.pwc.com/gx/en/news-room/press-releases/2025/pwc-global-entertainment-media-outlook.html)の翻訳です。翻訳には正確を期していますが、英語版と解釈の相違がある場合は、英語版に依拠してください。

調査結果はこちら
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/outlook.html
  • AIが広告のビジネスモデルを変革し、高度に発展したパーソナライゼーションを促進することにより、広告収入の年平均成長率は、エンタテイメント&メディア(以下「E&M」)の消費者支出の成長率(2%)の3倍に当たる6.1%となる見込み。
  • 音楽ライブ、映画、イベントなどの非デジタル分野は、引き続き個人消費カテゴリーの収益をけん引しており、2024年にはその61%を占めている。
  • 各国において、自国で制作された映画の需要の高まりに伴い、世界の映画興行収入は2024年の330億米ドルから2029年には420億米ドルに増加する見通し。
  • 世界のビデオゲームの収益は、2024年の2,240億米ドルから2029年には3,000億米ドルに増加すると予測されており、映画・音楽業界合計の収益を上回る。
PwCの年次調査「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック2025-2029」によると、世界のE&M業界は、2024年の収益が3兆米ドルに迫り、あらゆるプラットフォームでの広告費の急増を背景に、2029年には3兆5000億米ドルに達すると予測されています。

E&M業界は、2029年まで年平均成長率(CAGR)3.7%で成長すると予測されています。これは予測される世界経済の平均成長率を上回る一方で、新型コロナウイルス感染症のパンデミック前の高水準を下回ります。2029年までの予測期間を通じて、各国内および国際的な競争激化による経済の不確実性や消費者支出の低迷が、E&M業界の成長に重くのしかかると予想されます。

PwC 米国のグローバル エンタテイメント&メディアのリーダーであるBart Spiegelは次のように述べています。
「E&M業界は、広範な経済の不確実性と消費者支出の抑制の影響を受け続けていますが、その中で広告はE&M業界における収益成長の原動力となっています。この傾向は、AIが配信モデルを変革し、コンテンツ制作を民主化し、厳選されたコンテンツ体験を提供し、参入障壁を低減することで、継続すると予想されます。E&M業界は、常に技術革新の最前線に立ってきましたが、創造性とカスタマイズされたコンテンツが評価されるエコシステムにおいて、企業は、未来を受け入れ、消費者を満足させるために、機敏で積極的な姿勢を保つ必要があります」

AIが広告のビジネスモデルを変革し、広告がE&M業界の収益成長の原動力に
業界の競争が激化し、特に成熟市場において消費者支出が抑制される中、有料またはサブスクリプションモデルの商品の成長が鈍化しており、広告はE&M業界全体の収益成長の大きな原動力になると予測されています。

主要な3つのE&Mカテゴリー(コネクティビティ、広告、個人消費)のうち、広告カテゴリーは最も急速に成長すると予想されており、これは個人消費カテゴリー(2%)の3倍の年平均成長率(6.1%)になります。

今後5年間で最も急速に成長すると予測されているE&Mの収益指標は全て広告に関連するものであり、リテールメディア(15%)、ソーシャルメディアやモバイルアプリでのストリーミング広告(15%)、コネクテッドTVのインストリーム広告(14%)が挙げられます。2024年の広告収入全体の72%を占めるデジタル広告は、2029年には80%にまで上昇し、AIや高度に発展したパーソナライゼーションなどの新技術がこれをさらに増加させることが見込まれます。高成長分野としては、eコマースにおけるリテール検索広告(2020年の32.7%から2029年に45.5%へ上昇)、ゲーム内広告(2024年の32.8%から2029年に38.5%へ上昇)が挙げられます。

AIはE&M業界に多くの点で影響を与えています。中でも収益の成長が見込まれる分野の1つが、コネクテッドTV(インターネットに接続して動画コンテンツを視聴できるテレビ)です。コネクテッドTV広告収入は、2020年には従来のTV広告の総額のわずか5.9%でしたが、2024年には、22%に跳ね上がっています。デジタルエンゲージメントの向上と、AIを利用した高度なパーソナライゼーションの進展により利用者数が伸びれば、コネクテッドTVの広告収入は、2029年には510億米ドルに増加し、従来のTV広告の45%に相当する規模になると見込まれます。

現在の最大のカテゴリーであるコネクティビティの2029年の支出は1兆3000億米ドルに達し、年平均成長率は2.8%であり、主にモバイルインターネットサービス収入によってけん引されています。一方、広告カテゴリーの成長率は著しく、2029年までにコネクティビティと広告の差は急速に縮まる見通しです。

ライブ音楽、イベント、映画の興行収入などの非デジタル収益が消費者支出をけん引
消費者は、オンラインで自由時間を過ごすことが増えているものの、消費の多くは依然としてオフラインです。2024年には、非デジタル分野が個人消費カテゴリーの収益の61%を占めており、この傾向は予測期間を通じて継続する見込みです。

世界の映画興行収入は2024年の330億米ドルから2029年には415億米ドルに増加する見通しですが、消費者の嗜好は自国で制作された作品に移行し続けています。世界的にみると、米国の上位5スタジオの市場シェアは、パンデミック前の60%以上から2024年には51%にまで落ち込んでいます。

ビデオゲームは引き続きE&M業界の光
世界のビデオゲーム業界は引き続きE&M成長のエンジンであり、その市場規模は映画・音楽業界の合算を上回っています。2024年の総収益は2,240億米ドルで、年平均5.7%成長し、2029年には約3,000億米ドルに成長すると予測されます。

新興国市場がE&M業界の成長率をリード
コネクティビティ収入(例えば、モバイルサービスのサブスクリプション)を除くと、米国は収益規模で世界最大のE&M市場であるものの、2029年までの年平均成長率は3.8%と予測されており、世界平均の4.2%を下回っています。一方で、2番目に大きな市場である中国のE&M収益は、年平均成長率8.9%のインターネット広告セグメントにけん引され年平均6.1%の成長を見込んでいます。世界で最も急速な成長を遂げている市場は、引き続きインドやインドネシアを含む新興国市場であり、いずれも年平均成長率は7.5%を超えています。インドでは、インターネットの普及拡大、5G接続性の向上、SNSやショート動画の人気などにより、年平均15.9%で成長する見込みです。

PwC中国のグローバルテクノロジー・メディア・テレコムインダストリーのリーダーであるWilson Chowは次のように述べています。
「消費者は、これまでになく多様なエンタメサービスを選べますが、競争の激化、経済の不確実性、コストの上昇が相まって、消費者支出の成長が停滞しています。エンタテイメント&メディア企業が、新しいオーディエンスを獲得し、成長を生み出すには、自らが運営するコネクテッド・エコシステムに広告とAIの力を活用することを考える必要があります。そして、それらを組み合わせることにより、より低コストでパーソナライズされたコンテンツ制作やエンゲージメントモデルの構築が可能になります」

PwC「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック 2025-2029」について
PwCの「グローバル エンタテイメント&メディア アウトルック」は、E&M業界を対象とした年次報告書です。今年は、モーリシャスとオセアニアを報告地域として含めることで、そのカバレッジを拡大しています。北米、西欧、中欧、中東・アフリカ、中南米、アジア太平洋地域の53の国と地域が含まれています。「その他中東・北アフリカ」グループはアルジェリア、バーレーン、ヨルダン、クウェート、レバノン、モロッコ、オマーン、カタールで構成されます。これら53の国と地域は世界人口の約74%を占め、全て国と地域を合算したものが「合計」の推定値となります。予測プロセスには業界団体や政府機関などの公開された情報源から取集した正確かつ包括的なデータを使用しており、直接使用する場合には出典を記載しています。また、これらを補うために、業界団体、規制当局、主要な市場関係者のインタビューなどを通じて、独自の洞察を行っています。このようなデータを組み合わせることで、予測を構築するための強固な基盤を確保しています。

以上


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この企業の情報

組織名
PwC Japanグループ
ホームページ
https://www.pwc.com/jp/ja/
代表者
久保田 正崇
資本金
1,000 万円
上場
非上場
所在地
〒100-0004 東京都千代田区大手町1‐1‐1大手町パークビルディング
連絡先
03-6212-6810

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