「情報を持ち出した理由は何ですか?」という質問に対しては、「転職先で業務に活用するため」が29.8%で最多の回答となっており、次いで「仕事の引き継ぎが不十分で必要と判断したため」が28.1%となりました。
対照的に、「違法・不正とは思わなかったため(誤った認識による)」が3.51%で最少となりました。
3. ルール徹底企業でも防げぬ情報持ち出し
「前職では、情報持ち出しに関するルールや対策は実施されていましたか?」という質問に対しては、「知らない、もしくは覚えていない」という回答が34.7%で最多となりました。
一方で、「社内規則として明確に定められており、運用もされていた」という回答も30.7%と、二番目に多い回答となっています。
「社内規則として明確に定められており、運用もされていた」と回答した人の内訳を見ると、17.4%の人が情報を持ち出した経験があると回答しており、社内規則が定められている企業においても、情報持ち出しが発生していることが分かります。
▶資料(PDF)のダウンロードはこちら
https://eltes-solution.jp/whitepaper/infojob-report
■総括
今回のアンケートから、転職経験者の約5人に1人が、転職時に前職の情報を持ち出した経験があることが分かりました。情報持ち出し件数の多さもさることながら、1人で複数の情報を持ち出すケースも少なくないという実態もあわせて明らかになっています。
こうした情報持ち出しの多くは、明確な意図をもって行われており、会社のルールを誤って認識していた、つまり、意図しない情報持ち出しは少ない傾向でした。
また、誤った認識で情報を持ち出してしまった人は、全員が当該情報を使用せずに削除(廃棄)していたのに対し、意図的に情報を持ち出した人は、当該情報を使用せずに削除(廃棄)したケースは非常に少なく、転職後・独立後に実際に活用していたケースが多いことも明らかになりました。
さらに、前職の社内規則の認知状況の調査結果から、そもそも社内の情報管理に関するルールや対策を十分に把握していない人が多いということが分かりました。このことから、情報持ち出し対策の第一歩として、社内での情報の取り扱いの明文化、および社員への浸透が必要不可欠であると言えます。
また、ルールが明確に定められ、適切に運用されている企業だとしても情報が持ち出されるリスクは存在するため、従業員一人ひとりの意識に依存した抑止策だけに頼らない、技術的・組織的な対策の必要性が浮き彫りとなりました。
■調査概要
名称:転職時の情報管理に関するアンケート
対象期間:2025年10月24日
対象:21〜60歳の男女のうち、事前スクリーニング調査にて「就職/転職活動の経験がある」と回答した方
有効回答者数:300名
方法:インターネットリサーチ
※本調査を引用いただく場合は、「株式会社エルテス調べ」とご記載ください。
※各グラフについては、収集データを元にエルテスが作成しています。
■Internal Risk Intelligence(内部脅威検知サービス)について
IT資産管理ツールやグループウェアのログデータをもとに、単なるログ管理ではなく、ログプロファイリング(ログデータを元に、ユーザーの行動意図を分析・推測して怪しい行為を抽出)をおこなうマネージドサービスです。具体的には、他のユーザーや普段の行動と比較した異常ユーザーの検知や、職域を超えた重要情報への接触などから、営業秘密の持ち出しの検知などが可能です。翌営業日には分析を完了し、タイムリーにリスクを把握することが強みとなっています。
転職市場の拡大、テレワークなど働き方の多様化、経済安全保障リスクの高まりを背景に、大手製造業、金融機関を中心に幅広い業種での導入が進んでおり、株式会社アイ・ティ・アールが提供する調査レポート「ITR Market View:エンドポイント・セキュリティ対策型/情報漏洩対策型SOCサービス市場2025」において、IRIがUEBA運用監視サービス市場シェア№1を獲得しました(※1)。類似製品に外国産の製品はいくつかありますが、国産の内部脅威検知の専業サービスが他にないこともあり、日本を代表する大企業からもご支持いただいております。
サービス詳細ページ:
https://eltes-solution.jp/service/internalriskintelligence
<参考情報>
※1 出典:ITR「ITR Market View:エンドポイント・セキュリティ対策型/情報漏洩対策型SOCサービス市場 2025」UEBA運用監視サービス市場:ベンダー別売上金額シェア(2024年度)