新日鉄が開発した基礎構造向け鋼矢板が鉄道総研での支持力性状評価を取得 ~鉄道基礎への利用に弾み~
- 新日本製鉄株式会社
- 2012年04月12日
- 13:51
新日本製鉄株式会社(社長:宗岡正二)が開発した基礎構造向け鋼矢板(先端加工鋼矢板)は、公益財団法人鉄道総合技術研究所での支持力性状評価を取得致しました。
従来、鋼矢板は河川護岸や掘削土留めなどに適用されてきました。鋼矢板では大きな支持力が発揮できないこと、また設計に用いるための支持力評価がなされていなかったことから、構造物を支持する基礎への適用は限定されていました。
先端加工鋼矢板は、端部に支持力確保のための閉塞断面を有しています。この閉塞断面は、短く切断した鋼矢板を向かい合わせで取り付けるのみで容易に形成できます。先端加工鋼矢板を地盤中に深く打ち込む際に閉塞断面内に土砂が詰まり、その断面部を支持層に到達させることで、従来の鋼矢板では不可能であった大きな支持力が発現します。また、先端加工鋼矢板の優れた施工性を活用することで、以下のメリットが享受できます。
(1) 施工工程の削減による工期短縮・建設コスト縮減
コンクリート杭基礎の施工では、杭の打設とは別にフーチング(基礎の底版部)造成用の仮設土留めを打設するため、二段階の工程が必要となります。先端加工鋼矢板では支持杭と仮設土留めを兼用するため工程が省略され、工期短縮及び建設コスト縮減が可能となります。
(2) 狭い場所での施工が可能
鋼矢板の打設には大きな施工機を必要としないため、都市部等の施工スペースの制約がある工事にも対応できます。
先端加工鋼矢板は、支持杭の機能をあわせ持つ新たな鋼矢板です。今回、支持力性状評価を取得したことを契機として、鉄道橋の基礎への適用を図っていきます。更に、道路・建築構造物の基礎への適用も進め、効果的な社会基盤整備に貢献していきます。
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