しかし、高校生以降は衣家事への参加率が変化し、「洗濯物を干す・とりこむ」工程を10年前と比較してみても大幅に上昇しているのが分かります。室内干しが増えたことで手伝いがよりしやすくなったことが要因の一つとして考えられます。
TOPIC6:<衣家事への意識>衣家事は頻度も高く負担が大きい。家族で協力しながら行いたい人が増加
衣家事に関わる生活意識として、「衣家事は効率よく早く終わらせたい」という意識に変化はなかったものの、「衣家事は家族で協力するべきだ」と考えている人は5ポイント増の70.4%に上昇しました。一方で、「衣家事は楽しい」と感じている人が約6ポイント減の33.3%という結果となりました。
●住生活研究をはじめとする住まいの専門家による“衣家事をより快適にするための住まい”のご提案
10年前と比較した今回の衣家事調査では、晴れた日でも室内干しをする人が増加し、特に若年層やフルタイム共働き世帯は半数以上という結果でした。また、洗濯する時間も、朝が減少し夜が増加するなど、衣家事の時間帯が分散していることも分かりました。今や衣家事は、天候の制約を受けず、ライフスタイルに沿った時間帯で実施できる家事となっています。
積水ハウスでは、衣家事をスムーズに進めるための空間設計や暮らしの工夫をご提案しています。今回は、「室内干し」について、負担軽減につながるような新たなスペースや動線の提案、効果的な空間づくりなどをご紹介します。
1)こまめに洗濯する時代、衣家事はもっと気軽に
コロナ禍を経て、洗濯・乾燥機の使用頻度は増加しました。これは、除菌を含む衛生意識の高まりも反映していると考えられます。洗濯・乾燥機はここ10年でAI化・多機能化が進み、少量から大容量まで一度に洗えるほか、コース分け機能で丁寧な洗濯も可能になりました。さらに、操作性が向上し、子どもでも扱える簡単な家電へと進化しています。
衣家事まわりの空間をより快適に整えることで、家族みんなで楽しくとりくめるようになります。毎日のように、場合によっては一日に何度も行う衣家事だからこそ、洗濯・乾燥機置き場の環境は重要です。従来は水回りに近い洗面室や脱衣室など、日差しの入らない裏空間に配置されることが多く、湿気や部屋の暗さで仕上がりが気になることも。
家族人数が多く洗濯頻度の高いご家庭こそ、明るい陽射しの入る空間への設置を検討してみませんか。理想としては、窓の近くや屋外への出入りが可能な「衣家事専用室」を設けること。専用室なら、時間や音、視線を気にせずに洗濯や室内干しがしやすく、衣類収納も備えれば「洗う・干す・しまう」の最短動線が完成します。
2)洗濯・乾燥機収納の採用
洗濯・乾燥機を、まるで収納家具のようにすっきり隠す設置方法があります。専用の室内干しスペースを設けるのが理想的ですが、それが難しい場合は、 キッチンに隣接した空間や、2階ホール、廊下の一角などに「洗濯コーナー」を設けるのも一案です。さらに、その空間にはちょっとしたテーブルや椅子、ベンチなど、くつろげる家具を配置することで、衣家事をより快適に行える環境が整いますよ。
3)泥汚れや汚物洗いに大助かり「スロップシンク」
子どもの乳幼児期や運動汚れの多い児童期、家族の高齢期などで、とても役立つお助け設備が「スロップシンク」です。泥つきのものの洗浄、上履き、運動靴、汚物洗いができる、深さのある専用シンクです。水撥ねが少なく、付け置き洗いも簡単です。汚れの強い洗い物の場所を、顔や歯磨きに使う洗面ボウルと分けることで、暮らしをより衛生的に保つことができます。庭やバルコニーなどの屋外に設けると、菜園や植木の水やりやメンテナンス、BBQ道具の洗いにも使えますよ。
ここ10年で衣類の品質や洗濯テクノロジーは発展し、衣家事のあり方は大きく変化しています。今後、衣類や家事家電はさらに時短・簡単な方向へ開発が進みます。特に衣家事の量が最も多くなる子育て期には、最新の機能的衣類やAI家電を積極的に取り入れることで、家事を楽しむようにしてみてはいかがでしょうか。
住生活研究をはじめとする住まいの専門家
積水ハウス株式会社 フェロー 河﨑由美子
1987年入社。高校入学までの12年間を海外で過ごした経験や子育て経験などを生かし、総合住宅研究所でキッズデザイン、ペット共生、収納、食空間など、日々の生活に密着した分野の研究開発全般に携わる。
執行役員、住生活研究所長を経て2023年4月より現職。一級建築士。
●調査概要
<「生活定点調査〈衣家事編〉(2025年)」調査概要>
■調査実施:積水ハウス 総合住宅研究所
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:
①居住地域:全国
②性別・年齢:男女 25~74歳
③本調査スクリーニング条件:衣家事に一定以上関与している人*
■回収数:スクリーニング調査:25,547件/本調査:2,000件
■実施期間:2025年10月03日(金)~2025年10月09日(木)
<「生活定点調査〈衣家事編〉(2015年)」調査概要>
■調査実施:積水ハウス 総合住宅研究所
■調査方法:インターネット調査
■調査対象:
①居住地域:全国
②性別・年齢:男女 25~69歳
③本調査スクリーニング条件:衣家事に一定以上関与している人*
■回収数:スクリーニング調査:29,541件/本調査:2,043件
■実施期間:2015年10月24日(土)~2015年10月26日(月)
*設問「あなたは衣家事にどの程度関与していますか。」に対して、「衣家事全体を担当する中心人物である」「自分のもの など、衣家事を部分的に担当している」「衣家事の中心人物ではないが、いつも積極的に手伝っている」と回答した人
<記事などでのご利用にあたって>
・引用元が「積水ハウス株式会社 総合住宅研究所」による調査である旨と、引用元調査「生活定点調査〈衣家事編〉(2025年/2015年)」の記載をお願いします。
・積水ハウス ウェブサイトの該当記事への下記リンク追加をお願いします。
https://www.sekisuihouse.co.jp/company/research/20260121/
<積水ハウスの住生活研究について>