with Blue :SDGs取組企業インタビュー Vol.3

「『水』から支える人々の日常 ~水インフラを支える先進的ろ過技術~」
(メタウォーター株式会社)

「with Blue」では、社会のサステナブルな発展に貢献する企業の応援記事を投稿します。
毎回の記事を通してサステナブルな社会について話すきっかけをつくること、そして、サステナブルな社会の実現について考えたり話したりすることが日常として根付くことを目指しています。

世界でも随一といわれる日本の水道システムは、現在大きな転換期を迎えています。
水道管の老朽化問題が取り沙汰され、安全な水道水が安定供給されることが当たり前ではなくなってしまうのではないかと危惧されている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回は日本の水道の未来、そして世界の水資源を守る鍵となる「ろ過技術」のひとつであるセラミック膜ろ過システムの可能性について、メタウォーター(株)にお話を伺いました。

記事を読み終えるまでの時間:5分

出典元:メタウォーター株式会社


目次

・転換期を迎える日本の水道インフラ
・セラミック膜がろ過を変える
・国内外で稼働する膜ろ過システム
・現場にいるから見えること
・結びに





転換期を迎える日本の水道インフラ

インタビュアー:
御社が認識している、日本の水道インフラ業界が抱える課題について教えていただけますか。

メタウォーター(株)水道技術部第一グループ 吉田係長(以下、「吉田氏」):
水道収入や水道事業の職員数が減ってきています。高度経済成長期に造った施設や管の更新が迫っているが、お金もリソースもないという現状に、国も危機感を抱いていて、「ウォーターPPP※」を10年で225件実施する方針を打ち出し、予算をしっかり確保して取り組んでいこうという流れがあります。

インタビュアー:
御社はこれらの課題に対してどのような取り組みをされているのでしょうか。

メタウォーター(株)吉田氏:
当社は水インフラに関わる様々な設備、機器の製造・販売事業を行っています。皆さんの生活に欠かせない水道水を造水する浄水場と使った水を綺麗にして川や海に戻す下水処理場の設計から建設、その後の長期にわたる管理・運営までを一気通貫で対応できることが強みです。

インタビュアー:
なぜそのような幅広い業務を行えるのでしょうか。

メタウォーター(株)吉田氏:
もともと機械分野では日本ガイシ(株)(現:NGK(株))、電機分野では富士電機(株)がそれぞれ水業界のトップで、両社の水事業が2008年に統合してメタウォーターが誕生しました。また、ちょうどその頃から、自治体が運営している浄水場・下水処理場の運転・管理を民間に依頼する機運が高まってきました。当社の技術を活かしながら、運転・管理のノウハウを身に付けてきたんです。

インタビュアー:
機械と電機という2つの技術的ルーツを持っていて、それが運転・管理事業にもつながっているんですね。

メタウォーター(株)吉田氏:
その通りです。これからお話しさせていただくセラミック膜ろ過技術も、当社が特に強みとする技術の一つです。

※Public-Private Partnershipの略で、公共サービスの提供に民間が参画する手法を指す。

水道技術部第一グループ 吉田係長



セラミック膜がろ過を変える

インタビュアー:
浄水場で使われるろ過技術についてご説明いただけますか。

メタウォーター(株)吉田氏:
浄水場のろ過方式は大きく分けると緩速ろ過方式、急速ろ過方式、膜ろ過方式の3つあります。
当社が最も強みを持っているのは、膜ろ過方式のひとつであるセラミック技術を用いた「セラミック膜ろ過システム」です。
緩速ろ過と急速ろ過は汚れを砂に付着させて取る方式です。一方セラミック膜は0.1μm、髪の毛一本の約1/800くらいの細さの孔で機械的にろ過します。砂ろ過が「確率的なろ過」だとすれば膜ろ過は「確実なろ過」と言えますね。
例えばクリプトスポリジウムという原虫の除去率で言うと、砂ろ過は99.9%程度、セラミック膜だと99.9999%程度です。クリプトスポリジウムは塩素でも処理できないので、上流に牛がいたりすると、糞便に混ざっていたものが水に紛れ込んで人体に害を及ぼす可能性があります。膜ろ過ならより確実に除去できます。

インタビュアー:
御社のセラミック膜の特徴について教えてください。

メタウォーター(株)吉田氏:
まず、長寿命であることが挙げられます。前身のNGK(株)がセラミック膜を初めて納入したのが1998年ですが、膜が壊れて交換したケースはまだ一度もありません。一般的な膜だと10〜15年で交換が必要ですが、1998年に納入したものが今でも現役で稼働しています。また、設置面積が小さいこと、そして維持管理がほぼ無人で運転できることも強みです。

インタビュアー:
メンテナンスはどのように行うのですか。

メタウォーター(株)吉田氏:
日々のメンテナンスとしては、ろ過を続けると膜の内部に泥のような汚れが溜まってくるので、通常と逆向きに通水する「逆洗」を行います。セラミック膜の浄水場を見学していただくと逆洗の音が聞けることもありますよ。また、当社ではセラミック膜の逆洗後に圧縮空気で汚れを排出する「ブロー」という独自の仕組みを取り入れています。汚れを綺麗に取り除くことで逆洗の頻度を減らすことができ、効率的な運転を実現しています。


セラミック膜


セラミック膜ろ過システム(複数のセラミック膜が格納されているろ過ユニット)


国内外で稼働する膜ろ過システム

インタビュアー:
国内での導入実績について教えていただけますか。

メタウォーター(株)吉田氏:
国内では200件以上導入されていて、水量ベースでは膜ろ過方式でシェア一位です。

インタビュアー:
地域差はあるのでしょうか。

メタウォーター(株)吉田氏:
全国的に採用されています。特に一時期すごく水が濁ってしまう地域、例えば北国の春の雪解けの時期などでは濁水に強いという特徴が評価されています。また、どちらかというと大都会よりも小さい都市で採用いただいていることが多いです。人や資金に余裕がなく、従来のやり方を変える必要があると考えて当社のセラミック膜を選んでいただくケースが多いと思います。

インタビュアー:
海外展開もされているようですね。

メタウォーター(株)吉田氏:
海外では、欧州、米国、アジアなど、パートナー企業を通じて各地にセラミック膜を販売しています。特に、水質基準が厳しい欧州では安全性を求めて採用いただいています。日本と比べて驚くほど水量が多いところに採用されて、大きな機械に桁違いの本数の膜が入っていたりしますね。

オランダのアンダイクⅢ浄水場
一つの筒に200本程度のセラミック膜が詰まっており、スケールが大きい



現場にいるから見えること

インタビュアー:
これまで経験した中で特に印象深い仕事はありますか?

メタウォーター(株)吉田氏:
福島県中核都市でのDBO※案件が印象的でした。当社が図面の設計、工事、試運転まで行い、私は主管部門の一員としてすべての工程に関わりました。古い浄水場から新しい膜ろ過装置に切り替える時の調整は特に大変でしたね。幅広い業務に一気通貫で取り組むメタウォーターならではの仕事で、大変でしたが身になる仕事でした。
自治体、ゼネコン、当社の各部署など利害関係者が多いので、視野を広く持って全体最適を目指す必要があります。また、浄水場全体の運営にまで深く関わることで、発注元の自治体だけでなく水道利用者の方々をより意識するきっかけにもなりました。事業にお金を多く使えばその分水道料金に跳ね返ってきますから、うまく調整する必要があるんです。

インタビュアー:
この記事を読んでいただく方に何かメッセージはありますか。

メタウォーター(株)吉田氏:
日本の水道インフラは更新の時期を迎えていますが、財政難、人材不足など多くの危機に直面していると思います。なぜ危機に立たされているかというと、「日本の水道インフラが危機に立っているのは一度成功したからだ」ということを聞いたことがあります。日本ほど、安全な水がいつでも供給されている国は世界にも多くありません。それを維持するためには、多大な労力が必要です。リソースが足りない中、だましだましやり過ごしている浄水場は少なくありません。現場を見ていても、多くの浄水場で更新が必要な時期に来ているな、という実感があります。現在は水道や下水道の管路の方に注目が集まっていますが、浄水場そのものをきちんと更新していくことも必要だ、ということをご理解いただけたらと思います。

※Design, Build and Operateの略で公共施設などの設計・建設、運転・維持管理に民間を活用する公共事業の手法を指す。


結びに

今回は、メタウォーター(株)の取り組みについて、ろ過技術を中心にお話を伺いました。
セラミック膜は、単に水を綺麗にできるだけではなく、水道事業の現場が抱える人手不足や老朽化という課題に寄り添った製品でもあるということが分かりました。
水道インフラの維持が難しくなっている今、管理の負担を軽減し、安定した水質を保てるこの技術は、私たちの生活を支えてくれる心強い味方になるでしょう。
今後の水道のあり方を考える上で、メタウォーター(株)が提供するソリューションはますます重要な役割を担っていくことになりそうです。

※写真提供元:メタウォーター株式会社
本件に関するお問合わせ先
株式会社あおぞら銀行 03-6752-1111

この企業の関連リリース

この企業の情報

組織名
株式会社あおぞら銀行
ホームページ
https://www.aozorabank.co.jp/
代表者
大見 秀人
資本金
12,590,000 万円
上場
東証プライム
所在地
〒102-8660 東京都千代田区麹町6-1-1
連絡先
03-6752-1111

検索

人気の記事

カテゴリ

アクセスランキング

  • 週間
  • 月間
  • 機能と特徴
  • Twitter
  • デジタルPR研究所