神奈川大学 日本常民文化研究所 非文字資料研究センターには、15年戦争に突き進んだ大政翼賛時代の言論統制下において、戦争プロパガンダの一翼を担うこととなった、戦意高揚のための国策紙芝居「戦意高揚紙芝居コレクション」が収集・所蔵されている。
紙芝居は、絵巻物・のぞきからくり・うつし絵・無声映画の活弁など、<見ながら話を聞く>という日本の視聴覚文化の伝統のもとにあるとされている。1950年代中盤以降、家庭へのテレビの普及にともない街頭から徐々に姿を消したが、戦前・戦後の興業ピーク時には、東京だけで一日に100万人の観客(子ども)を集めていたといわれている。
教化性の高い大衆メディアとして、この時期に制作された一連の「国策紙芝居」は、敗戦から占領に至る期間に多くが焼却され散逸してしまった。同センターが収集した貴重な資料である「戦意高揚紙芝居コレクション」は、主に1941年から1949年の間に日本教育畫劇(1938年結成日本教育紙芝居協会の紙芝居出版機関)から刊行されたものを中心とした241点によって構成されている(旧蔵者は、『戦争と紙芝居』などの著作において、一貫して、戦時下の諸メディア・諸団体の動向と文化人の戦争責任に係る資料を発掘してきた櫻本富雄氏である)。
神奈川大学では、著作権をクリアしたものから順次デジタル化し、神奈川大学デジタルアーカイブからの公開を進めている。
*神奈川大学デジタルアーカイブ「戦意高揚紙芝居コレクション」
http://kdarchive.kanagawa-u.ac.jp/archive/html/kngncm_col1.html
▼本件に関する問い合わせ先
神奈川大学 日本常民文化研究所 非文字資料研究センター
TEL: 045-481-5661(代)
【リリース発信元】 大学プレスセンター
http://www.u-presscenter.jp/