1.産学官連携による食品安全専門人材育成の推進
食品業界では、世界的に食品安全の規制強化と民間規格による食品安全管理の標準化が進んでおり、10年、20年前に比べて、事業者における食品安全管理に必要な知識が格段に増えています。今後、食品産業の発展のためには、
食品安全に関して産業界で必要とされる基礎的な知識を有する人材の確保と、
安全管理についての国際的な議論に参画できる人材の確保が大きな課題となっています。
このため、農林水産省は、「産学官連携による食品安全専門人材育成」を進めていくこととしました。また、国立大学法人鹿児島大学(以下、「鹿児島大学」という。)、日本マクドナルド株式会社(以下、「日本マクドナルド」という。)及び一般財団法人食品安全マネジメント協会(以下、「JFSM」という。)も、この取組に賛同し、協働していくこととしました。
さらに、今回、この取組の一環として、鹿児島大学での食品安全管理の教育カリキュラムの開発に、この四者並びに鹿児島県及び株式会社三菱総合研究所も含め、協力していくこととします。
これを皮切りに、産官学連携による食品安全専門人材育成の体制・仕組みづくりを推進します。
2.具体的内容
(1)産学官連携による食品安全専門人材育成推進の内容
現在の食品産業の状況、世界の食品安全を巡る情勢を踏まえ、食品産業界で必要とされる食品安全専門人材の育成をしていく体制・仕組みについて、関心のある全国の大学等の教育機関、食品産業界が集まり、議論をしていきます。
(2) 鹿児島大学における教育プログラムの開発
①食品安全に係る専門人材を育成するための教育プログラムを協力して開発し、鹿児島大学において平成30年度前期のコマとして授業を開始・実施を目指します。
②このプログラムの一部では、日本マクドナルドによる講義を行うとともに、将来に向け、JFSの監査員研修コースを組み込み、受講者にはその修了書が交付されるようにしていきます。
③農林水産省は、鹿児島大学の教育プログラムの開発、実施に当たって、行政関連情報、食品安全に関する世界の情勢、規格・認証等に関する情報の提供、講師の紹介等の協力を行います。
また、鹿児島大学の教育プログラムも活用しながら、今後の食品安全専門人材の育成のための教育プログラムの実施の拡大と標準化を目指すための議論の場の立ち上げを検討します。
④JFSMは、鹿児島大学における教育プログラムの開発及び実施に当たって、求められる力量、国際的な情勢等の情報、監査員の研修コースの承認基準等を示すとともに、講師派遣等の協力を行います。
⑤この他、鹿児島県は、食品安全に関する行政関連情報の提供や講師派遣、食品等事業者に対する情報提供の協力を行います。また、株式会社三菱総合研究所は、教材作成支援や全体の進捗管理などの協力を行います。