2018年12月31日、平成最後の第69回NHK紅白歌合戦が放映されました。人体認識技術を用いて、テレビ視聴者の視聴態勢から「視聴質」*データを取得・提供するTVISION INSIGHTS株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:郡谷康士 以下「当社」)では紅白歌合戦放映中の、毎分視聴質を計測。どのアーティストやどの場面で人々がテレビの前に滞在し、テレビの画面を注視していたかを解析・数値化しました。
最高視聴質はDA PUMP。AKB48、米津玄師にも注目が
【図1】紅白歌合戦毎分視聴質(個人全体)
第69回NHK紅白歌合戦全体の番組視聴質(VI値×AI値)は1.90、年末年始のテレビ番組(2018年12月29日~2019年1月3日、関東地上波6局で19:15~23:45に放送された番組+CM)の視聴質平均(ノーム値)1.78と比べて高い数値となっています。
放映時間4時間30分の中で最も視聴質(VI値×AI値)が高く、たくさんの人がテレビ画面に釘づけになったのは、後半のトップバッターDA PUMP「U.S.A.」21:01で2.95。次いでAKB48「恋するフォーチュンクッキー」で21:11に2.73でした。3番目に高かったのが全出演者の歌唱シーンを一つの映像にまとめた「第69回NHK紅白歌合戦・ハイライト」23:40で2.72でした。
前半の視聴質のピークは、星野源扮するおげんさんによる音楽トーク番組『おげんさんといっしょ』とのコラボ企画が(図表(2) 20:40)2.24。続いて歌唱に入った星野源「SUN」が2.20でした。Eテレの人気キャラクターたちと紅白歌手たちによる特別企画で、米津玄師が手がけたNHK2020応援ソング「パプリカ」が2.16で前半3番目の盛り上がりとなりました。
後半は、米津玄師「Lemon」を地元徳島から中継し(図表(3) 22:57)2.40まで上昇しました。紅白が初の生歌披露となり話題を集めました。昨年と違ったのは、番組ラストの最終結果発表と出演者が終結して合唱する「蛍の光」でも数字が伸び2.28(図表(4) 23:44)を記録しました。
その他特別企画では、サザンオールスターズ「勝手にシンドバッド」が2.45(23:38)と高い数値を記録しました。
紅白アーティスト別ランキングでもDA PUMPがトップ!
ダンスが視聴者の注目を集める?
【図2】歌唱シーン平均視聴質ランキング(個人全体)
歌唱シーンのみにフォーカスした場合、白組の視聴質トップ3は、2018年『ダサかっこいい』で再ブレークしたDA PUMP「U.S.A.」が2.84、米津玄師「Lemon」が2.32、そして星野源「SUN」2.18がトップ3となりました。
紅組では、AKB48がトップで2.58。国内各グループから選抜された16人に加え、タイ・バンコクで活動するBNK48のメンバー16人が出演し、総勢32人で「恋するフォーチュンクッキー」を熱唱しました。2位は2018年11月に活動を再開したいきものがかりで2.19。そして3位が「私が好きなユーミンのうた〜紅白スペシャル〜」と題され、本番までどの楽曲が歌われるかわからなかった松任谷由美で2.17でした。1曲目の「ひこうき雲」では別のスタジオから中継され、2曲目の「やさしさに包まれたなら」ではサプライズで会場に登場する演出が話題となりました。
今年も紅白ともに、ダンスが特徴的なアーティストの視聴質が高く、テレビCMでも、ダンスを取り入れたものは高いAI値(注視度)を記録する傾向があり、その傾向が現れたといえます。
「孤独のグルメ」が2017年に続き紅白に勝利! 生ドラマの強み生かす
【図3】同時間帯番組視聴質ランキング(個人全体)
同時間帯に他局で放送されていた番組の中では、テレビ東京『孤独のグルメ 大晦日スペシャル』がVI値×AI値=2.51と、紅白歌合戦よりも高い視聴質を記録しました。
同番組は、昨年と同様ドラマの最後で生放送に切り替わり、井之頭五郎を演じる松重豊とゲストに伊東四朗を迎え2018年大晦日の食べ納めをする展開でした。
■視聴質について
人々がテレビの前に滞在している度合いを示すVI値(滞在度=Viewability Index)と、テレビ画面に顔が向いているかを示すAI値(注視度=Attention Index)を数値化し計測しています。
VI値:数値が高いほど、テレビの前の滞在人数が多く、滞在時間が長い。
■注釈
・本データは、毎分ごとの視聴質を計測したものです。
・小数点3位以下は四捨五入しています。
・歌手別視聴質ランキングでは、歌唱シーンの視聴質を抽出。複数曲の場合は平均値を算出しています。
・同時間帯番組視聴質ランキングは、2018年12月31日にNHK紅白歌合戦と同時間帯内に放送された30分以上の番組を抽出しています
・本文中の敬称略
AI値:数値が高いほど、画面を注視した人数が多く、注視秒数が長い。
◼ TVISION INSIGHTS株式会社について
TVISION INSIGHTS株式会社は、テレビの「視聴質」を計測する会社です。当社が開発した人体認識技術を用いて、テレビの視聴態勢を取得しデータ化する独自手法で、データセットを取得・蓄積・提供しています。国内では、関東エリアの800世帯、地上波6局7チャンネルの全番組を毎秒レベルで計測(2018年12月現在)。またグローバルにも拠点を広げ、ボストン・ニューヨークでも展開。米国では主要放送局が導入しているほか、日本では放送局や広告主、広告会社をはじめ70社以上が活用しています。テクノロジーとビッグデータを用いて、テレビ本来のポテンシャルを顕在化することを目指しています。
◼ 企業概要
会社名:TVISION INSIGHTS株式会社
代表:代表取締役社長 郡谷 康士
所在地:東京都千代田区内幸町2-1-6 日比谷パークフロント19階 WeWork内
設立:2015年3月6日
<本件に関する報道関係のお問い合わせ先>
広報担当:美島 Tel:070-1488-3702 E-mail:
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