シュローダー、ESGとサステナブルファイナンスの国際会議「RI Japan2021」 パネルセッション「デジタルトランスフォーメーションとESG」に登壇

ESG投資におけるデジタル化について講演

シュローダー(本社:英国 ロンドン)の日本事業を展開するシュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社は、ESG推進グループ グループリーダーである工藤まゆみが、2021年5月20日にオンライン開催されたResponsible Investor主催「RI Japan 2021」のパネルセッション「デジタルトランスフォーメーションとESG」に登壇したことをお知らせします。

デジタル化、デジタルトランスフォーメーションは、政権の主要政策のひとつでもあり、環境課題のソリューションの中核にも据えられているものですが、本パネルセッションでは、デジタル化の流れが投資家にとってどのような意味を持つのか、ESG投資においてどのような役割を果たしているのか、などについて、国内外の専門家が議論しました。

当社の工藤まゆみからは、アクティブ運用を行う資産運用会社としてのデジタルトランスフォーメーションと、ESG投資におけるデータ活用方法について、シュローダーの取り組みを紹介しました。


■シュローダー ESG推進グループ グループリーダー 工藤まゆみによる講演要約
「ESG投資においては、収益をどれだけあげられるかだけでなく、その過程が重要です。企業が収益を生み出す過程で社会に対してプラスのインパクトを与えることができているか、少なくともマイナスの影響を与えずに企業活動を行っているかという点を、企業分析や評価に加える必要があります。シュローダーでは、世の中にある膨大なデータをこうした分析に役立てていく取り組みを行っています。」

「ESG関連のデータは歴史も浅く定型化されていません。比較可能な状態にない膨大な生データを、各運用チームのアナリストが分析するのは困難です。そこで、シュローダーでは、2014年にデータ・サイエンティストが属するチームを組織し、運用チームを支える仕組みを作りました。そのチームはデータ・インサイト・ユニット(DIU)といいます。」

「DIUは、アナリストやファンドマネジャーがよりよい投資判断を行うため、より高い確信度を得るためにデータを駆使した知見を得ることが極めて重要、との考えに基づき発足しました。新たなデータを発掘し、活用方法を考えて利用可能なデータとして整えることが一つの役割です。しかし、最も重要なのは、データサイエンスによる分析を運用チームに届け、よりよい投資判断の支援材料にすることです。」

「DIU発足以降、データ分析のプロフェッショナルであるデータ・サイエンティストと各運用チームのアナリストやファンドマネジャーがコミュニケーションを重ねてきたことにより、ビッグデータやオルタナティブデータなど、通常では活用が難しいデータを分析し、運用に役立つ知見を得られるようになりました。」
「リサーチの一例として、永久凍土の溶解リスクの分析があります。永久凍土が溶解すると、地中のバクテリアやウイルスが放出されることによるリスクや、二酸化炭素やメタンなどのガスが大気圏に放出されることによる気候変動の加速などが予想されます。永久凍土地域で事業活動を行う企業にとっては、こうした変化は物理的リスクにつながります。
そこでDIUは、企業の拠点それぞれの地表温度を計測し、氷点下となった日数の割合を年単位で比較することで、永久凍土の溶解という漠然としたリスクがどの程度のスピードで迫っているのかという、リスクの重要度を判断するための客観的な材料を提供しました。こうしたデータは環境変化のリスクが想定される企業を特定することに役立ち、企業とのエンゲージメント活動において、より具体的で深い議論を行うためにも生かされています。」

「また、企業が社会に与えるインパクトを金額に換算して計測するシュローダーの独自ツール、SustainEXにおいても、DIUは主要な役割を果たしています。気候変動による気温上昇や飢餓による死亡者数など、数字で把握できるデータはさまざまあるものの、それらをすべて企業にとっての金銭的な価値に換算するのは容易ではありません。それを可能にしたのがDIUによるデータ分析が貢献し開発されたツール、SustainEXです。何千もの学術論文、政府や自治体の研究報告書を分析した上で、企業が及ぼすインパクトを金額換算するために有用なものを選びだし、現在の分析には400を超える学術研究が活用されています。一方で、企業がそれぞれの社会的インパクトに対してどの程度の責任を負うべきか、という点の分析においては企業の開示データが活用されます。」

「こうした社会的インパクトは、現時点では財務諸表に反映されないものの、シュローダーでは、将来的な利益やリスクとなる要素として運用に活用しています。そして、今後、こうしたデータ分析の結果は、投資家への開示にも活用していく方向です。」

セッションの録画をご覧いただくには、RI Japan 2021のサイトをご覧ください。
https://ri-japan-2021.responsible-investor.com/talks/4esg/

データの活用はシュローダーの資産運用サービスの基盤となるものです。シュローダーは、長年の資産運用の知見に加えてデジタル分析ツールを活用することで、お客様に魅力的な投資収益を提供するとともに社会全体にも貢献する資産運用サービスを提供してまいります。


【工藤まゆみ 略歴】
シュローダー本社のサステナブル投資チームと協働し、ESG投資の認知向上、理解の深化、課題解決に取り組む。日系、外資系運用会社にて主にグローバル株式・日本株式の計量的運用業務などを経て、2016年にシュローダー入社。外国株式およびESG投資に関するプロダクトマネジメント業務に従事。2019年7月より現職を兼務。CFA協会認定証券アナリスト、日本証券アナリスト協会 認定アナリスト。

以上


■シュローダー・グループのESGの取組み
「質の高いコーポレートガバナンス体制を確立し、本業を通じて、環境や社会の変化および課題解決に対応する企業は、長期的に企業価値の向上と持続的成長が期待できる」という考えのもと、シュローダーは20年以上、ESGの要素を取り込んだ運用を実践しています。
ESGの観点を加味した運用を通じて、社会や環境にインパクトを与える真の企業価値向上を促すと同時に、社会や経済全体の利益となり、投資収益の拡大にも繋がることを目指しています。

■シュローダー・グループの概要
シュローダー・グループは、資産運用サービスを通じてよりよい未来への貢献を目指す、英国屈指の独立系資産運用グループです。ロンドン証券取引所に上場しています。1804年の創業以来200年以上にわたり、年金基金から機関投資家、個人投資家まで、世界の投資家に、長期的な視点に立ち幅広い投資ソリューションを提供しています。現在、運用資産総額は約81兆円*に上ります。
日本とのかかわりは古く、1870年(明治3年)、日本初の鉄道敷設のために日本政府が初めて発行した国債の主幹事を、シュローダーが務めたことにさかのぼります。1974年には東京事務所を開設し、日本における事業の本格的な第一歩を踏み出しました。幅広い資産運用サービスを提供する現在も日本株式運用を事業の中核の一つに据え、約150年前と同様、日本の未来への投資を通じて歴史を紡いでいます。
※2020年12月末現在。*5,744億英ポンド、1英ポンド=141.13円換算
※本資料におけるシュローダー・グループとは、シュローダーplcを直接もしくは間接的に親会社とする会社などを言います。

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この企業の情報

組織名
シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社
ホームページ
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/
代表者
黒瀬 憲昭
資本金
49,000 万円
上場
非上場
所在地
〒100-0005 東京都千代田区丸の内一丁目8番3号丸の内トラストタワー本館21 階
連絡先
03-5293-1500

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