日本全体で管理職志向が低い原因は「責任に見合う報酬が得られない」「お手本となる魅力的なロールモデルがいない」から!?
エグゼクティブ向けの転職・キャリア支援サービスを展開する株式会社 経営者JP(本社:東京都渋谷区 代表取締役社長・CEO 井上和幸)は、日ごろお付き合いのあるエグゼクティブ男女約2,000 名(有効回答数 103名)を対象に、マネジメントのイメージと現実についてリアルな声を伺いました。
【主な調査結果】
- マネジメントに抱いていたイメージは「影響力の高い仕事ができる」や「自分の裁量が増える」などポジティブな意見が過半数を占める
- マネジメントの悩みは「部下の管理や育成」が60.2%「人間関係やその調整」が46.6%
- 全体の78.6%はもともとマネジメント志向があった
- マネジメントのやりがいを感じる瞬間は「部下の成長」が80.6%「組織として成果をあげたとき」が78.6%
- 日本全体で管理職志向が低い原因は「責任に見合う報酬が得られない」「お手本となる魅力的なロールモデルがいない」から!?
- 46.4%のマネジャーが職場に尊敬できる経営者や上司がいないと回答
- これからもマネジメントを続けたいと回答した管理職が79.6%
■経営者JP総研所長(経営者JP 代表取締役)井上和幸のコメント
管理職への昇進辞令を必ずしも喜ばない、時には固辞するというエピソードを社長や人事の方からお聞きするようになったのは2000年過ぎ頃だったと記憶しています。それから20年、今やマネジメント職はビジネスパーソンの目標・やりがいではなくなったのでしょうか?そんなことから今回、当のマネジメント職(課長職〜社長)の方々に本音を伺ってみました。
結果はご覧の通りですが、いかがでしょうか?課題や不満を伺ったところ、報酬面で必ずしも報われていないのではないかということと、自分にとって目標・ロールモデルとなる上司がいないという2大課題が明らかになりました。
しかし一方では、ご本人としてマネジメント職にやりがいを感じていらっしゃる方が多くあることも明らかになりました。これは朗報です。その源泉は、「影響力の高い仕事」「部下の成長」「組織の成果」「自己成長」の4つがあげられそうです。
マネジメントとしての4つのやりがい源泉と、世界的に低水準となってしまった日本の給与水準を引き上げること。この2つで、もっとマネジメントとしてやってみたい、と思う次の世代のリーダー候補を増量できるかもしれません!
■マネジメントに抱いていたイメージは「影響力の高い仕事ができる」や「自分の裁量が増える」などポジティブな意見が過半数を占める
若手社員のころ、マネジメントに抱いていたイメージを伺うと「影響力の高い仕事ができる」が最も多く75.7%、続いて「自分の裁量が増える」が70.9%、「給与が上がる」が68.0%と、ポジティブな意見が過半数を占めました。当初は不安よりも期待が大きかったことがわかります。
■マネジメントの悩みは「部下の管理や育成」が60.2%「人間関係やその調整」が46.6%
その後、実際にマネジメントをして実感していることについて伺うと「自身の成長になっている」が最も多く72.8%、続いて「影響力の高い仕事ができている」が68.0%、「自分の裁量が増える」が67.0%と、期待していた通りのプラスな実感が多かったです。一方で、「部下の管理や育成の悩みが増える」が60.2%、「人間関係やその調整の悩みが増える」が46.6%と、マイナスな実感が当初のイメージよりも約3倍増加しました。
■78.6%はもともとマネジメント志向があった
もともとマネジメント志向があったかについて伺うと、78.6%の方にマネジメント志向がありました。役職別にみると経営者が94.7%、課長クラスが60.0%と役職ごとに志向性の違いがわかりました。
■マネジメントのやりがいを感じる瞬間は「部下の成長」が80.6%「組織として成果をあげたとき」が78.6%
マネジメントでやりがいを感じる瞬間について伺うと、最も多かったのが「部下の成長」で80.6%、続いて「組織として成果を上げたとき」が78.6%、「部下がいきいきと仕事をしているとき」が73.8%という結果になりました。自分の成長や成果よりもチームや部下の成長や成果にやりがいを感じる方が多いことがわかりました。
■日本全体で管理職志向が低い原因は「責任に見合う報酬が得られない」「お手本となる魅力的なロールモデルがいない」から!?
日本はほかの国に比べて管理職志向が低く、全体の2割弱と言われています。現場にいる目線で課題に感じることについて伺うと、最も多く寄せられたのが「責任に見合う報酬が得られない」という意見でした。責任が増えたりマネジメントの難易度があがる割には、それに対して報酬が少ないという現実がわかりました。その対策としては「経営陣の意識改革や人事制度の改定」などがあげられました。
続いて多かった意見は「お手本となる魅力的なロールモデルがいない」「管理職にいきいきと働いている人の比率が低い」などでした。その対策としてあげられたのは「マネジメントの負荷軽減」や「いきいきと働ける組織づくり」でした。
■46.4%のマネジャーが職場に尊敬できる経営者や上司がいないと回答
幹部・役員クラスと部長クラス、課長クラスの方に、職場に尊敬できる経営者や上司はいるか伺ったところ、「いる」との
回答が51.2%、「いない」との回答が46.4%という結果になりました。先ほどの課題であがっているのと同様に、身近に尊敬できる人がいないことは管理職志向低下の原因となっていることがわかります。
■これからもマネジメントを続けたいと回答した管理職が79.6%
今後もマネジメントを続けたいか伺うと、79.6%が「今後もマネジメントを続けたい」と回答し、14.6%が「部下を持たず自分の専門性を高めたい」と回答しました。「今後もマネジメントを続けたい」と回答した人を役職別にみると、経営者が最も多く94.7%でした。今後もマネジメントを続けたい理由は「仕事の達成感ややりがいを感じること」や「自身の客観性を衰えさせないため」などがあげられました。また、部下を持たず自分の専門性を高めたい理由は「次世代の人材の成長の機会づくりのため」や「心理的安全性が高いから」などがあげられました。
■役職分布
■調査概要
・実施期間:2023年1月18日〜2023年1月31日
・調査対象:経営者及び管理職にかかわる男女
・調査機関:経営者JPメルマガ会員:約2,000名(有効回答数103名)
・調査手法:インターネット調査
※データ利用の際は「経営者JP総研事務局・藤田」までご連絡いただければ幸いです。
本調査の著作権は「株式会社経営者JP」に帰属します。
■株式会社 経営者JPについて
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