情報セキュリティメーカーのデジタルアーツ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:道具 登志夫、以下 デジタルアーツ、証券コード2326)は、2022年下半期に収集した国内外のフィッシングサイトURLのドメインを集計したレポートを公開したことを発表します。
フィッシングサイトURLのドメインを集計、フィッシングサイトURL総数は上半期比約4倍
デジタルアーツでは、日々さまざまなWebサイトについて調査・収集を行っております。今回、デジタルアーツは、2022年下半期(7~12月)に確認した国内外のフィッシングサイトURLのドメインを集計しました(IPアドレス形式のURLは除く)。なお、本レポートで扱うドメインについては、【図1】のように定義しています。2022年下半期のフィッシングサイトURL総数は、上半期と比較すると約4倍に増加しました。月別でみると最多は10月で、1カ月だけで上半期の総数を超えています。
特徴的なパターンを持つ大量のフィッシングURLを観測
2022年下半期のフィッシングサイトのURLおよびドメインには、特徴的なパターンを持つクラスター(群)がありました。
・サブドメイン文字列は、文字数が多く、「www.」で始まり、そのあとには「aupay,visa,myjcb,saison」などといった正規サイトで使われる文字を数文字だけ使ったランダムな文字が続く
・TLD(トップレベルドメイン)には「top」を使用したものが非常に多く、他にも「icu,co,shop」などのTLDが使われた
・URLのパス部分には「/page1.php」を用いる
・「サブドメイン文字列」×「独自ドメイン」のように掛け合わせた組み合わせでURLを大量に生成しているようなもの(「サブドメイン・文字列が同一で、独自ドメインが異なる」、逆に「サブドメインが異なり、独自ドメインが同じ」というパターン)といった特徴が見受けられた
このクラスターが下半期フィッシングサイトURL総数のおよそ7割を占めていました。同一のグループによって、あるいは同一のツールを用いて、大量に機械的に作成されていた可能性があります。これが2022年下半期のフィッシングURL数が急増した要因と考えられます。
フィッシングサイトのTLD(トップレベルドメイン)では「top」が最多
フィッシングサイトのTLDを集計したところ、「top」が最も多く、「top」が含まれる下半期のURL数は上半期比で約45倍となりました。上半期ではあまり多くなかったものの、下半期の9月から10月にかけて大量に観測しました。上半期、下半期それぞれのURL総数を100%としたシェアでみると、「top」のシェアは上半期3.57%に対して下半期は40.95%となっています。
2022年下半期はフィッシングサイトURLのボリュームが多い結果となりました。情報処理推進機構(IPA)が発表した「情報セキュリティ10大脅威 2023」※のランキングでは、「フィッシングによる個人情報等の詐取」が2022年と同様に個人編1位にランクインしており、今後も万全な対策が必要です。
▶デジタルアーツのi-FILTERはフィッシングサイトのURLをブロック
デジタルアーツでは日々さまざまな情報をもとにデータの収集を行っています。「i-FILTER」Ver.10では、フィッシングサイトURLはフィルターデータベースへと迅速に配信され、[フィッシング詐欺]や[迷惑メールリンク]や[違法ソフト・反社会行為]カテゴリにてブロック可能です。またフィルターデータベースに反映されていないURLについても「ホワイト運用」を行うことで、デジタルアーツが安全を確認したURLにのみアクセスを許可し未知のフィッシングサイトや悪性URLをブロックすることができます。さらに「クレデンシャルプロテクション」機能では、正規のサイトと判別が困難な改ざんサイトに設置されたフィッシングサイトであっても、ユーザーがID・パスワードを送信しようとした際にこれをブロックすることが可能です。
https://www.daj.jp/bs/i-filter/
▶2022年下半期フィッシングサイト ドメイン集計のレポートはこちら
以下、弊社コーポレートサイト上にて公開しております。
セキュリティレポート
https://www.daj.jp/security_reports/31/
※ 情報処理推進機構(IPA)「情報セキュリティ10大脅威 2023」
https://www.ipa.go.jp/security/vuln/10threats2023.html