低コスト、高鮮度、CO2やフードロス削減を実現 「PPIH」「ONE」「NAX JAPAN」3社 海上トライアル輸送を開始
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(以下PPIH)、オーシャン ネットワーク エクスプレス (以下ONE)、NAX JAPAN株式会社(以下NAX)の3社は、二温度帯対応CA(Controlled Atmosphere)コンテナの海上トライアル輸送を共同で開始いたしました。本コンテナの海上輸送利用は世界初で、生鮮を含む食品・非食品問わず少量多品種の同時輸送による輸送効率向上・コスト削減をはじめ、CO2排出量削減、在庫リスク軽減によるフードロス削減などが期待される技術です。
輸送コストやフードロス削減も
PPIHでは現在、アジアにて日本製品や日本産品を提供するジャパンブランド・スペシャリティストア「DON DON DONKI」を展開し、ローカルのお客様よりご好評をいただいています。各店舗では、日本の青果や海産物など、生鮮食品の人気が高い一方で、タイやマレーシアなど店舗数の少ない国への輸送は少荷量のうえ、適正温度の異なる商品は別々のコンテナで輸送する必要もあり、コンテナ内が埋まらない状態でも複数のコンテナで輸送するため輸送コストが高くなる点が課題でした。さらに、積載効率を上げようと、多くの商品を積載することで、店舗に届く在庫量が過剰になり、店頭に並ぶ前に品質低下による廃棄になるリスクもありました。
本コンテナでは、庫内を間仕切りで2つに分けることで、適正温度の異なる品目の混載が可能になり、積載効率の向上によるコストの低減や在庫ロス削減(フードロス削減)、コンテナ本数削減による減便でのCO2排出量削減も期待されます。
鮮度維持により、高品質の商品提供へ
通常、日本からアジア各国への海上輸送にはおよそ10~15日を要し、さらに税関検査などでも時間を費やします。この間、輸送コンテナ庫内で青果の鮮度を維持することが難しく、店舗に並ぶ前に販売できる状態ではなくなったり、店舗で販売できる期間が大幅に短くなったりするリスクがあります。
本コンテナでは、CA機能や温度調節により、長期間の輸送でも食品鮮度の維持が可能になり、輸送事情に左右されず、店舗まで高品質な商品を届けることができるようになります。
二温度帯対応CAコンテナとは ~本コンテナの特徴~
- CA機能は、酸素と二酸化炭素の濃度を調整し、青果などの食品の貯蔵期間を延ばすことができる機能です。
- 温度帯については、庫内中央部に開閉可能な間仕切りを備え、冷凍機(リーファーユニット)に近い庫内は-30℃~30℃での輸送が可能です。もう一方の庫内は、天井部分にサーマルファンを取り付けることで天井伝いに冷気を送り込み、-5℃~30℃の温度帯に対応可能です。
- 中央部の間仕切りは、前後に移動させて庫内の広さを調節できたり、天井部に格納して通常のリーファーコンテナとして利用できたりします。
※コンテナ中央部の間仕切りのイメージ
海上トライアル輸送を実施
PPIH、ONE、NAXの3社は、昨年11月に東京-シンガポール間にて、本コンテナのトライアル輸送を実施しました。このトライアルでは、温度や酸素・二酸化炭素濃度、湿度推移を計測するなどしました。今後も実用化に向けた3社によるトライアル輸送を実施する予定です。
<参考>
■日本の農畜水産物の海外販路拡大に向けた取り組み
PPIHグループは、2020年10月に、日本の農畜水産物の輸出拡大に向けた生産者とPPIHグループのパートナーシップ組織「Pan Pacific International Club(PPIC)」を発足し、現在、500以上の生産者・関係団体に加入いただいています。PPICの会員は、PPIHグループとの定期商談や直接取引契約が可能となり、安定した出荷先の確保につながるほか、市場や環境に左右されない出荷価格の安定が期待できます。
■PPIHグループの海外における店舗数(2024年2月2日時点)
DON DON DONKI等の小売店舗数:米国66店、シンガポール:16店、タイ:8店、香港:10店、台湾:5店、マレーシア4店、マカオ2店(PPIHグループ店舗網
https://ppih.co.jp/search/)
■報道関係の方からのお問合せ先
株式会社パン・パシフィック・インターナショナルホールディングス 広報室
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