東京都が主催し、公益財団法人日本デザイン振興会(所在地:東京都港区)が企画・運営を行う「東京ビジネスデザインアワード」は、都内中小企業が持つ「技術」「素材」などをテーマに、優れた課題解決力・提案力をあわせ持つデザイナーと企業が協働することを目的とした、2024年度のデザイン・事業提案コンペティションの募集を本日より開始しました。
「ビジネスにデザインを取り入れてみたいけれど、何から始めていいのかわからない」
「デザインを活用して自社を見直し、ブランディングや新規用途の開発に取り組みたい」
本アワードは、都内中小企業から選定されたテーマに対して「新たな用途の開発などを軸とした事業全体のビジネスデザイン」を「提案」としてデザイナーから募り、企業とデザイナーのマッチングを行います。マッチングが成立したものを「テーマ賞」として発表後、製品開発や知財対策など各領域の専門家がアドバイスを行い、事業化・商品化を支援します。「テーマ賞」の中から公開審査を経て、最優秀賞・優秀賞を決定します。
企業は、事業戦略から製品やサービスの市場供給にいたるまでデザイナーが関与することで、企業の競争力を高める「デザイン経営」を実践する最初の場としても活用いただけます。アワード終了後も事業提案の実現へ向けたさまざまなサポートが実施されます。
これまでに採用された中小企業の「技術」「素材」は120件以上、デザイナーからの提案数は延べ1,400件以上で、マッチングから20件以上のプロジェクト実現・協働事例が生まれています。
本アワードを通じて、企業とデザイナーの協働により、新しい価値の創出、企業の市場での優位性の向上を目指していきます。
<東京ビジネスデザインアワードの特徴(参加企業メリット)>
・新規事業や市場開拓の機会を提供
企業の持つ技術や素材の可能性にデザイナーが着目することで、新しいものづくりやサービス開発など、マーケットの開拓機会が提供されます。
・ブランド開発の方法やプロセスのノウハウを習得
デザイナーと協働することにより、ユーザー目線での経営資源の活用やブランド構築に向けたプロセス・メイキングを実践することができます。
・各領域の審査委員による実践的サポート
製品開発、起業支援、知財管理など、各領域のプロフェッショナルから成る審査委員会が進捗に応じて実践的なアドバイスやセミナーなどを行い事業化を支援します。
・継続的な支援の実施
事業化に向け、アワード終了後も一年間継続してサポートを行います。期間終了後も、事業化したサービス、製品の広報協力や展示会出展などの参加機会を提供します。
<東京ビジネスデザインアワード2024年度の主なスケジュール>
テーマ発表・デザイン提案募集:9月〜10月
テーマ賞発表:2025年1月
最優秀賞・優秀賞発表/表彰式: 2025年2月
<2024年度東京ビジネスデザインアワード 企業応募概要>
■募集期間 4月11日(木) 〜 6月24日(月) 当日消印有効
■応募資格 東京都内の中小企業または個人事業主
■賞・賞金(応募技術、素材がテーマとして選出された後、デザイナー提案とのマッチングを経て最終審査にて決定)
最優秀賞 1件 副賞:賞金100万円(企業/デザイナー各50万円)
優秀賞 2件 副賞:賞金20万円(企業/デザイナー各10万円)
テーマ賞 各テーマにつき1点
※審査の結果「該当なし」となる場合があります。
■応募費用 無料(交通費、通信費、送料など実費は応募者負担)
■応募方法 ウェブサイトより募集要項・応募用紙をダウンロードし、必要事項記入および必要書類を添付の上、下記の東京ビジネスデザインアワード事務局に郵送。(書類は6月24日(月)当日消印有効)。
<2024年度東京ビジネスデザインアワード 審査委員>
審査委員長:
山田 遊 バイヤー 株式会社メソッド 代表取締役
審査委員:
秋山 かおり プロダクトデザイナー STUDIO BYCOLOR
谷口 靖太郎 デザインエンジニア、ディレクター Takram
日髙 一樹 特定訴訟代理人・弁理士 /デザインストラテジスト 日高国際特許事務所所長
坊垣 佳奈 株式会社マクアケ 共同創業者 / 取締役
宮崎 晃吉 建築家 株式会社HAGISO 代表取締役
八木 彩 アートディレクター、クリエイティブディレクター アレンス株式会社
<2024年度東京ビジネスデザインアワード 審査委員長 山田 遊氏メッセージ>
2012年に始まった東京ビジネスデザインアワードも、昨年度で干支も一回りし、今年度、13年目となる開催を迎える運びとなりました。
コロナ禍の3年間を経て、日本国内ではいよいよ「働くこと」、さらには「人」にまつわる課題が顕在化する時期に差しかかってきました。物流にまつわる2024年問題、労働力人口の減少が本格的に始まる2025年問題、2030年、40年とこの問題はさらに加速していくことになります。
戦後、高度経済成長期からバブル期までは、主に工業・ものづくりにおける「技術」と、その生産効率に応じた人々の働きが、企業を支えてきました。そして技術では差別化が難しくなった昨今、「デザイン」を経営資産として活用する「デザイン経営」が注目され、国も推進をしています。
企業の経営者が「デザイン」を理解すること、そして、デザイナーが企業の「経営」を理解して、1つのチームとなり新たな事業を興すこと。それこそが東京ビジネスデザインアワードの主眼であり、今年度も変わることはありません。
日本における中小企業の割合は実に99.7%、従業者数も全体の7割を占めます。企業も法人。人格を与えられた組織です。この国の首都であり、また、時代の写し鏡とも言える東京という土地から、人と人とが出会い、双方の複雑さを理解した上で、一体となりともに働くことで、新たな明るい未来を創出する機会となることを、今年も心より願っています。
<「企業向け」オンライン個別相談>
東京ビジネスデザインアワードへの応募を検討する企業向けに、5月9日(木)から6月14日(金)まで オンラインでの個別相談を実施します。参加希望企業は、タイトルに「オンライン相談希望」と明記の上、以下を記載して事務局までメールでお申し込みください。
・企業名/ご担当者・参加者氏名(複数可)/電話番号/E-mail/業種
・ご希望の日程(土日祝を除く10:00-12:00、13:00-17:00の任意の時刻。3つ以上挙げてください)
東京ビジネスデザインアワード事務局(公益財団法人日本デザイン振興会内)E-mail:tokyo-design@jidp.or.jp
参考資料:東京ビジネスデザインアワード ビジネスマッチング実現化事例
・「wemo」 2016年度 優秀賞・テーマ賞
株式会社コスモテック(立川市)×今井裕平、林 雄三、木村美智子 【 kenma Inc. 】
「水なしで肌に直接貼れる、特殊転写シール技術」を活用し、腕や手にペンで直接書く「手メモ」の問題解決としてプロダクトを提案。現場最前線で働くさまざまなシーンでの使用展開のみならず、現在は各種タイプを販売し、メディア掲載も多数。バリエーションも増え、「wemo」シリーズとして累計100万個を売り上げ国内外で展開している。
https://www.wemo.tokyo/
・「さかなかるた」 2020年度 最優秀賞・テーマ賞
株式会社千葉印刷(渋谷区)×SANAGI design studio
42億色の表現・メタリック印刷が可能なオンデマンド印刷機を活用し、印刷の楽しさ・素晴らしさを伝いえたいとアワードに応募。デザイナーとのマッチングで生まれたのは、子供たちに魚への興味や関心事の幅を拡げたいという想いから生まれた、魚の表皮をリアルに再現した「かるた」。ウロコのキラキラ感・凸凹感を、特殊印刷技術で再現しており、見て楽しむのはもちろん、目を閉じて触ったり、水に浮かべたりして遊ぶことができる。2022年度グッドデザイン賞「グッドフォーカス賞」を受賞。
https://sakanakaruta.theshop.jp/