トラック・バス用タイヤの状態管理デジタル・アプリケーション「Tire SAPRI」を開発
物流事業ユーザーのソリューションに向け、テストマーケティングを開始
TOYO TIRE株式会社(本社:兵庫県伊丹市、社長:清水隆史)は、このほど、トラック・バス用タイヤの使用環境や使用状態を把握、管理するデジタル・アプリケーション「Tire SAPRI(タイヤサプリ)」を開発し、一部のお客様へテストマーケティングを開始しましたのでお知らせいたします。タイヤ摩耗状態の予測による表示や空気圧・温度のモニタリングによる異常通知など、独自のデジタル・データ処理技術に基づき、物流事業者の車両運行上の効率的な管理や運行トラブルの未然防止など、ソリューションによる新たな価値創造を図ってまいります。■物流業界を取り巻く環境
現在の物流インフラにおいては配送需要の増大やサービス多様化、2024年法規による労働力不足、いわゆる2024年問題によって取り巻く環境が深刻化しています。また、運行上の車両トラブルによる配送遅延を回避するため、これまで以上に安全運行に向けた管理の徹底が重要となっています。
物流を支える運輸事業主においては、保有車両のメンテナンスへの投下リソース(時間・費用・人員)の合理化と安全な車両運行管理の両立を求められています。
■トラック・バス用タイヤの状態管理アプリケーション「Tire SAPRI」を開発
当社は、長年培ってきたトラック・バス用タイヤ(生産財)分野での知見を活かし、タイヤという製品はもとより、タイヤに紐づいて取得できる情報を処理して活用するデジタル・ソリューションによって、ユーザーである物流事業者の課題解決に取り組みます。車両の個別運行状況に応じて、装着タイヤの状態変化をはじめ、走行環境情報を自動的に収集し、蓄積するシステムを開発。蓄積したデータについて、AIを駆使して解析することで、タイヤの摩耗状態を実測することなく推定できるモデルを構築し、2020年7月に公表しました。その後、本モデルを物流事業者の安全運行管理に役立てるべく、摩耗状態推定モデルの予測精度の向上および機能性、視認性、操作性の高いアプリケーションの開発を進めてまいりました。
このたび、物流事業者の協力を得ながら実証実験を重ね、リアルタイムでタイヤの状態を可視化するデジタル・アプリケーションを開発しました。これをお客様との媒介として活用し、課題解決のための新しい価値提供の社会実装に取り組むため、テストマーケティングに乗り出します。
【主な機能】
Tire SAPRIは、物流事業者と当社がタイヤに関連する情報を共有していつでも、どこからでも確認できる状態を創設し、これを効果的に活用していくためのデジタル・アプリケーションで、以下の4つの機能を搭載しています。
① 「摩耗予測表示機能」
現在のタイヤ摩耗状態と将来に発生し得るタイヤ摩耗状態の予測結果を、タイヤの溝ごとに表示し、計画的な交換タイミングの立案・管理、ローテーションに活用することができます。
② 「空気圧、温度モニタリング機能」
タイヤの空気圧と温度情報をリアルタイムで監視し、日々のタイヤ点検の精度を向上させます。適正な空気圧を管理、維持することで、タイヤの性能を最大限に引き出し、運行の安全性を高めるだけでなく、環境負荷の軽減にもつなげることができます。
③ 「状態異常検知・通知機能」
タイヤの残溝や空気圧・温度の異常を検知した場合、即座にメールで通知します。重大な不具合を未然に防止、事故や故障のリスクを低減し、適正運行の維持に貢献します。
④ 「タイヤの管理機能」
装着しているタイヤや保管しているタイヤの情報を一元管理します。アプリケーション内でタイヤを管理することにより、効率的なメンテンス業務に貢献します。
■本格導入に向け、テストマーケティングを開始
今般、「Tire SAPRI」を活用したソリューションビジネスの事業化に向け、一部のお客様向けにテストマーケティングを開始いたしました。
当社は、中期経営計画「中計'21」における成長戦略の一環としてソリューションビジネスへの挑戦を掲げています。物流事業者向けのユーザーオリエンテッドなソリューション(新製品・サービス)の提供を通じて、今後も、物流業界における課題解決に貢献してまいります。